大町市議会 > 2010-12-08 >
12月08日-03号

  • "美麻支所産業建設課長"(/)
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  1. 大町市議会 2010-12-08
    12月08日-03号


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    平成22年 12月 定例会         平成22年 大町市議会12月定例会会議録(第3号)               平成22年12月8日(水)---------------------------------------             平成22年大町市議会12月定例会                 議事日程(第3号)                    平成22年12月8日 午前10時 開議日程第1 市政に対する一般質問順位議席氏名419市民クラブ代表  中牧盛登57日本共産党代表  太田欽三615個人質問     大和幸久74個人質問     和田俊彦83個人質問     二條孝夫---------------------------------------              会議出席者名簿◯出席議員(20名)     1番  荒澤 靖君        2番  堀 堅一君     3番  二條孝夫君        4番  和田俊彦君     5番  岡 秀子君        6番  松島吉子君     7番  太田欽三君        8番  丸山美栄子君     9番  勝野 明君       10番  小林治男君    11番  大厩富義君       12番  遠藤徹雄君    13番  川上守孝君       14番  高橋 正君    15番  大和幸久君       16番  八木 聡君    17番  竹村武人君       18番  飯嶌楯雄君    19番  中牧盛登君       20番  浅見昌敏君◯欠席議員(なし)◯説明のために出席した者 市長         牛越 徹君    副市長        相澤文人君 教育長        荒井今朝一君   病院事業管理者    赤羽賢浩君                     民生部長 総務部長       吉澤義雄君               西沢正敏君                     福祉事務所長 産業観光部長     降籏和幸君    建設水道部長     木村隆一君 会計管理者               教育次長            伊藤悦男君               北澤徳重君 会計課長                体育課長 病院事務長      牛越 寛君    庶務課長       遠山 勝君 企画財政課長            宮坂佳宏君    税務課長       横沢 健君 ケーブルテレビ推進室長 消防防災課長     西田 均君    市民課長       北澤文子君 生活環境課長     勝野 稔君    福祉課長       田中秀司君                     農林水産課長 子育て支援課長    松井栄一君               中村健二君                     農委事務局長 商工労政課長            小林敏文君    観光課長       縣 和彦君 産業立地戦略室長 建設課長                都市計画・国営            西沢義文君               西澤潤一郎君 水利対策室長              公園対策課長 水道課長       降籏 孝君    下水道課長      降幡 司君 八坂支所長            鳥屋寿和君    八坂支所産業建設課長 竹本明信君 八坂支所総務民生課長 美麻支所長            飯沢壮一君    美麻支所産業建設課長 清水一弘君 美麻支所総務民生課長 学校教育課長     勝野太彦君    生涯学習課長     羽田一幸君 山岳博物館長     宮野典夫君    病院庶務課長     丸山純生君 病院医事課長     宮脇哲子君◯事務局職員出席者 事務局長       山下鈴代君    庶務議事係長     川上晴夫君 書記         牧野秀紀君    書記         清水智之君---------------------------------------               本日の会議に付した事件             議事日程(第3号)記載のとおり---------------------------------------             平成22年 大町市議会12月定例会           市政に対する一般質問通告並びに質問要旨、順位順位議席番号 氏名 質問形式質問項目質問要旨ページ419番 市民クラブ代表 中牧盛登 [一括]1.新年度予算について(1)新年度予算の目玉は何か (2)市長公約の実現に向けた予算は何か (3)市民参加と協働による市政運営の進め方について136 ~ 1522.事務事業評価の結果について(1)事務事業評価の結果についてどのように整理されているのか3.新公共交通への挑戦について(1)大町市にふさわしい公共交通について4.防災行政無線について(1)改善状況について57番 日本共産党代表 太田欽三 [一括]1.市長の政治姿勢について(1)まちづくりと協働について152 ~ 1612.環境問題について(1)ごみ処理施設について (2)減量計画と生ごみの堆肥化について3.農業問題について(1)地域の農業とTPP問題について4.住宅問題について(1)リフォーム助成について615番 個人質問 大和幸久 [一問一答]1.大町市下水道事業について(1)受益者負担金及び利用料金の見直しについて161 ~
    174 2.大町市の公文書の取り扱いについて(1)しらかば保育園裁判に係る公文書の取り扱いについて74番 個人質問 和田俊彦 [一問一答]1.大町市の情報発信について(1)観光資源についての総合的な情報発信のあり方について (2)メディアに対する広報等の協力体制について (3)立川アンテナショップについて (4)山岳博物館創立60周年における情報発信について174 ~ 1892.地域公共交通機関について(1)市民バスの運営管理(フリー乗降、車両管理等)について (2)地域公共交通連携協議会について3.雪害対策について(1)除雪、融雪について83番 個人質問 二條孝夫 [一問一答]1.今年度の補正予算と来年度の予算について(1)今年度の補正予算の見通しについて (2)来年度の予算配分の重点について189 ~ 2042.企業誘致戦略について(1)企業誘致戦略の内容について (2)企業誘致戦略と観光・教育のかかわりについて △開議 午前10時00分 ○議長(荒澤靖君) おはようございます。ただいまから12月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は20名全員であります。よって定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 理事者、部課長等の欠席、遅参等については、総務部長の報告を求めます。総務部長。 ◎総務部長(吉澤義雄君) 報告いたします。市長、副市長、教育長、病院事業管理者、所定の部課長は出席しております。 以上でございます。 △日程第1 市政に対する一般質問 ○議長(荒澤靖君) 日程第1 昨日に引き続き市政に対する一般質問を行います。 質問順位第4位、市民クラブを代表する中牧盛登議員の質問を許します。中牧盛登議員。     〔19番(中牧盛登君)登壇〕 ◆19番(中牧盛登君) おはようございます。市民クラブの中牧盛登です。通告しました4点について代表質問をいたします。よろしくお願いいたします。 初めに、新年度予算についてお聞きします。 新年度予算の目玉となる事業は、どのような事業なのでしょうか。そして、目玉となる事業の効果をどのように考えているのでしょうか、お聞きします。 2つに、市長が公約した3つの重点施策--大町病院の再生、松本糸魚川連絡道路の早期着工、働く場の確保と産業おこしについて、市長公約の実現に向けた新年度予算計上はあるのでしょうか。 昨日の勝野明議員に対する答弁は、現時点では明確に答えることはできないといった内容でした。各課のヒアリングは終わっていると思いますが、お考えをお聞きします。そして、実現に向けた戦略についてもお聞きします。 次に、市民参加と協働による市政の進め方については、市長あいさつの中で「芽生えてきた参加と協働の流れをさらに大きく太くしていきたい」と常に発言をされています。 そこでお聞きしますが、いろいろな事業を実施する中において、市民とのかかわりをどのようにして反映させているのか、チェックシートのようなものがあるのかも含めて具体的にお答えいただきたいと思います。 2つ目の事務事業評価についてお聞きします。 これまで実施されてきた事務事業評価の数は、どのくらいあるのでしょうか。また、内部評価と外部評価についての進捗状況は、どのような状況になっているのかお聞きします。 次に、事務事業の評価を実施した結果、どのような効果と課題が見えてきたのかお聞きします。 3つ目の新公共交通への挑戦について質問します。 昨年の9月定例会で、デマンドバスに対する評価を市長にお聞きしたところ、デマンドバスに対する評価は高いと明言されました。そして、新しい公共交通に挑戦する気概を持って、できるだけ早く検討に着手し、大町市にふさわしい公共交通体系を構築するという力強い決意を示していただきました。あれから1年、デマンドバスを提言してから6年、今回お聞きしたいことは、今だれが中心となって大町市にふさわしい公共交通を構築するために取り組んでいるのか、そしてどこまで検討が進んでいるのかお聞きします。 最後に、防災行政無線について質問します。 3カ月前の9月定例会で、防災無線は豪雨や強風など厳しい条件のもとでは聞こえないことが想定されることから、言葉による伝達方法に加えて、市独自の信号音をつくってはどうかとの質問に対し、市長からは、信号音の採用については、早急に検討を進め、有効な手段となるよう具体化を進めるという答弁をいただきました。今現在、信号音の具体化については、どこまで取り組みが進んでいるのでしょうか、お聞きします。また、平成22年度の防災行政無線戸別受信機の購入者数は、11月末現在で何名になるのか、購入助成額はどのくらいになるのでしょうか、お聞きします。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(荒澤靖君) 質問が終わりました。中牧盛登議員の持ち時間については、残り65分といたします。 中牧盛登議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 中牧議員の代表質問につきまして、順次お答えを申し上げます。 まず、新年度予算の目玉事業とその効果についてのお尋ねでございます。 新年度予算の編成作業は、現在、各課からの要求に対する財政担当者のヒアリングを行っておりまして、理事者査定に向け、これから実質的な編成作業が本格化する段階でございます。 したがいまして、現時点では、予算につきまして詳細を明確に申し上げることはできませんが、これまでの経過を踏まえ、目玉として進めていかなければならないと考えるものといたしましては、産業立地戦略に基づく企業誘致の強化策として、当市に関心を持つ企業の動向を的確に把握できるよう、企業動向調査を専門会社に委託して、対象業種を絞った上で、より詳細なレポートを作成するなど、当市の企業戦略に沿った効果につながる手法を模索してまいります。 また、市内企業の設備投資への支援に当たりましては、計画や構想段階から密接に連絡をとり、全庁を挙げて一層迅速に対応する体制の確立に努めてまいります。 このほか、市民の皆様の安心・安全を確保するために、東小学校の耐震改修を含む大規模改修や大町病院西病棟耐震補強工事、市道若宮駅前線の整備に向けた用地取得に着手しますほか、広域ごみ処理施設の建設促進、また現在、雇用能力開発機構との間で調整しておりますI・Uターン希望者の居住確保のための雇用促進住宅の取得を進めます。 さらに、本年度に引き続き実施いたします緊急雇用創出事業では、ごみの不法投棄防止パトロールや、新たに社閏田の山寺廃寺跡の発掘調査を行うことにより、約50人の雇用を確保してまいります。 事業の推進に当たりましては、当市の重点課題であります財政健全化の推進を念頭に置き、財源確保と予算規模の平準化を考慮しつつ進めることといたしております。これらの事業の多くは、市民の皆様の公共的な生活基盤の整備・充実を目指すものでありますが、あわせまして雇用の場の確保や市内事業者への受注機会の増加を図り、地域経済の底上げにも寄与する事業でありますことから、効果を大いに期待するものでございます。 次に、市長公約の実現に向けた新年度予算及びその戦略についてのお尋ねにお答えを申し上げます。 新年度予算につきましては、先ほども申し上げましたように予算編成作業に着手するところでありまして、予算規模を含め、予算の内容については、まだ定まっておりません。そのため、個別の事業につきましては、具体的にどのような形で予算に措置するかを申し上げることはできませんが、さきの市長選挙におきまして、公約として掲げました施策につきましては、いずれも市の将来にとりまして、緊急かつ重要な施策であると認識しております。 まず、大町病院の再生及び働く場の確保と産業おこしにおきましては、公約の実現に向けて具体的に一歩踏み出すための所要額を新年度予算に反映してまいりたいと考えております。 また、松本糸魚川連絡道路の早期着工につきましては、この道路に大きく関係いたします小谷村雨中地区の国道148号バイパス案が、新規に着手される見通しでありますほか、国の直轄事業として整備中であります小谷道路が、平成24年度中に完成する見込みとなっております。今後もこの松本糸魚川連絡道路の早期着工に向け、事業主体への働きかけが特に重要でありますことから、引き続き全力を注ぎ、みずから靴をすり減らして取り組んでまいります。 次に、公約実現のための具体的な戦略といたしましては、一例を申し上げますと、新年度に大町病院が実施を予定しております、西病棟の耐震補強工事に対する一般会計からの支援策として本定例会に補正予算を提案いたしましたように、県からの交付金を積み立て、翌年度以降の支援に充てるための財源といたしましたほか、地域の振興策として、信州大学との協定に基づく共同研究の成果でもあります、地域全体の付加価値を高めるための地域ブランドを地域の認知度向上に生かし、地域力を高めることにより、地場産品の販路拡大や当市を訪れていただける観光客の確保につなげてまいりたいと考えております。 また、本年度設置いたしました、産業立地戦略室の最重点課題であります雇用の場の創出に資するための調査訪問等の活動経費の増額を図り、一つずつの公約の実現に向けた取り組みを形あるものにしてまいりたいと考えております。 次に、市民参加と協働による市政運営において、市民とのかかわりをどのように反映させているのかとのお尋ねでございます。 私は、市長就任以来、市の将来像であります「きらり輝くおおまち」を実現する基本理念として、市民参加と協働による市政運営を積極的に推進してまいりました。これまでもあらゆる機会を通じて申し上げてまいりましたが、市民参加と協働は、さまざまな社会情勢が変化する中で、市民が主体となってより豊かな地域づくりを進めていくための手段、あるいはプロセスであるというふうに考えております。市民参加と協働それ自体が目的ではなく、市政や地域づくりの進め方でありますので、具体的な施策面において見えにくいという感があるのではないかと認識しております。 行政を取り巻く環境は、少子高齢化や市民ニーズの多様化と先鋭化、また国、地方を通じた財政の逼迫などさまざまな課題を抱え、行政だけの力ですべてを解決することには、もはや限界が来ております。これからの地域づくりは、市民の皆様、自治会や市民団体の皆様、さらには企業の皆さんと行政がお互いに手をとり合い、より力を合わせていかなければ豊かな地域づくりは進めることはできません。そうした中、市内では市民の皆様みずからが、創意と工夫により、地域課題の解決や目的の達成に向けて、身の回りのできることから主体的に活動される取り組みが着実に増加しております。このことからも、市民参加と協働が芽生え、一定の方向に向けて流れが動き始めたと認定しているところでございます。 昨年策定いたしました基本指針にもお示しいたしましたが、市民参加と協働によるまちづくりには、さまざまな分野や領域があり、またともに協働する相手の組み合わせ方にも、さまざまなパターンがございます。当市では、市民と行政、市民と市民による協働、この2つの協働を柱に据えているところでございます。 こうしたことから、市民参加と協働のまちづくりを進める上では、分野や領域、協働の相手方によりまして、市民の皆様と行政とのかかわり方には差が出てまいります。まちづくりや市政運営は市民の皆様が主役であるという基本認識に改めて立ち、「ずくだせ大町みんなが主役」のスローガンのもと、身近な地域における課題解決など、行政からの応援を得ながらも市民主導により進めていくことが効果的な分野におきましては、本年4月に開設いたしました市民活動サポートセンターを核といたしまして、市民の皆様の自主性によりまちづくり活動が効果的に展開されるよう、積極的に支援を申し上げてまいります。 先月開催いたしました市民参加と協働のまちづくりフォーラムにおきましても、市民活動サポートセンターに期待を寄せる市民の皆様から、数多くの御意見・御提言をいただきました。特に県や市などの助成金や市民団体の活動情報の発信、団体間の連携や人材育成のためのリーダー研修など、サポートセンターの機能の充実について多くの御要望がございました。こうした市民の皆様の声にこたえるため、サポートセンターの機能をより向上させ、円滑な運営を図るため、自治会や市民活動団体の皆さんに主体的に参加いただき、サポートセンター運営委員会を設置し、より市民の皆様の期待に沿った市民活動支援の仕組みを構築してまいることといたしました。 また、今回開催のフォーラムのように、市内の活動団体が一堂に会し、交流や意見交換ができる場を望む声も多く出されましたことから、次年度以降も継続してこのフォーラムを開催してまいりたいと考えております。 一方、行政が責任を持ち、主体となって進める分野におきましては、庁内各課に配置いたしました市民参加協働推進員を中心として、所管するそれぞれの事務や事業につきまして、市民参加をより進める観点からの見直し・検討を進めております。新年度において計画しております立川市との姉妹都市提携20年の記念行事につきましては、文化・芸術分野を中心として、市民の皆様から積極的に御参加いただき、市民の協働の力により、相互の交流促進に努めることとしております。このように市民の皆様に参加いただきながら、行政主導で実施いたします事業につきましても、積極的に市民参加と協働の視点を織り込んでまいりたいと存じます。 なお、この行政が主導する分野では、特に行政情報の開示と共有が重要となってまいりますことから、情報発信手段の点検や改善を行うとともに、市民がさまざまな行政のプロセスに参加できる機会を確保するなど、市民の皆様がより市政にかかわりを持つことができる環境の整備を推進してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 総務部長。     〔総務部長(吉澤義雄君)登壇〕 ◎総務部長(吉澤義雄君) 私からは、事務事業評価の結果について、及び新公共交通への挑戦について、並びに防災行政無線についてのお尋ねにお答えをいたします。 まず、事務事業評価と外部評価の進捗状況についての御質問にお答えいたします。 行政評価における事務事業評価につきましては、市行政の質的向上を図るため、施策や事務事業について客観的に点検・評価を行うとともに、市民への説明責任や行政の効率性の向上のほか、経費の縮減や質の高い行政サービスの実現に加え、職員の意識改革などを目的とし、各部・課で実施する内部評価と、市民の皆様の視点から御意見をいただくため、大町市総合計画審議会を初め、各審議会等による外部評価を実施しているところでございます。 現在、約300の事務事業を対象として、内部評価を終了したものから順次外部評価を実施しているところであり、審議会等におきましては、個別の事務事業ごとに事業を拡充、または計画どおりに進めることが適当、あるいは事業の実施手法の改善を検討、あるいは事業の内容や事業量、実施主体の見直しを検討、または事業の抜本的な見直しや休止・廃止を検討などの評価や御意見をいただいているところでございます。 総合計画審議会におきましては、本年4月より現在まで8回にわたり御審議をいただいたところでございます。評価結果につきましては、継続して審議中でございますので、確定はしておりませんが、現在まで約50の事務事業について御審議いただきました。また、他の審議会等で実施いただいている評価を合わせますと、約100の事務事業について御審議をいただいたところでございます。 評価を実施いただいている審議会では、一つ一つの事務事業につきまして、非常に熱心に御議論いただいているところでございます。今後は、来年度中に策定いたします第4次総合計画後期基本計画の策定に向け、さらに評価を進めてまいりたいと考えております。 次に、事務事業評価実施後の効果と課題についての御質問にお答えいたします。 外部評価の実施手法につきましては、事業の担当課である課長、または係長等が、個々の事務事業の内容について委員の皆さんに説明をし、御意見をいただくとともに、評価の判定をいただくものでございます。 一方、市長への手紙やメール、地域懇談会や行政懇談会など、市民の皆様から直接市政への御提言をいただく機会は別に設けておりますが、現在実施している外部評価におきましては、各事務事業について、行政内部での発想と異なる市民の代表の皆さんの視点で担当課が御意見を伺うことができるため、所管しております事務事業について、その手法や内容が市民の期待にこたえられているものか点検する機会となりますとともに、今後の事業推進にも役立つものと考えております。 次に、評価を実施している中での課題でございますが、1点目といたしまして、限られた時間の制約の中で、外部評価を実施していただいているという点がございます。現在、総合計画審議会におきましては、委員の皆さんの御理解のもと、これまで8回にわたり外部評価を実施してまいりましたが、予想以上に時間がかかることを改めて実感しているところでございます。今後は事務事業を抽出し、評価対象を絞りながら外部評価を実施していただくことも視野に入れ、実施手法について、さらに検討してまいりたいと考えております。 2点目といたしまして、予算への反映という点についてでございます。 現在、内部評価を終了したものから順次外部評価を実施しているところであり、新年度予算編成におきましては、予算要求時に事務事業に対する内部評価及び外部評価の結果について記載する調書を作成するなど、評価結果を可能な範囲で新年度予算編成に反映することとしております。 本年度より事務事業評価を実施しているところでありますが、今後、評価のあり方につきましても、外部評価を実施いただいている審議会や市民の皆様を初め、議員の皆様からも広く御意見をいただき、より効果的で実効性のある評価方法を引き続き模索して、改善を加えてまいりたいと考えております。 次に、大町市にふさわしい公共交通の取り組みと進捗状況についてのお尋ねでございます。 当市における公共交通の推進体制につきましては、各交通機関ごとに所管が異なっており、相互に抱えている課題や情報の伝達など、連携体制が十分にとれているとは言えない状況にありましたことから、昨年度後半から企画財政課を所管として、それぞれ交通機関を所管する担当課の連絡調整会議を開催し、庁内検討を進めてまいりました。 この検討の中で、各課が担当する公共交通施策に関する現状と課題について整理を行った結果、効果的、効率的にそれぞれの事業を進めていくためには、交通政策に関する総合調整を担当する所管を明確に位置づけることが必要であると判断しましたことから、現在、事務改善研究委員会におきまして、具体的な所管のあり方について検討を進めているところでございます。 また、これと並行して、市民の皆様からの声を受け、市民バスのフリー乗降の検討や国営公園の振興を図るための観光周遊バスの運行などの取り組みも進めてまいりました。 当市を取り巻く公共交通につきましては、人口減少と少子高齢化社会の進展に伴う市民の足の確保を初め、リニア中央新幹線、26年の北陸新幹線の開業などによる観光客の流れの変化など、さまざまな課題に直面していることを受け、新年度には公共交通に関する地域の関係者や行政機関の代表者を中心に組織する新たな地域協議会を組織し、当市におけるこれからの公共交通のあり方について、総合的な検討を進めたいと考えているところでございます。 次に、防災行政無線の信号音につきまして、市独自の信号音の採用についてのお尋ねにお答えをいたします。 現在、同報系防災行政無線での信号音としましては、放送開始と終了を知らせるチャイムと正午のチャイム、また火災発生時の消防信号のサイレン音を使用いたしております。 災害に関する信号につきましては、災害対策基本法によりまして「市町村長が災害に関する警報の発令及び伝達、警告並びに避難の勧告及び指示のため使用する防災に関する信号の種類については、他の法令に特別の定めがある場合を除くほか、内閣府令で定める」とされ、さらに「何人も、みだりにこれらの信号又はこれに類似する信号を使用してはならない」と規定されております。これにより火災発生に伴って当市で使用しております消防信号につきましても、消防法で定められたパターンのサイレンを使用することとしております。 なお、地震や火災、武力攻撃等の危機が生じた場合に使用するサイレンの種類につきましても、それぞれ関係法令等により定められておりますので、規定に沿ったサイレン音により危険の発生や回避行動についてお知らせすることとしております。 9月定例会におきまして御提案をいただきました、豪雨や強風などの風水害を中心とした独自の信号音につきましては、これらの法令により規定されているサイレン音に類似したものは使用することができず、また独自のサイレン音や電子音等を作成した場合、市民の皆さんへの周知が徹底されない場合には一方的な発信となり、かえって混乱を招く懸念もありますので、今後、使用が可能であり、聞こえやすい信号音について、経費や効果の面などについても把握し、消防委員会や水防協議会による検討もいただきながら、さらなる検討を進めてまいります。 市民の皆様の多くは、どのような災害の発生時にどのようなサイレン音が鳴るのかわからない、またサイレンの音を聞く機会も少なく、サイレン音を聞き分け、どのような状況にあり、どのような行動をとればよいのかわからないという状況ではないかと推測されます。こうしたことから、現状ではそれぞれのサイレン音について、市民の皆様への広報・周知を徹底することが基本になるのではないかと考えております。また、サイレンの種類も多いことから、どのような災害が発生し、どのような行動を促すサイレンであるのかの判別が、なかなか難しいと思われますので、市の地震総合防災訓練や自治会・防災会単位で行われます防災訓練等におきまして、それぞれのサイレンを実際に聞いていただくことや、またいつでも聞いて確かめることができるような対応について検討してまいります。 なお、災害等の周知につきましては、サイレンのみでなく、音声による放送もあわせて行いますので、より聞き取りやすくなるよう、引き続き放送内容や設備の改善に努めたいと考えております。 次に、本年度の防災行政無線戸別受信機の購入者数と助成額についてのお尋ねにお答えいたします。 戸別受信機の購入者数につきましては、5月分の受け付けでは17人、9月分の受け付けでは14人の方から購入の申し込みがあり、本年度につきましては、31人が新たに購入をされました。これによりまして、累計で71人の方が個人で戸別受信機を購入され、災害に備えていただいていることとなります。 なお、ことし9月に申し込みをいただきました14人の方につきましては、戸別受信機が受注生産となっておりますことから、実際の設置時期は来年の春以降の予定となっております。 また、本年度の戸別受信機の購入に対します市からの助成額につきましては、昨年秋に申し込まれ、本年4月以降の取りつけとなった方と、本年5月に申し込まれ、10月から11月に取りつけとなった方が対象となっており、音声のみの戸別受信機を購入された方が11人で、補助額が1台2万2,000円となっておりますので24万2,000円、また録音のできる戸別受信機を購入された方は10人で、この補助額は12万5,000円(同日、1台2万5,000円の訂正あり)となっておりますので25万円の補助となります。したがいまして、本年度におけます補助金額は合計21人、49万2,000円となる見込みでございます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 再質問はありませんか。中牧盛登議員。 ◆19番(中牧盛登君) それでは、幾つか再質問をいたします。 まず、事務事業評価についてですが、外部評価がすべて終わるのはいつごろになるのかということが1点です。 それから、公共交通につきましては、市長のできるだけ早く着手したいという答弁と随分外れるんですが、今の答弁ですと、事務改善研究で担当課をこれから決めるということで、いわゆる公共交通に対する研究をする担当課が、まだはっきり決まっていないというような答弁に聞こえましたが、それでいいのかどうか確認をしたいと思います。 それから、協働の関係ですが、今回、議会基本条例第15条の政策等の形成過程の説明資料をいただきました。その中に市民参加の実施の有無及びその内容を求める部分があります。こういった簡単なチェックが必要ではないかという意味の質問をしたところでございますので、検討していただければと思います。 それから、事務事業評価についてですが、この評価の結果は、予算編成や総合計画に生かすために大変重要な作業になると考えております。そこで、幾つかの事務事業評価表を見させていただきましたが、内部評価が非常に甘いように感じます。この要因は、担当者は悪いことを書きたくないというのが本音にあるのではないでしょうか。したがいまして、この評価表から、当面の課題とか今後の課題が見えてきません。対策も書く欄がありません。ことしの3月議会では、評価を実施する中で、より効果的な方法を検討するという答弁をいただいています。評価表の書き方や評価表そのものを改善することを、なぜ実施しないのでしょうか。 1つの課題として、私の見た課題の一例ですが、公共施設の設備の老朽化に伴う維持補修費などの課題を余り明記したのは見たことがありません。もう1つは、デイサービスセンター業務については、市役所の福祉課で八坂・美麻のデイサービスセンター業務を一括評価しています。それでは八坂地域、美麻地域の実情が把握できるとは思えません。利用者の声や担当者の声が事業に生かされるとは思いませんが、やはり今後の事務事業評価の改善に向けて検討すべきではないかと思います。 質問は、内部評価を厳しく明記すること、それから評価表にPDCAの対策欄を書くスペース、そしてさらには市民との協働の有無を書くスペースなどを加えることについて、お考えをお聞きします。 公共交通については、東大のオンデマンド交通システムというのを研究されたことはありませんか、お聞きいたします。 次に、防災行政無線については、信号音については何も進んでいないようですが、大町市には絶対に災害は起こらないという考えで担当課長は日々の仕事をしているのでしょうか、お聞きします。 それから、防災行政無線戸別受信機の購入予算について、平成23年度にはどのくらいの予算が計上されているのか、購入見込み台数もお聞きします。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 答弁を求めます。企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 幾つか御質問をいただきましたので、順次お答えをさせていただきたいと思います。 まず、事務事業評価についてでございます。 外部評価がすべて終わる時期はいつかとの御質問でございますけれども、各審議会にそれぞれの評価をお願いし、順次動き始めていただいているところでございます。でき得れば今年度内というふうに希望しているところではございますけれども、総合計画審議会において行っている外部評価につきましても、今のところ50件ほどにとどまっているというようなことでございます。全部で300件余、あるいは施策別で言いますと150件の評価項目の設定がございますことから、すべて終わるのは平成23年度にずれこんでくるというふうに考えているところでございます。 それから、公共交通の課題についてということでございますが、それぞれ企画財政課、あるいは観光課、あるいは市民課、それぞれの部署で、それぞれの交通機関について検討・協議をしているところでございますけれども、そういうものを1つ総合的に調整する機能というのはどうしても必要だということが、それぞれの担当者との協議の中で課題とされているということでございますので、そのことについて、組織として明確にしていきたいということで検討を始めさせていただいているということでございます。 それから、事務事業評価についての内部評価が甘いということ、あるいは評価シートについての課題について御指摘をいただいております。現在の評価シートにつきましては、年度当初作成したものを各部課等に配布をさせていただき、それぞれの事務事業評価について、このシートを使って内部評価をしていただいたというものでございますので、年度途中で評価シートを改善するというのは、なかなか困難であるというふうに考えますが、今回の評価の位置図の中で、シート内容については、議員御指摘のように内部評価を厳しくすることだとか、あるいは課題等については、どのような対策を考えるのかとか、あるいは市長が公約で掲げております市民参加と協働というようなものの視点も入れられるのかというようなこと、評価シートの設計につきましては、2回目の内部評価を始めるところまでの間に研究・検討をしていきたいというふうに考えております。 また、外部評価を検討いただきます各種審議会の委員さんの中からも、なかなかこの評価シートの中で外部評価としてやれというところについては、難しさがあるというような御意見もいただいているところでございますので、外部委員の皆さんが評価しやすいようなシートについて、模索をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、もう1点、デイサービスセンターについて、各支所の所管するものか、福祉課で一括でやるものかというような御質問でございましたけれども、現在のところ、それぞれのデイサービスセンターについては、福祉課が所管となっております。そのため、福祉課が評価を実施する担当となってまいります。しかし、果たして現場の状況をどれだけ把握できるかというような疑問の御提言かと思いますけれども、それぞれ所管課において、逐次それぞれの部署との課題を共有し、相談をさせていただいているというふうに考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 消防防災課長。 ◎消防防災課長(西田均君) では、先に防災無線の関係についてお答え申し上げます。 御質問でございます日々災害が起こらないと思って仕事をしているのかというような御質問でございましたが、風水害につきましては、ある程度天候等で事前に予想ができるということでございます。そういった中で、当課といたしましては、注意報、あるいは警報が出た段階で体制をとりまして、次の動きにつきまして、出勤して対応を始めているところでございます。 また、震災等につきましては、前もっての予想というのはなかなか難しい面がございます。特に大町市におきましては、直下型というようなおそれが一番強いということでございますので、そういった部分につきましては、対応について想定をする中で対応してまいりたいというふうに考えております。 それから、戸別受信機の平成23年度へ向けての見込み等でございますけれども、ヒアリングにおきましては、本年度と同じ台数、150台、410万円ということで予算措置を希望し、ヒアリングに提出してございます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 私のほうで答弁が足りなかった部分について、再度御説明をさせていただきたいと思います。 まず、東大のオンデマンド交通についての検討はという御質問でございますけれども、現在、当市におきましては、オンデマンド交通についての研究・検討は、されていないというところでございます。 それからもう1点、公共施設の修繕の点について、評価項目の中でという御質問でございます。 公共施設の修繕につきましては、平成23年度以降の実施計画の作成の中で、各課・各部より大変多くの事業としての要望をいただいているところでございますし、またそれにつきましては、各課において計画的な修繕を立てていただくような計画を策定し、計画的な進行ということをお願いし、実施計画に、その計画に沿ったものとして、予算の範囲の中での計上をさせていただいているというところでございます。 ○議長(荒澤靖君) 再質問はありませんか。中牧盛登議員。 ◆19番(中牧盛登君) それでは、東大オンデマンド交通システム、全く研究されていないということですので、1つ申し上げますが、東大オンデマンド交通システムの実証実験は2006年から実施されています。現在までに国内20カ所以上で実証実験が行われており、既に4つの自治体で実用運行されています。 デマンドバスとの比較です。その1つは、デマンドバスは利用者がオペレーターを介する必要がありますが、東大オンデマンドはオペレーターを介することなく、パソコンや携帯電話、地デジ対応テレビ、街頭の専用端末などから予約を瞬時に行います。運用側はオペレーターを雇うコストが節約できること、2つ目は、システムのサーバーをデータセンターに集約し、全国の導入自治体がこれを共有する形式を採用しているので、各自治体が個々にサーバーを導入、運用管理する必要がないこと、初期導入コストとランニングコストを大幅に抑えることができること、3つ目は、利用者が希望した目的地への到着時間の保証ができるシステムとなっていることなど、デマンドバスとの比較を今申し上げましたが、こういった研究もしていただきたいと思っております。 今の課長の答弁では、まだまだ、担当者をこれから決めてという話でありますが、この公共交通については、高齢化や過疎化の進行で、公共交通事業を対策ではなくて、広くまちづくりの一環として政策として考えるべきではないかと考えますが、このことについて、お考えをお聞きしたいと思います。 また、加えまして、ことしの9月27日に阿部知事と県内12の市町村長が地域公共交通の活性化及び再生への支援等について、国へ要請に行きました。長野県内では30市町村でこの事業を活用した計画策定や実証運行を行っていますが、大町市は全く必要ないということなのでしょうか。大町市は、地域公共交通活性化再生総合事業に手を挙げる用意も必要もないと考えているのかお聞きします。 それから、防災についてです。 NHKニュースの内容がNHKのホームページに掲載されたものです。「奄美、避難呼びかけ、6時間余りなし」という題名で、防災担当課長は知っていると思います。鹿児島県奄美市は10月20日の記録的な大雨の際、最も被害が大きかった市内の住用町への避難勧告を防災行政無線で一度住民に伝えた後、6時間余りにわたって避難を呼びかけていなかったことがわかりました。この6時間だけで300ミリを超える雨が降り、城地区や西仲間地区などでは住宅が水につかるなどの被害が拡大していましたが、住民からは、避難勧告に気づかなかったために避難がおくれたという声が上がっています。城地区に住む男性は、気づいたときには胸のあたりまで水が来ていて、自力では逃げられなかった。避難の呼びかけに気づいていれば、もっと早く避難できたと話しています。これに対し、奄美市は、「救助などで忙しく、放送を続けようという考えが浮かばなかった。申しわけない」と話しています。 今回の奄美市の対応について、総務省消防庁は、災害の危険が迫っている間は、防災行政無線で避難を伝え続けるべきだったと指摘をしています。防災無線放送に避難準備情報、避難勧告、避難指示にかかわる独特な信号音があれば、奄美市のような場合、有効であったと思われます。私は早急に信号音の具体化を検討すべきだと思っておりますし、当然、消防防災のプロである消防署の皆さんの意見も生かしていただく中で、しっかりと信号音の具体化を考えていただきたい。いつ起こるかわからない災害なんですから、これは待ったなしであります。その辺で、いつまでにだれが中心となって信号音の具体化を考えていただけるのか、市のお考えをお聞きします。さらにつけ加えるならば、議場のための答弁でなく、実践するための答弁をお願いしたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 私からは、公共交通について、議員の御提案についてお答えをさせていただきたいと思います。 デマンド交通についても、引き続き今後、庁内において研究を進めさせていただきたいというふうに考えます。また、議員御指摘のように、高齢化、あるいは少子化、過疎化というような中で、市民の足を確保するというだけではなく、昨日も議論になりました大糸線の問題、あるいはリニア中央新幹線の問題等々、いろいろな問題がございますので、大町市の政策として、この公共交通をどうやってやっていくのかということについての組織をつくりたいとするものでございます。また、新年度新たにそれぞれの地域の関係者、あるいは行政機関、あるいは市民を代表する皆さんを中心として、新たな公共交通に対しての地域協議会を立ち上げたいというふうに御答弁を申し上げたところでございますが、この地域協議会において、大町市における公共交通についての議論をしていただき、今後の大町市の公共交通に対する計画というんでございましょうか、そういうものを煮詰めていっていただくということを考えているところでございまして、そのような計画を策定し、取り組んでいくことが、今後、国庫補助、国の補助事業の導入に必要な要件となってまいりますので、国庫補助を導入することも視野に入れながら、地域協議会を立ち上げていきたいとするものでございます。 ○議長(荒澤靖君) 消防防災課長。 ◎消防防災課長(西田均君) ただいま奄美市の豪雨災害のお話がございました。私どものほうも、その部分については承知をしているところでございます。そういった中で、避難勧告、あるいは避難準備という部分につきましては、同報無線はもとより、有線放送、あるいは広報車、場合によっては隣組等、自治会長さんですとか防災会長さんを通じた中でお伝えをするというような形で、ありとあらゆる手法でもってお伝えをしていくようにしなければならないというふうに考えております。 また、防災無線のほうで、自動的に繰り返し放送ができないかというようなことも確認いたしましたが、現在のシステムの中では、例えば10分置きとか5分置きというセッティングはできないということで、何時何分という設定はできるということでございますけれども、ちょっとその辺で難しいといいましょうか、繰り返しという部分で手間がかかるかというふうに考えております。 そういった中では、そういった災害になった場合には、消防防災課の職員が主体になるのは間違いございませんけれども、災害対策本部が立ち上がるわけでありますので、他の方からも支援をいただく中で、そういったところに落ちのないように、特に奄美市のような、奄美市以外もございますけれども、ほかのところで起きました災害時の手落ち等につきましては、十分勉強しながら、大町市では起こさないように努めてまいりたいというふうに思います。 それから、いつまでに独自の信号音をつくるのかということでございますけれども、いずれにいたしましても、検討を早急に進めまして、なるべく早い時期に決定し、また、市民の方に周知をするように努めてまいりたいと思います。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 中牧盛登議員。 ◆19番(中牧盛登君) とても満足のいかない答弁をいただいています。公共交通については、できるだけ早く検討に着手し、大町市にふさわしい公共交通体系を構築するという市長の強い決意を聞いているわけであります。 さらに、防災行政無線については、信号音の採用については早急に検討を進め、有効な手段となるよう具体化を進めると力強い答弁をいただいているわけでありますが、それに対して担当課では、非常に力弱い。対応が遅いとしか言えません。 公共交通については、今、課長は政策としてでも考えたいという話でありましたら、ぜひ地域公共交通活性化再生総合事業へ名乗りを上げるような、そういった計画策定を即時やってもらいたいと思いますが、その辺についてお答えをいただきたいと思います。 防災については、非常に何を考えているかよくわからないです。絶対に災害は起こらないという考えで日々仕事をしているのでしょうかというふうに質問しているんですが、これはやはり即、きょうからでも、どういったことをしなければいけないかということを指示してほしいんですよ。大体、課長は部下に指示をしたことはあるんですか。このなるべく早い時期というのはいつなのか、きょうなのか、あしたなのか、あさってなのか、この辺を最後の答弁として、きっちりお答えをいただきたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 公共交通に対する取り組みについて、再度お答えをさせていただきたいと思います。 答弁で申し上げましたが、それぞれを所管する関係課が集まりまして、それぞれ調整会議等で情報交換をさせていただいているところでございますけれども、いろいろなニーズにこたえようとし、行政がそういうニーズにこたえるようなことを考えることが、一つ方策としてはあるわけでございますが、それに伴って、民間の交通を担っていただいている事業者に対してのはね返りというようなことの影響もあるということも、心配をしなければなりません。そのような中で、思い切った行政側の施策というものが、すぐにこれという決め手がないというところに苦慮しているというのが実情でございます。しかし、先ほども申し上げましたが、新年度事業として地域協議会を立ち上げ、当市における公共交通についての計画策定をし、国の補助事業の導入をにらんだ動きをさせてもらいたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(荒澤靖君) 消防防災課長。 ◎消防防災課長(西田均君) いつまでに行うのかということでございますけれども、今の段階できょうだあすだというようなことは、ちょっと申し上げられないのであります。 いずれにいたしましても、さまざまな法令の中で、使っていい音、使ってはいけない音ということもございますし、また聞こえやすくなければならないという音質のこともあると思いますので、そういった面につきまして、検討・研究を急がせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(荒澤靖君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員のお尋ねに対しまして、公共交通体系の確立、そしてもう1点の防災無線の、特に信号音の具体化につきましては、私から答弁を申し上げたいと存じます。 まず、公共交通体系につきましては、ただいままで担当課長等から御答弁申し上げてまいりましたように、検討には着手しておりますけれども、例えば市民バス、あるいはスクールバス、さらには観光客を対象とした観光周遊バス、さまざまな交通網について、できるだけ一体的な調整が図れるような、庁内における総合体系の仕組みをつくることについて、今進めてきておるわけですけれども、それぞれの交通の中には、特定の目的に従ったというような一体的な運用がなかなか難しい、そうした部分も含まれているということを、まず御理解いただく中で、今後、先ほど答弁を申し上げました地域交通協議会というものを新たに立ち上げますので、これに基づいて、議員御提案の国の助成制度の活用も含め、より広範な検討をさらに進めてまいります。これについては、直ちに検討に着手するよう、一層検討のスピードを上げるように督励してまいります。 とりわけ御提案のありました東大オンデマンドシステムにつきましては、私の乏しい知識の中でも、確かにさまざまな交通網の適用については、オペレーターなどのコストは非常に抑える仕組みになっておりますが、一方で初期投資、バスの運行に伴い、たしかそれぞれの運行経路の沿線に、それぞれ電子機器などを配置するというような初期投資も、相当額に上るというような見解もありますので、こういったことも総合的に勘案しながら研究を進め、当市で営業できるものであれば、当市において活用できるものであれば、活用についても具体的な検討を進めるようにいたしたいと存じます。 また、防災行政無線につきましては、特に信号音というのは、防災無線そのものは、人命を救うというところに一番重要な要素があるわけでございます。災害は、例えば豪雨災害であれ、あるいは地震災害であれ、必ず起こるものであります。必ず起こるもの、しかしいつ起こるかわからない、そうした災害というものに対しまして、百年一計を磨くという言葉もございます。たった1回起こるかもしれない緊急事態のために、日々備えることが何よりも大事と考えております。そうした意味におきまして、防災行政無線の信号音の具体化、さまざまな法令上の定めも制約もあるようではございますが、これはあすからでも研究に着手し、そして具体化を図ってまいりたいと考えております。 特にこの運用に当たりましては、平成18年の7月に、私の就任直後ではございましたが、八坂地区を中心とした豪雨災害がございました。これは上流域での降雨に備えて、特に犀川沿岸での堤防の溢水、流水災害が予想されるところでございました。このときのことを思い出しますと、まず災害対策本部におきまして、その後の雨量の推移に伴いまして、犀川の堤防を溢水する時間、夜半と見込まれましたけれども、その夜半と見込まれる溢水の時間、そのときには災害に対する避難勧告を予定しておりましたけれども、その情報を、当時は防災無線がございませんでしたので、八坂地区の皆さんに対して有線放送で、夕方の時点から事態の推移に注目し、場合によっては避難勧告を出す可能性があるということをあらかじめ告知する、そのようなきめ細かい対応をさせていただいたところでございます。何が大事かといいますと、空振りであっても、避難勧告や避難命令のあらかじめの告知が、仮に災害が未然に防げることによって空振りに終わっても、その空振りを恐れることなく、しっかりボールに向かっていきたい、そのように考えているところでございます。こうした決意を持ちまして、その2つの課題に対しまして、各部署に対する検討を急ぐようにという督励と受けとめていただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 関連質問はありますか。大厩富義議員。 ◆11番(大厩富義君) 来年度予算に絡んで、市民参加、もろもろありますので、山岳図書館の建設について、これは仮称ですが、お伺いしたいと思います。 これまでの説明では、書籍の量はマックス3万冊、それから収蔵を第一として、閲覧を希望する人に対して、資料館のかぎをあけて書籍を公開する、想定する建物面積は50から60坪、総工費は4,000万円程度ということでありますが、建物面積と工費の根拠について、説明をお願いしたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 山岳博物館長。 ◎山岳博物館長(宮野典夫君) それでは、ただいまの御質問にお答えいたします。 今まで御指摘のありました件を考慮し、寄贈予定資料の内容に沿った適正な規模になるよう、十分これから検討してまいりたいと思います。 まず、面積の根拠でございます。これにつきましては、1冊あたり平均すると2センチくらいの厚さの資料を3万冊入れる収蔵機能を持ったものを中に設置するということが、まず最初の条件になってまいります。そこから算出しまして、50から60という数字を挙げました。今は検討中でございますが、予定地の有効面積と札数が入る面積、十分考慮して適正な規模にしたいというふうに考えております。それが面積等に対する根拠でございます。 それと、4,000万円の金額の根拠でございますが、鉄骨で見込みまして、平米当たりの単価を算出した上で、4,000万円という数字を挙げさせていただきました。 ○議長(荒澤靖君) 大厩富義議員。 ◆11番(大厩富義君) 私も若干調べさせていただきました。市立大町図書館では、蔵書能力15万冊、そのうち閉架書籍5万冊--表に出ていない分ですね、それで閉架書庫があります。それは84平米、大体25坪ということになっております。それから、第一中学校の図書館の床面積211.3平米、64坪、そこには63脚のいすがあります。生徒がマックスで60数人入ると、こういうことだと思うんですけれども。蔵書数は1万2,000冊だそうですから、若干少ないかと思いますが。これらに比べたら、床面積が大き過ぎやしないかと私は思うわけであります。もう少し建物をコンパクトにして、建設費用の削減をしていく。先日、勝野議員からの指摘もありました。来年度以降の財政事情はさらに厳しくなると、こういう話であります。人口も減りますから、地方交付税も厳しくなる。あるいは自主財源である市民からいただく税金も減ってくる、そういう中で何とかやりくりしなければいけないという市長の答弁もあったわけであります。そういうことを考慮して、やるならできるだけ身の丈に合った格好でやるしかないかなと、こう思うわけですが、考え方をお示しください。 ○議長(荒澤靖君) 教育次長。 ◎教育次長(北澤徳重君) お答えを申し上げたいと思います。 規模につきましては、この間、全員協議会等でも御意見をちょうだいしておりますので、実施に当たりまして、さらに精査をしまして、規模の縮小を考えてまいりたいというふうに思っております。 また、構造、そして工事費等につきましても精査をして、できるだけ小さい金額で効果が上がるようなことを考えてまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 以上で中牧盛登議員の質問は終了いたしました。 11時25分まで休憩といたします。 △休憩 午前11時08分 ----------- △再開 午前11時25分 ○議長(荒澤靖君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 ここで、先ほどの中牧盛登議員への答弁の中で訂正の申し出がありますので、これを許すことといたします。総務部長。 ◎総務部長(吉澤義雄君) 先ほどの中牧議員の一般質問のうち、戸別受信機の購入者数、補助額についての質問に対する答弁におきまして、録音のできる戸別受信機の補助額を12万5,000円と申し上げましたが、正しくは1台2万5,000円でございますので、訂正をし、おわびを申し上げます。 ○議長(荒澤靖君) ただいまの訂正については、説明どおりこれを認めることといたします。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第5位、日本共産党を代表する太田欽三議員の質問を許します。太田欽三議員。     〔7番(太田欽三君)登壇〕 ◆7番(太田欽三君) 日本共産党の太田欽三です。通告に従い、市長の政治姿勢、環境問題、農業問題、住宅リフォーム助成の4点について質問をいたします。 初めに、市長の政治姿勢について伺います。 牛越市政は2期目に入っていますが、これまで市長は、協働という言葉を何度も口にしています。しかし、私はごみ焼却場の問題、ケーブルテレビ事業の進め方などを見ていて、市民の説明や市民ニーズの把握、市民の声を聞いて事業に反映させるという点において、協働とはかけ離れていると思います。 そこで、改めて協働に対する市長の考えや理念、これまでのやり方で本当に協働のまちづくりができるかお聞きいたします。 次に、市長を初め理事者側の答弁を聞いていると、国・県の動向を見てとか、他の市町村の動向を見てという答弁が非常に多いと思っています。私も議員という立場上、いろいろな市民と話をする機会が多いわけですが、市長のリーダーシップや独自性に対する疑問の声をよく耳にします。私は、市長は優秀な人だとかねて思っていますし、そつのない答弁をすると感じておりますが、2期目に入ったことですし、もう少し牛越カラーや独自性を発揮した市政を展開していただきたいと思いますが、市長の考えはいかがでしょうか。 2点目の環境問題について伺います。 初めに、北アルプス広域連合のごみ処理施設について、検討委員会のメンバーは19人で、公募による委員は9人(同日、7人の訂正あり)ですが、充て職が多かったのではないかと感じています。検討委員会の会議の内容は、広域化基本計画の見直し、施設基本計画の見直し、用地選定が3本柱ですが、用地選定に最も時間を割き、計画の柱であるべき減量計画や、どういうまちづくりにするかといった論議が不十分だったのではないでしょうか。形式上は情報公開を徹底したとしていますが、会議は一般市民は傍聴のみで、意見を言う場がありません。会議の傍聴記録をホームページに載せましたが、それを見られる環境の人はどのぐらいいるでしょうか。検討委員会だよりも発行いたしましたが、1カ月か2カ月おくれのような感じで、意見募集では、締め切り後に届いた数も多かったと聞いております。これでは市民の意見集約ができるはずがありません。 以上の点について、市長はどう思いますか。 次に、11月30日に三日町で説明会を開きましたが、今後も継続していくことはもちろん、小谷村、白馬村を含め、多くの住民に説明をする必要があると思います。ごみ問題は全住民にかかわることで、ごみの削減問題に絡んでくるわけですから、三日町及び周辺地域だけではなく、市全域を対象に開くべきで、行政には市民に知らせるという責任があると思いますが、市長の考えはどうかお伺いいたします。 次に、最終処分場についてですが、残渣について、白馬村、小谷村の分についてはどのように考えていますか、また検討委員会の中で、他の方式と比較してストーカ方式にする、ただし、後々は広域連合により機種選定委員会をつくる可能性も考えられるとしています。非焼却方式にすると、残渣による最終処分場満杯問題の解決、ダイオキシンの生成がほとんどなくCO2の排出もないため、地球温暖化対策にも貢献します。また、少ないごみの量でも運転効率が下がらないため、ごみゼロ推進とも合致しています。さらに、メンテナンスが容易で、並列処理によって、ごみの種類に対応した多様な用途に柔軟に対応できるなどメリットがあります。非焼却方式を既に導入したり研究しているところもあるので、大町市は観光地でもありますし、まちづくりのことも考え、非焼却方式の導入も検討されてはいかがでしょうか。 3点目の農業問題について伺います。 菅首相は、TPP--環太平洋戦略的経済連携協定交渉への参加を検討し、アジア太平洋貿易圏の構築を目指すと表明し、そのための検討を行っています。TPPは、原則としてすべての品目の関税を撤廃する協定で、農水省の試算でも、我が国の食料自給率40%から14%に急落し、米の生産量は90%減、砂糖、小麦はほぼ壊滅します。農業生産額4兆1,000億円、多面的機能3.7兆円の喪失、実質GDP7.9兆円、雇用が340万人減少するとしています。また、北海道の試算でも、北海道経済への影響は2兆円を超え、農家戸数が3万3,000戸も減少するとしています。重要な農産物の関税が例外なしに撤廃されれば、日本の農業と地域経済、国民生活に与える影響は極めて甚大であります。国民の圧倒的多数が願っている食料自給率の向上とTPP交渉への参加は、絶対両立し得ないと考えます。食料をさらに外国に依存する政策と決別し、世界の深刻な食料自給率に正面から向き合い、40%にすぎない食料自給率を向上させる方向に大きく踏み出すことが必要です。大町市にとっては、農業は重要な基幹産業です。TPPに対する市長の見解と、参加しないように国に働きかける考えはないかお尋ねをいたします。 最後の質問になりますが、住宅リフォーム助成について伺います。 今、地域経済活性化施策として、住宅リフォーム助成制度が注目されております。多くの中小企業、中小業者が仕事がない、資金繰りが苦しいと訴え、深刻な事態となっております。そうした中で期待が高まっているのが、住宅リフォーム助成制度です。 この制度の意義は、施工業者だけでなく、家電、インテリアなど経済波及効果が高いこと、自治体にとっても政策投資効果が非常に高く、経済効果が期待されること、既存の住宅の耐久性・耐震性の向上、省エネやCO2対策など住環境の改善が図られることなどです。県内では下諏訪町で実施されているほか、松本市、岡谷市でも実施された経緯があり、大きな評価が得られたと聞いております。 住宅関連施設は、幅広い地域経済振興施策であるとともに、住と暮らし、環境改善、社会福祉施策の観点からも重視されておりますが、経済不況、消費・購買力の低下、住宅金融公庫の増築資金がなくなったことなどによる金融制度の支援の弱体化などで、住まいの改善度は全体として大きく進んでいるとは言えません。そうした中で期待されるのが、住宅リフォーム助成制度で、全国でこの制度の実現に向けた取り組みが広まりつつあります。 既に実施している岩手県宮古市の山本市長は、国の政策を待っているだけでは間に合わない、自分たちで何とかしようということで実施に踏み切ったそうです。同市は人口約6万人で、3回の補正を組んで計3億5,000万円の予算の実施で、工事金額20万円以上の工事に一律10万円を補助しています。市の広報にチラシを入れるなど積極的なPRや中小企業への説明会の開催、業者の口コミによる広がりなどで、全世帯の約1割が活用、経済効果は約4.5倍という体でおります。 大町市にとっても、市民生活応援、暮らしの活性化という視点からも位置づけて、この制度の実施をしてほしいと思いますが、市長の考えはどうかお聞きいたします。 これで第1回の質問を終わります。 ○議長(荒澤靖君) 質問が終わりました。太田欽三議員の持ち時間については、残り57分といたします。 太田欽三議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 太田議員の代表質問にお答え申し上げます。 まず、市長の政治姿勢に関する御質問にお答えいたします。 協働に対する私の考え方や理念、またこれまでのやり方で協働のまちづくりができるのかとのお尋ねでございます。 協働に対する私の考えや理念につきましては、中牧議員からの御質問にもお答えいたしましたとおり、協働とは、さまざまな社会情勢が変化する中で、より豊かな地域づくりを進めていくための手段でございます。市民の皆様と行政が相互に補完し合いながら、市民の自治力、行政の行政力を相互に高め、お互いの役割を果たし、潤いのある豊かな地域社会をつくり上げていくことを基本とするものでございます。 まちづくりと一口に申し上げましても、内容にはさまざまな分野や領域があります。行政だけの責任において行うべきもの、また市民の皆様と責任や役割を分担して行うことが適切なもの、さらには市民の皆様の自己責任において行っていただくべきものなど、さまざまな分野と領域がございます。また、行政が市民参加と協働の手法を取り入れて事務事業を進める際には、計画づくり、合意形成、事業の実施、さらには評価・改善など、さまざまな過程と段階におきまして、それぞれに応じた取り組みが必要でございます。 昨年決定いたしました市民参加と協働のまちづくり推進基本指針におきましては、行政はさまざまな過程や段階において、市民の皆様が効果的に参画できる機会を提供するとともに、市民の皆様も、こうした機会や情報を積極的に生かす努力が必要であると、それぞれの役割が位置づけられたところでございます。 ごみ焼却場や市営ケーブルテレビ事業の進め方が、協働とはかけ離れているのではないかとの御指摘でございますが、何をもって市民との協働が十分にできたのかの判断は、それぞれの考え方があり、また数字的に図れるものではございません。広域ごみ処理施設建設計画では、先日新たな建設候補地が決定したところであります。当初の候補地決定までの経緯を踏まえ、改めて候補地を絞り込む検討の仕組みにおきましては、住民からの公募委員を含めた検討委員会を設置し、計13回にわたって検討をいただきました。企画の段階から候補地を絞り込む段階に至るすべての過程におきまして、住民の皆様に入っていただくという、まさに協働の中で進めてきたものであります。また、この検討の節目では、住民の皆さんの意見を広く募集するなど、徹底した公開制のもと、住民の皆さんとの協働の仕組みを築いてまいりました。 また、市のケーブルテレビ事業につきましても、ケーブルテレビ活用懇談会を設置して、合計8回にわたり会議を開き、サービスメニューや加入料金、また月額利用料等について、受益者となる市民の皆様のお立場から検討をいただきました。 このように御指摘のありました2つの事業とも、計画づくりの段階におきまして、時間の制約もありましたが、可能な限り市民参加と協働の取り組みに努めたところでございます。 今後は、事業の運営並びに評価・改善等につきまして、実践面での取り組みの段階におきまして、市民参加と協働の手法を効果的に取り入れ、市政の推進に努めてまいりたいと考えております。 次に、市民にわかる形で牛越カラーを出していくべきではないかとの御意見でございます。 牛越カラーとは、みずからがつくろうとしてできるものではなく、日々私自身が市政に一生懸命取り組んでいく市政の中から、おのずとにじみ出てくるものではないかと考えております。私に課せられた課題は、厳しい財政状況の中で、重点課題や施策について優先度を明らかにしながら、戦略的な大局観のもと、粘り強く推進していくことが重要であり、身の丈を超えた施策の展開、あるいは受けをねらう政治姿勢というものは、私自身、厳に慎むべきものと考えているところでございます。こうした中、2期目のスタートに当たりましては、市政の最高責任者としての私の使命は、これまでに培ってまいりました経験を最大限に生かしながら、力強く市政を推し進めることであると、改めて深く認識をいたしております。 今後もさまざまな施策につきまして、時には悩みながらも、厳しい取捨選択のもと、市の将来をよく考え、強いリーダーシップと成果につなげていく努力を粘り強く確実に実践していく気概を持って、牛越カラーがあらわれたと市民の皆様のほうから言っていただけるような、そんな取り組みを進めてまいりたいと思います。 なお、御質問の中で、国・県の動向を注視してとか、あるいは他の市町村の動向を見てという言葉について言及がございましたが、国・県の動向は、市の将来に直接直結するというものも数多くあるわけでございます。そうした中で、市でできることは、もちろん主体的に市で取り組み、その上で県や国の支援を得るものについては支援を求めていく、そうした意味におきまして、国・県の動向に注視をしていきたい。そしてまた、他の市町村の動向にもというお話で言えば、市民の御期待にこたえるような市民サービスを向上させていくためには、その水準を絶えず他の市町村と比較検討することも大事でございます。また、先進例を参考にすることも、なお大事でございます。そうした観点におきまして、国・県の動向も決して無視することなく、また他の市町村の動向についてもきちっと注視しながら、それにも増して、市民の皆様のお声をきちっと受けとめて市政を進めてまいりたいと思いますので、御理解をお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 民生部長。     〔民生部長(西沢正敏君)登壇〕 ◎民生部長(西沢正敏君) 私からは、ごみ処理施設についてのお尋ねにお答え申し上げます。 最初に、ごみ処理施設検討委員会についての御質問でございますが、北アルプス広域連合で設置いたしましたごみ処理施設検討委員会につきましては、昨年10月に委員を委嘱いたしまして、13回にわたり、ごみ処理広域化基本計画の見直しとごみ処理施設基本計画の見直し、また新施設の建設候補地の選定の3点について御検討いただいたものでございます。 委員の構成といたしましては、学識経験者3人、住民団体代表者7人、公募委員7人、広域連合議会議員2人の計19人でございます。充て職での委員が多いとの御意見でございますが、ごみ処理の広域化につきましては、大町市、白馬村、小谷村の3市村で進める事業でありますので、それぞれのバランスを考慮した委員の数を考えますと、住民団体代表者が7人という数字は、妥当な数字ではないかと考えております。また、団体の代表7人の皆さんにつきましては、自治会や観光・商工業の団体など、市内で活動するさまざまな団体の代表の方々でありまして、すべて住民の代表でもありますので、委員の選任は適切であったと考えております。 次に、検討委員会では、ごみの減量計画など議論が不十分であったのではないかとの御意見でございますが、先ほども申し上げましたとおり、ごみ処理施設検討委員会の職務は、ごみ処理広域化基本計画の見直し、ごみ処理施設基本計画の見直し、新施設建設候補地選定の3点でありまして、基本計画は時点修正を加えた見直しが責務でございます。 ごみの減量化等につきましては、市で申しますと、ごみ減量化推進懇話会で御検討いただきましたように、それぞれ各市村の懇話会で検討していただき、その結果をもとに検討委員会で基本計画の見直しを行ったものでありますので、十分その責務を全ういただけたものと評価しております。 次に、情報公開が不十分ではなかったかとのお尋ねでございますが、検討委員会はすべて公開で実施しております。傍聴のみで意見が言えなかったとの御意見ではございますが、検討委員会の会場にいらっしゃったすべての皆さんに御発言をいただくということは、会議の進行に支障を来すことも十分考えられますので、傍聴のみといたしまして、別途、検討の節目節目で意見募集を行ったことは適切だったと考えております。 委員会の検討状況につきましては、検討委員会だより等を通じ、お知らせをしておりましたが、その内容が委員会の検討よりかなり遅かったのではとの御意見でございますが、公平性を保つため、事務局を委託いたしましたコンサルタントにおいて検討内容を取りまとめ、広域連合で配布できる形にし、住民の皆さんにお配りするまでの期間は、急ぎましても約1カ月程度が必要でございます。むしろ検討委員会の進行が迅速であったため、検討委員会だよりの内容が古く感じられたこともあろうかとは存じますが、御理解をお願いいたします。 また、意見募集で締め切り後に届いた御意見につきましても、すべて委員の皆さんにお配りし、ごらんいただいております。せっかくお出しいただいた意見を無駄にしたというようなことは、決してなかったものと考えております。 次に、ごみ処理施設用地選定結果の説明会についての御質問にお答えをいたします。 新しいごみ処理施設の用地選定結果につきましては、まず今回候補地となりました地区の皆様に御説明させていただくのが第一であると考え、候補地であります三日町の皆様の御意向を確認し、御説明に伺わせていただいたのが11月30日の説明会であります。今月1日の大町市議会全員協議会でもお答えを申し上げましたが、最優先すべき地元地区での説明会を開催させていただきましたので、今後は3市村にお住まいの皆様を対象とした説明会の実施につきまして、検討してまいります。 なお、具体的な開催日時や方法につきましては、今後、広域連合とともに詰めてまいりたいと考えております。 次に、焼却残渣の処分と焼却炉の方式についての御質問にお答えいたします。 新施設から出る白馬村、小谷村分の焼却灰の処理について、どう処分するのかとの御質問でございますが、この件につきましても、先日の全員協議会において御説明させていただいたとおり、廃棄物の区域内処理を目指す観点などから、現在、高根町にあります大町市グリーンパークで埋め立て処理をする方向で3市村の検討を始めております。グリーンパークの地元であります高根町への正式なお願いは、新施設建設が決定してからになるものと考えておりますが、高根町の皆様には、これまでも検討の経過につきまして御説明をいたしておりますので、引き続き経過について御報告を申し上げ、御理解をいただくよう努めてまいりたいと考えております。 次に、新施設の方式についての御質問でありますが、新施設の方式につきましては、ごみ処理施設検討委員会においても御検討いただき、ストーカ炉を採用することで報告をいただいております。御指摘の非焼却方式につきましては、全国でも数例が実用化されており、近隣では糸魚川市が設置しておりますが、糸魚川市役所でお話を伺ったところでは、維持管理費やメンテナンスの費用が多額になっていると聞いております。また、非焼却方式の施設では、ごみを熱分解した炭などの炭化物が出てまいります。糸魚川市の施設の例で申し上げますと、糸魚川市内にセメント製造工場があり、その炭化物を燃料や原料として必要とするため、この方式の採用が可能であったと聞いております。施設から出た炭化物を土壌改良剤に使用しているところもあると聞いておりますが、できた炭化物の質にばらつきが多いため、利用先の確保が容易でないとも聞いております。これらの点を考慮いたしまして、現時点では大町市として新施設の方式について、特段、北アルプス広域連合に見直しを求めることは考えておりません。 以上であります。 ○議長(荒澤靖君) 産業観光部長。     〔産業観光部長(降籏和幸君)登壇〕 ◎産業観光部長(降籏和幸君) 私からは、環太平洋戦略的経済連携協定--TPPに関するお尋ねにお答えをいたします。 11月9日に経済連携の基本方針が閣議決定され、TPPに関しまして、関係各国との協議を開始することが正式に決定されました。この基本方針では、農業などの分野で国内改革を先行して推進することが明記されておりますが、基本方針の決定が来年6月、さらに行動計画の策定は10月とされておりますことから、それまでの間、農業関係者を初め、特に地方の農村部に生活する私たちにとりましては、TPPへの参加が先行し、関税が撤廃されてしまうのではないかとの不安がございます。万が一そのようなことがあれば、議員御指摘のとおり日本の農業や国民生活に与える影響は極めて大きなものとなります。現在の日本の食料自給率の低さにつきましても、農業のあり方と大きく関係していることから、農業の衰退は自給率のさらなる低下に直結するものと考えております。 TPPの参加に関しましては、農業分野における大きな不安が残る一方で、輸出産業におきましては、環太平洋地域での競争力を高めていくことが、国内経済の発展に極めて重要との意見もございます。国の食と農林・漁業の再生推進本部も、持続可能な経営を可能にする農業改革のあり方について検討を始めましたが、日本の農業も保護政策主体から大きくかじを切り、新しい改革が求められているところでございます。今後も農業の安定的な経営と、食料自給率を高め、安心・安全な食生活を維持・持続できるような農業改革の推進について、関係団体や県内市町村との連携を図り、国へ働きかけてまいります。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 建設水道部長。     〔建設水道部長(木村隆一君)登壇〕 ◎建設水道部長(木村隆一君) 住宅リフォーム助成制度の創設についてお答えいたします。 現在、個人住宅の改修に対する市の補助制度としましては、太陽光発電システム普及促進事業、住宅建築物耐震改修促進事業、及び障害者・高齢者にやさしい住宅改良促進事業があり、それぞれの制度は環境負荷の少ない新エネルギーの普及促進や災害に強いまちづくりの推進、身体障害者、または高齢者の居住環境を改善し、在宅生活の利便を図ることを目的としています。これらは補助により事業を促進し、公共の福祉の向上、公共性のある政策課題の実現を目指すものであります。 議員御指摘のとおり、住宅改修工事の増加に伴い、工事事業者は雇用を拡大し、経営の安定が図られ、さらに改修に伴い家電製品、調度品の購入が促進されることにより、地域経済への一定の波及効果が期待できるものと考えられます。しかしながら、すべての個人住宅改修を補助対象にすることは、公共性の面で課題があり、個人資産の形成に対する助成となりますことから、慎重に検討する必要があり、今後、県内外の事例を参考に、制度化の適否を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(荒澤靖君) 再質問はありませんか。太田欽三議員。 ◆7番(太田欽三君) ごみ減量について伺います。 燃えるごみが大体7割から8割、紙ごみと生ごみと言われておりますけれども、これは分別することになると、生ごみについては、現在市内の小・中学校ですべて行われているということで、病院は除いておりますけれども、今後の具体的な生ごみの堆肥化について、考え方があるならば聞かせてください。 ○議長(荒澤靖君) 生活環境課長。 ◎生活環境課長(勝野稔君) ごみの減量化の状況でございますけれども、先ほどの答弁でもございましたけれども、昨年、ごみの減量化推進懇話会市民会議というようなものを開催していただきまして、ことしの7月に提言をいただきました。その内容につきましては、紙ごみ、それから生ごみ、この2つを減量することが非常に大事ではないかということで提言をいただきまして、紙ごみについては、はがきとか封筒等、メモ用紙等を回収するということで、この12月に雑紙袋というのを各戸に配布させていただいて、きっかけになればというふうに考えているところでございます。 生ごみにつきましては、減量化推進懇話会の中でも、ぜひ進める事業ということでご提言をいただいておりまして、現在、学校給食の生ごみと福祉施設3施設の生ごみをモデル試行をしているところですが、堆肥についても非常によいという結果が得られてきておりますので、現在、平成24年度には本格稼働、これは温泉郷のホテル・旅館等から出る生ごみを含めまして、平成24年度に開始したいということで今現在進めております。 なお、処理する堆肥化センターにつきましては、現在、八坂地区に、三原地区の高原野菜等を対象にしました堆肥化センターがございまして、若干の余裕が出てまいっておるものですから、その堆肥化センターを活用していきたいというふうに考えております。 なお、現在、事前にではありますが、地元の皆さんとも協議を進めさせていただいているという状況にあるところでございます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 太田欽三議員。 ◆7番(太田欽三君) 生ごみのことなんですけれども、今後、平成24年までに具体的に進めていくということでありますけれども、集めるためのパッカー車を使っていくと思いますが、そういう具体的なことについては、これから検討していくということでよろしいんですか。 ○議長(荒澤靖君) 生活環境課長。 ◎生活環境課長(勝野稔君) 現在の検討段階の中では、パッカー車で集めるということは、ちょっと量的な問題もあるということで、それぞれ温泉郷の旅館街の皆さんに、ふたつきのバケツで排出をしていただくということで現在検討をしております。そういったことで、平ごての2トン、あるいは3トンといいますか、リフトつきのトラックを購入し、市のほうで収集をしてまいりたいというのが現在の案でございます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 太田欽三議員。 ◆7番(太田欽三君) 訂正をいたします。 先ほど公募による人数のことで、私は9人と言いましたけれども、これは7人ということで訂正をいたします。よろしくお願いいたします。 ○議長(荒澤靖君) 質問はよろしいですか。 関連質問はありませんか。 以上で太田欽三議員の質問は終了いたしました。 ここで、1時5分まで休憩といたします。 △休憩 午後0時03分 ----------- △再開 午後1時05分 ○議長(荒澤靖君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第6位、大和幸久議員の質問通告は2項目です。大和幸久議員の質問を許します。大和幸久議員。     〔15番(大和幸久君)登壇〕 ◆15番(大和幸久君) 虹と緑の会の大和幸久です。 今回の質問は、1、下水道事業の見直しについてと、2、大町市の公文書手続のあり方についての2項目を行います。 初めに、下水道事業の見直しについて伺います。 大町市の下水道事業は、開始当初、順調な成長経済を背景に、過大な事業計画でスタートしました。しかし、事業開始後は金融破綻などによる不況経済に転じ、資材費、人件費などの単価は下落し、実際の下水道事業費も大幅に減少しました。下水道建設費なども減額を同様にしております。 一方、建設費などは、下水道を利用する市民から徴収されている受益者負担金や利用料金の単価が決められる際の構成費目であり、金額も大きなウエートを占めております。ところが、現在の受益者負担金と利用料金は、当初計画の過大な事業費をもとに計算された単価によって徴収されたまま、見直しをされず今日に至っております。私はこの是正を直ちに行うべきと考えますが、どのような見解をお持ちでしょうか、簡潔明瞭にお答えください。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員の質問に対する答弁を求めます。建設水道部長。     〔建設水道部長(木村隆一君)登壇〕 ◎建設水道部長(木村隆一君) 下水道事業受益者負担金及び下水道使用料の見直しに関するお尋ねにお答えします。 初めに、受益者負担金についてお答えします。 議員御指摘のとおり、当市の下水道事業の建設費は、さまざまな理由から、当初計画した建設費と比較して縮小することが見込まれております。例えば大町市公共下水道事業大町処理区になりますが、その事業に関しましては、今後まだ処理場の増設工事等が予定されておりますが、増設工事分を除いて計算した場合、当初計画が約359億円でありましたのに対し、今年度までの建設事業費を再計算しますと、総額約188億円となっております。他の処理区につきましても同様に、当初予定していた建設事業費は、いずれも減額となることが見込まれています。この要因につきましては、処理面積の縮小に伴う事業量の減少やコストの縮減や落札率の低下等が考えられます。 大町処理区につきましても、建設事業費と受益者負担金の関係で申し上げますと、負担金算定に当たり、平成8年度に試算したものと、現時点において再計算したものを比較した場合、建設事業費に占める受益者負担金の割合は、平成8年度には約6.7%でありましたが、現在の再計算では、約11%となることが見込まれます。建設事業全体に占める受益者負担金の割合が高くなっております。 昭和44年に出された建設省の通達、「都市計画下水道事業受益者負担金の徴収について」によりますと、「建設事業費に占める受益者負担金の割合は、5分の1以上、3分の1以下の範囲において定めること」とされております。これを率で計算しますと、20%から33%となります。したがいまして、現時点で再計算した結果、算出された約11%は、当初の試算よりは高くなっておりますものの、国の示した基準よりも依然として相当低い水準になっております。こうしたことから、当市における受益者負担金の単価につきましては、議員御指摘のような是正を行う必要はないものと判断しております。 なお、常盤処理区や仁科三湖処理区につきましても、建設事業費に占める受益者負担金の割合は、当初の試算より高くなり、いずれも約11%前後となる見込みでございます。 また、県内他市の状況と比較いたしますと、下水道事業受益者負担金の単位当たりの負担金額は、おおむね次のような状況でございます。飯田市520円、須坂市500円、小諸市610円、伊那市600円、駒ヶ根市960円、中野市600円、飯山市600円、塩尻市420円、このように県内他市と比較いたしましても、当市の552円、あるいは575円という単位負担金額は、決して高い水準にはございません。こうしたことからも、当市における受益者負担金の単価の見直しは、必要ないものと判断しております。 下水道事業受益者負担金は、下水道使用料とは違い、下水道が供給開始されるときに、ただ一度だけ賦課されるものであります。したがいまして、整備の途中で負担金の額を変更したり見直しをしたりすることは、受益者に混乱を与えたり、負担金制度の信頼を失わせるおそれがありますので、よほどのことがない限り慎重に対応する必要があると考えております。 次に、下水道使用料に関してお答えいたします。 当市における下水道使用料は、平成9年4月に最初の設定が行われた後、12年、16年、19年の4回にわたり改定が行われてきております。改定に当たりましては、平成8年の当初の事業計画に基づくものではなく、その時々で想定される使用料算定期間における維持管理費用や資本費--すなわち起債の元利償還金について試算を行った上で、適切な料金設定を行っています。 なお、下水道使用料につきましては、今後も3年から4年ごとに見直しを行っていく必要があるものと考えております。 ○議長(荒澤靖君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 比較の数字は、おおむね私の試算と同じですので、その確認については控えさせていただきたいと思います。 事業の縮小によって、建設事業費は当初359億円の52.4%、188億円に実際はなっております。これは大町公共の例であります。この188億円の事業費に対する受益者負担金は、現在20億800万円余の金額が受益者負担金として納められております。これが建設事業費に占める割合は10.66%ということでありまして、当初の6.71%から大幅にふえてきていると、こういう結果になっております。 1つここで質問したいんですけれども、当初、受益者負担金というのは、大町公共が今言ったように6.7%、常盤特環が6.6%、仁科三湖が6.6%、社農集排が6.6%ということで、ほぼ同じ負担でスタートしていると、こういう経過にあります。ところが現在では、今言いましたように大町公共は10.6%、常盤特環は8.3%、仁科三湖が16.0%というふうに、大幅に建設費に占める受益者負担金の比率がふえております。これについて、今、問題はないというような答弁をしておりますけれども、これで公平性が保たれているとするならば、その判断基準はどこにあるのでしょうか、この説明をいただきたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) お答えをいたします。 下水道の受益者負担金につきましては、国の下水道財政研究会の提言を受けて、それぞれの自治体で負担金を設定しているわけです。先ほども申し上げましたように、率で言いますと11%ぐらいというふうな数字になっております。先ほど説明したように事業費の割合でいきますとそういう状況で、国のほうの関係では、20%から33%くらいの間まで取っていいというような提言がなされているわけですが、その後、国の第3次下水道財政研究会の提言におきましては、単位負担金を事業費の割合で取るのではなくて、総事業費に対する賦課率を重視せず、下水道事業によって市民が受ける受益の範囲内で、住民の納得のできる単位負担金を定めるべきだというようなことから、大町市におきましても、単位負担金額を条例のところで制定しているという状況でございます。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 全然これが公平であるという答弁にはなっておりません。保たれていない数字が出ているのですから、これは公平性が保たれていないと数字が物語っているということです。 ちなみに、いろいろ言いましたけれども、社農集排は当初の事業計画どおり、ほぼ同じ額で事業が完了しております。このケースでは最終的に負担率が6.6%で始まったものですが、最終的には5.85%と、わずかに率が下がる程度でおさまっていると。本来こういう計画で大町市の公共下水道事業は始まっているわけですから、こういうふうにおさまらなければ公平性は保たれない、こういう証明だと思います。 次に移ります。続きまして、こうした過剰に集められた負担金を推定します。推定するという理由は、平成8年答申にかかわる資料を私は情報公開請求しましたけれども、審議会の答申書しか存在していないと。それに関係する資料がすべて不存在で、非公開とされてしまいましたので、推定しかできないということです。 そこで、これを経営シミュレーションの実績数字を用いて、大町公共で見ますと、実績の事業費は188億円余、これに計画スタート時の事業費に対する負担金率6.71%を掛けますと、受益者負担金は12億6,330万円余となるはずです。ところが、実際に徴収された負担金額は20億849億円余でありまして、その差額7億4,519万円余というのは、過剰に集められた負担金ということになります。このことを確認できますか。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 平成8年の受益者負担金の審議会に関する関係でございますけれども、ここの中では、基本的な内容になりますけれども、総事業費から補助金、それから起債を引いた残りの額が一般財源、この分に相当する部分を受益者負担金だというような位置づけになっております。それから来ているわけです。現在、その内容を見てみますと、受益者負担金につきましては、事業が平成2年から始まっておりまして、平成8年までは一般会計から賄われているわけでございます。平成9年度以降につきましては、受益者負担金が入ってきているわけですが、これは基金として積んでいるわけではございませんので、その年度ごとに納められた受益者負担金につきましては、その年の建設費や、あるいは起債の元利償還金に充てられるという状況でございます。平成2年度からこれまでの建設費とその財源の累計を算定してみますと、負担金は当初の試算以上に多くなっておりますが、この内訳を見ますと、先ほど申し上げましたように一般財源相当分がそこに使われるわけでございますけれども、当初に計画をしておりました一般財源相当分には、建設費に係る人件費等が含まれていなかったということでございまして、実際には国庫補助、あるいは起債に充当できないような単独事業が出てきて、こういったものに充てられているという状況でございます。 したがいまして、一般財源相当分よりも多くかかっているというのが現状でございます。ですから、一般財源相当分の中で、市が持ち出している部分が出てきているというのが現状でございます。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(木村隆一君) 若干、先ほど課長の説明の中で、第3次の下水道財政研究委員会の提言についての内容が、ちょっと不足する点がございますので、その点だけ補足をさせていただきます。 その提言におきましては、「事業費が確定するのに長い年月がかかることから、負担金の精算を行うことは困難であり」というふうになっております。そして、条例上では、「総事業費に対する負担金の賦課率を重視せず、下水道事業によって市民が受ける利益の範囲内で、住民の納得できる単位負担金の額を条例で明確にすることが望ましい」とされております。 そういうことから、大町市の条例におきましては、負担金の額を定めて、その額をもって公平性を保ったということであります。そのため当市の条例につきましては、負担金の精算の規定も設けていないということですので、御理解いただきたいと思います。
    ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) いろいろ言っていますけれども、基本的に課長は私の言ったこの受益者負担金、集められた負担金と計算上の負担金の差額約7億円があるということを認められているということはいいですね、これを確認しておきたいと思います。 今いろいろ言いましたけれども、下水道の事業費というのは、補助金と起債の借入金、これは受益者負担金で賄っているんですが、これと市費の負担金の3つで構成されております。ところが、大町市では、下水道負担金の算出に当たって、倍近い事業費をもとに算出しているために、実際に補助金、起債の借入金、負担金を合計した金額は、事業費を超えてしまう結果になっています。事業費を超えた徴収は、法律や条例に違反していませんか、この点について確認させてください。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 先ほどから申し上げているように、負担金を集めた額が一般財源相当分にまだ行っていないという状況でございますので、その辺のところは、ちょっと御理解いただきたいと思います。 それから、仮に負担金が当初の予定より多くなってきているというような状況でありましても、要は下水道事業の財源というのは、先ほどから申し上げて、議員さんも御理解いただいていると思うんですけれども、補助金と起債、それから受益者負担金、あるいは市費ということになると思います。起債に関しましては、おおむねその2分の1が交付税措置されるということですから、仮に多くいっても、その部分に充当することはできるというふうに私は思いますけれども。(同日、訂正あり) ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 起債が充当できるのは、使用料のほうですよね。元利償還金、起債の利子ですので、受益者負担金の金額を起債には充てられないと思います。これも条例違反ではないでしょうか。受益者負担金というのは、受益者負担金条例において集められて、下水道の建設費に充当されると、これが条例で定められている内容であります。わけのわからないことを言うものですから混乱しますけれども、基本的にその線を大町市の場合は超えてしまっているということが、今の説明でも明らかになっていると思います。 繰り返しますけれども、審議会で負担金というのは、総事業費から国庫補助、起債を足した金額の残りの金額とされています。総事業費とは、下水道工事の工事費のことを言っているわけです。ですので、これを起債の償還には充てられないと、このことは明らかであります。 それから、今、利益を受ける限度において集めることができるというふうに部長が説明をしておりましたけれども、利益を受ける限度とは、どのような範囲をいうのか、これをお答えください。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 私のほうのを訂正させていただきますけれども、あくまでも、さっきからお話ししておりますように、受益者負担金を多く取り過ぎているということはございませんので、一般財源相当分までまだ行っていないという状況でございますので、その辺は御理解いただきたいと思います。細かな数字は、これまだ持ち合わせていないですけれども、前回9月のときにも申し上げましたけれども、一般財源相当分が受益者負担金に値するんだということで、その一般財源相当分まで負担金を集めていないという状況でございます。 それから、さっきの起債の充当の関係につきましては、議員さんのおっしゃるとおり、私のほうの間違いでございますので訂正させていただきます。 ○議長(荒澤靖君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(木村隆一君) 今、一定の利益の範囲ということでありますけれども、下水道事業につきましては、その範囲を定めまして、そこの面積に対して受益をこうむる対象の土地を決めているわけです。その受益の土地の対象となった方々が、受益者という判断でよろしいかと思います。そのような中から、下水道につきましては、いろいろな算定の方法はありますけれども、審議会の答申の中では、一般会計からの相当の繰り入れを前提として経営が成り立つ図になっていると。そういう中から「極力一般会計からの繰り入れを圧縮するよう努力を行うことで、市民間の公平感を確保するものである」という答申がされております。そういう内容に基づきまして、全体事業費の中から、先ほども申しております国庫補助等、地方債まで引きました残りの、課長が申しております一般財源に相当する分を、負担額の徴収総額として事業当初に設定をしたと。それを受益の面積で割り返した単価に基づいて、それぞれ条例を制定させていただき、その額でもって徴収をいただいておるということでありますので、それが結果的に負担の額が総事業費から割り返したら、6.何%であった、それが11%であったという結果から見た、その徴収された額の上昇率を見て論議がされていますけれども、その辺は結果的なものでありまして、まずは額を定めることで公平を担保するという考え方でありますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) まず、1つ確認しておきたいですが、当初の事業費で計算された受益者負担金は12億6,000万円余、ところが現在実際に集められている負担金は20億849万円余と。その差額7億4,500万円余は過剰に集められている負担金である。この数字は動かないですので、確認しておいてください。 それから、今、部長が、一般会計から相当な繰り入れをしていると。これは残額については、受益者負担金と一般会計からの繰り入れで賄えと。これが下水道事業法で一般的に言われているものであります。ところが、この実態から見ますと、大町市の場合には一般会計からの繰り入れが全くされずに、受益者負担金だけで賄われると、こういう結果になっていると思います。この点も指摘しておきたいと思います。 盛んに公平性のことを言いますけれども、平成8年の水道料金審議会答申の「5、その他負担金に関すること」では、「建設期間が長期にわたることから、将来の建設事業費の変動に伴う対応が必要であり、今後見直しが必要と考えられる」と指摘しています。答申でも「15年とか20年に及ぶような下水道事業では、必ず条件が変動するので、適切な見直しをしなければいけない」と、こういうふうに指摘をして答申をしているわけです。ところが、大町市は今までこういった答申に基づいた見直しを一切してこないと、こういうことになっております。特に私がここで強調したいのは、大町公共は昨年で管渠事業を終了しております。こういった節目でありますので、ちょうど完了した時点で見直しをするのが最も適切であろうということで、この質問をしているわけです。 それでは、続いて使用料金について、若干また質問してみたいと思います。 まず初めに、下水道使用料の対象というのは、費目ではどれが対象になるでしょうか、お答えください。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 使用料対象経費でございますけれども、処理場や管渠の維持管理費、それから起債の償還でございます。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 下水道経営ハンドブックに、一般会計繰り出し基準という項目があります。ここには国の交付税措置の前提条件が記されており、この点で確認します。 起債の元利償還における公費、国の負担率は幾らでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 国の負担率というのは、交付税措置のことだと思いますけれども、対象経費、それぞれ事業によって異なりますけれども、最大で7割、そのうちの7割を国が負担するということになりますので、約70%ということでございます。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 70%ですね。残りの30%についても、一定条件を満たせば、高資本対策費として、使用者の負担軽減を図るために公費で負担するとされております。大町市もこの対象になっております。高資本対策費のうち国の負担は何%でしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 高資本対策費、国のほうの関係は45%でございます。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 残りの55%はだれが負担するのでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 基本的には、この場合ですと大町市ということになると思いますが。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) そのとおりです。一応整理して確認しますけれども、起債の元利償還における市の負担というのは、起債償還額から国の措置額70%を引いた残額に対して、高資本対策費の55%を加えた額でよろしいでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) ちょっと意味合いが違うんですけれども、建設費に対する交付税措置、それから高資本対策費は別のものでございまして、それぞれ負担をするという内容だと思います。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) この内容でいいかどうか確認しています。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 先ほど私が申し上げた内容で間違いないです。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 下水道法20条、使用料によれば、「使用料は能率的な管理のもとにおける適正な原価を超えないものであること」と記されております。これをもとに条例が整備されております。 そこで、質問ですけれども、起債の償還における適正な原価--すなわち使用料の対象は、どの範囲の額をいうのかお答えください。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 使用料対象経費ということになろうかと思いますけれども、起債の償還で言いましたら、交付税措置の部分と本来大町市が持たなければいけない分、それを除いた分が使用料対象経費というふうになろうかと思います。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 正確には起債償還額の30%から高資本対策費を差し引いた残額という解釈でよろしいですか。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) よろしいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 次の質問をします。 下水道経営シミュレーションや下水道予算の中で、起債償還額の公費負担分70%というのは、一般会計から繰り出しをされておりますでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 今の会計上は、下水道特会におきましては、建設と、それから維持管理が一緒になっております。建設費、それから使用料ですね、トータルで足りない分を一般会計から負担をしていただいているという内容です。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 今の質問は、起債償還額の公費負担分70%が一般会計から繰り出されているかを聞いています。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) その部分は、ちょっとまだあいまいな部分でございます。今言ったように体系上、全部一緒くたになっていますので、そこまで精査してございません。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) これ実際に大町市では繰り出されていないんですよね。先ほど言った取り過ぎた負担金とか利用料で全部賄われているというのが実態です。繰り出されているのは、人件費等だけだということが実態であります。 次の質問です。 起債の償還は、繰り出し基準に基づいて、国、市、使用者が負担することになります。国は基準に基づき措置をしており、残額は市と使用者の負担となります。しかし、市が基準に基づいた繰り出しをしていないということは、本来市が負担すべき償還金を使用者が負担するということになります。今言った説明ですが、これについてはどう思われますか。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 今までは建設が主で、特会で、先ほど申し上げましたように、建設と維持管理と一緒になってきてという会計になっております。それで今後は、そういったものを明確にしていかなければいけないと。企業会計を今後進めていかなければいけないわけでございます。そういったことから、来年度以降につきましては、その辺のところを今後検討し、企業会計に向けての準備をしていきたいという内容でございます。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 今、課長が認めたように、現状は使用者に適正な原価を超えた負担をさせているという結果になります。これは法律や条例に違反していると思いますが、どうお思いですか。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) ちょっと議員さんの考え方は極端過ぎると思うんですが、今の状況は、そこまでは行っていないと思います。負担金はトータルで、先ほど申し上げましたように、負担金というか、建設費の中では負担金は一般会計も入っているというような状況でございますので、その辺は何とも言えないんですけれども、使用料につきましては、一緒くたになっているということでございますので、今後の課題の中で対応していきたい、検討していきたいと伺っています。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 適当なことでごまかしていますけれども、建設費というのは受益者負担金で賄われるべきで、条例も別です。それから維持管理費というのは、使用料で賄える項目で、これも条例が別になっております。法律的には全く別に分担されているものを、大町市ではどんぶり勘定で一緒にしてしまっていると。しかも、その中で一般会計からの繰り出しをしていないと。どのくらい繰り出しをしていないかも定かではないと。これが今の大町市の下水道会計の現状であります。このことを直ちに見直しをして、たださなければ大変なことになる、このことを指摘したいと思います。 これまでの質問で、大町市の下水道事業では、過大な事業費の見積もりに基づいて、過大な受益者負担金や使用料金の徴収が行われていることが、今の答弁でも明らかになっております。この過大に徴収された受益者負担金と使用料の陰で、本来大町市が負担すべき経費を、ほとんど支出していないという実態が、今の答弁で明らかになったと思います。現状を直視して、過大徴収分を返還する計画を盛り込んだ平成23年度予算編成に私は着手するべきだと思いますけれども、この点については、いかがお考えでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 下水道課長。 ◎下水道課長(降幡司君) 先ほどから申し上げているとおり、下水道特会につきましては、建設、維持管理が一緒になっている状況がございます。そうしたことから今後は、来年度、企業会計移行に向けての検討をしていくという内容でございます。何回も私、申し上げるんですけれども、建設のほうの関係で一般会計からの負担も幾分か入っているんです。ですから、違法な会計だというようなことを言われても、ちょっと心外でございます。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 平成15年の見直しの際にも、答申の中で、受益者負担金については、建設事業が完了した時点で見直すべきであると、こういう答申がされております。これも今言ったように受益者負担金等は事業完了時には改めて見直しをしなければいけないということを繰り返して言っているわけですので、こういった答申も大町市は全く気にせずに、何もしないで今日まで来たと、こういうことになります。 こういった過大徴収された負担金、利用料金、これ私は返還すべきだと思いますけれども、この返還については、受益者負担金の施行規則なんかでは、還付加算金を加えて過誤納金等はしなければいけないというような条項があります。これは税金の還付と受益者負担金の場合は同じになります。こうしますと、こういった還付加算金に類するようなお金というのは、元本に加算して7.3%というような率で返さなければいけないことになっております。こういった見直しをしなければしないほど、時間が延びれば延びるほど、この金利というのは加算されていくと、こういうことになると思います。私はこういった金利の増加というのは、市民から見れば損害賠償請求の対象になると思います。特に私は今回、こういった過剰徴収された金額というのが、受益者負担金だけでも大町公共、常盤、それから仁科三湖、ざっと計算して10億円近いお金になるのではないかという推測をしております。金額の大きさからしましても重大でありますし、15年余りの下水道事業の中で、答申がありながらも全く見直しされていないということも重大な問題であります。このことに関して、私は住民監査請求も視野に入れて対応せざるを得ないというふうに思っております。 最後にもう一度、この見直しをするかどうか、市長の見解を伺っておきたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 先ほど来、担当課長、あるいは担当部長からお答えしてきたとおりでございます。 まず、議員、還付金の規定について、私、今、手元に資料はありませんけれども、解釈について誤りがあるのではないかと思います。その還付金については、条例に基づいて適正に処理してきたものの中に過誤があった場合の還付金の規定ではないか。いわゆる議員御指摘のような、精算に伴う還付金を指しているのではないかというようにも思われますので、その点は検討させていただきたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) ぜひ慎重に検討いただきたいと思います。なおかつ、速やかにということをつけ加えておきたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。大町市の公文書取り扱いの問題点について伺いたいと思います。 大町市は、しらかば保育園事件裁判で、東京高裁に乙65号証という証拠を提出しました。この証拠文書は、この証拠文書は大町市においてだれが命令し、だれが作成したものかお答えください。 ○議長(荒澤靖君) 答弁を求めます。民生部長。     〔民生部長(西沢正敏君)登壇〕 ◎民生部長(西沢正敏君) しらかば保育園控訴審におけます乙65号証について、だれが命令し、だれが作成したものかとの御質問にお答えをいたします。 御指摘の乙65号証は、市が平成10年度から平成19年度までの間に建設いたしましたどんぐり、しらかば、はなのきの3保育園の竣工時における1平方メートル当たりの建設費用を比較検討したものであり、控訴審における、大町市に損害が生じているとの現判決の認定に対する反論のための資料として、高等裁判所に提出した控訴理由書の証拠説明書でございます。 訴訟につきましては、訴訟代理人であります弁護士に一任しておりまして、その弁護士からの指示を受けまして作成した資料に基づき、弁護士が作成したものでございます。提出に当たりましては、弁護士から原案が示され、了解をしております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 弁護士が作成したものであって、大町市はだれも作成していないと、こういうことでありました。 ここに被控訴人大町市が出した証拠説明書というのがあります。この証拠説明書には、これは差出人が控訴人代理人弁護士という名前で差し出してあります。ここでは、この証拠書の立証趣旨というのがあります。ここには、本書をもって、しらかば保育園の建設費は、どんぐり及びはなのき保育園の建設費と比較して極めて安価であり、大町市に損害が発生していると言うことができないという事実について証明したいんだと、こういう理由書があります。しかも、ここでは作成者が大町市民生部子育て支援課とあります。この記載は、では弁護士が勝手に作成したものということで解釈してよろしいでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 福祉課長。 ◎福祉課長(田中秀司君) 作成者が子育て支援課となっているということでございますけれども、これはあくまでも弁護士が作成したものでございます。 なお、子育て支援課という表記につきましては、弁護士が子育て支援課から情報を提供していただいて作成したものと、こういう理解でお願いしたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) そうしますと、弁護士は大町市の名を語って公文書を偽造しているということになりませんでしょうか。大町市は、これに対して謝罪を求めたり、名誉回復のための必要な措置をとるべきではないでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 福祉課長。 ◎福祉課長(田中秀司君) 担当弁護士については、この訴訟に関する権限について、大町市から一切の権限を委任しているわけでございます。したがいまして、市長にかわる代理人ということでございますので、担当弁護士が必要と判断された場合には、担当弁護士の判断によりまして、こちらとの合議といいますか、了解を得るという行為は必要ですけれども、行ったものでございます。 なお、これは公印をついた公文書という扱いとはまた違う、説明資料ということでございますので、御理解をいただきたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) そうしますと、大町市というような題名はつけることはできないのではないでしょうか。しかも、大町市はこれを公文書と認めていないんですよね。この辺が非常にあいまいで、私は今後はこういったことをしっかり検証していただきたい。責任があいまいですよね。 時間がありませんので、次に進みますけれども、実はこの証拠の内容を検証しますと、どんぐりとはなのき保育園は、外構工事、厨房工事費などを含んで計算しておりますけれども、しらかば保育園については、これらの工事費を除いて計算してあります。当然これ平米単価は、それをもとにして、しらかばが安いんだから問題ないだろうと、こういう結論を出しておりますけれども、これは全くごまかしの証拠でありまして、同じ条件で計算すれば、しらかば保育園が一番高くなります。こういったものを証拠で出すこと自体が、非常に問題があるというふうに私は思いますが。しかも、それが大町市という公文書まがいの文書で証拠として出されていると、このことを指摘しておきたいと思います。 私は、こういった文書が、平然と東京高等裁判所というところへ出回っていること自体が問題であって、これを作成した弁護士等に、当然、謝罪や名誉回復の措置をとるべきだと思いますけれども、改めて市長の見解を伺っておきたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) まず、内容については、先ほど担当課長、それから担当部長から御答弁申し上げたとおりでございます。 まず、先ほどの大和議員指摘の高等裁判所における証拠書として提出されたものは、あくまでも大町市の委任を受けた担当弁護士が作成し、提出したものでございます。そこに具体的に資料のデータの根拠として、例えば大町市の組織の名前が載っていたとしても、それは大町市の公文書でないのは明らかでございます。そうした中で、今、詳細な御意見を賜りましたけれども、現在、上告に伴いまして、訴訟が継続中でございますので、内容の詳細については、お答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。 ○議長(荒澤靖君) 大和幸久議員。 ◆15番(大和幸久君) 上告の前に、提供した資料の内容の解釈が間違っているということを言っているわけです。大町市はそれを漫然と認めるわけにいかないと思いますけれども。 最後ですけれども、東京高裁はこの乙65号証を、一審長野地裁の違法判決を覆して、却下、または棄却の判決を下した主要な証拠として証拠採用しております。ここでは取引通念上に照らして不相応に高くなっていないから、大町市は損害をこうむっていないと結論されております。この東京高裁の判決は、一審長野地裁が採用した最高裁昭和28年12月判決、「公正なる価格とは、事後的に業者の見積もり価格と比較して測定されるものではなく、入札において公正な自由競争によって形成されたであろう落札価格のことをいう」という判決を、真っ向否定する内容になっております。新たな判例ということになります。最高裁で審理が行われれば、その是非が問われ、主要な争点となることが見込まれますけれども、そこにおいて、大町市の論拠を構成する証拠がまがいものであったという不名誉なことは、一刻も早く修復されるべきではないでしょうか。このことを指摘しておきたいと思います。 大町市には、文書取扱規程というのがあります。これに照らして、厳格な検証が求められていると思います。これを検証した上で、市民に改善策を公表すべきだと思いますが、市長、見解はどうでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) ただいま大和議員の御意見にかかわる部分は御意見として賜ります。その上で、繰り返しになりますが、訴訟の内容にかかわることは、訴訟の場でしっかり御審査いただくことを期待しております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 以上で大和幸久議員の質問は終了いたしました。 ここで、2時5分まで休憩といたします。 △休憩 午後1時52分 ----------- △再開 午後2時05分 ○議長(荒澤靖君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第7位、和田俊彦議員の質問通告は3項目です。和田俊彦議員の質問を許します。和田俊彦議員。     〔4番(和田俊彦君)登壇〕 ◆4番(和田俊彦君) 民声クラブの和田俊彦です。通告に従いまして、大町市の情報発信について、地域公共交通機関について、雪害対策についての3点をお聞きします。 情報化社会と呼ばれる現在においては、地元地域の情報をいかに全国に向けて発信していくかが、地域の活性化やまちづくりに大きな意味を持つことになります。人の流れを生み出し、その流れをより大きくしていくことは、地域産業の発展を促し、まちが発展する可能性を感じさせてくれるものです。 情報発信が今後の重要な政策であると認めたまちでは、情報政策担当部をつくっているところもあります。また、今後は情報発信の企画や実行する地域情報発信プロデューサーみたいな人材育成が必要であると言われています。そういった意味では、信濃おおまち達人検定という企画は、非常にタイムリーな企画であると思います。 そこで、お聞きしますが、本定例会の市長あいさつの中で、来春公開予定の映画「岳」やドラマ「おひさま」の放送に合わせ、積極的に観光宣伝を実施し、市の魅力を発信していくと言われています。他の観光資源もあわせ、総合的にどのような形で実施されるのか、また信濃おおまち達人検定に合格した人材を、どのように生かされていく計画か、そしてメディアに対する広報等の協力体制についても、あわせてお伺いいたします。 これで1回目の質問を終わります。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) お答えを申し上げます。 まず、映画やドラマの放送にあわせた総合的な観光宣伝の方法についてのお尋ねです。 NHKの連続テレビ小説「おひさま」につきましては、安曇野と松本平が物語の舞台となりますことから、広域的な取り組みが重要であると考えており、現在、安曇野市を中心に、地域の魅力を最大限に引き出し、戦略的な観光振興に広域的に取り組むための組織の立ち上げの準備をしているところでございます。 今回のテレビドラマの制作におきましては、ロケ地が比較的少ないことから、関係する自治体や観光関係の団体等が連携して、北アルプス山麓や安曇野のおいしい水や空気などの当地のブランドと、ここで生まれる農産物や特産品などをPRしていくことを重点に考えております。 新たに設立する組織では、共同でポスターやパンフレット、のぼり旗などの製作、またロケ地と合わせた周辺地図の作成などを予定しております。 また、市独自には、撮影が中山高原で行われましたことから、市観光協会、商工会議所、庁内関係機関等が連携して、従来のポスターやパンフレット等の構成を見直し、周遊地図を折り込むなど、誘客宣伝の展開を検討しております。 また、中山高原のほか、新行地区を含め美麻地域全体と他の観光地や市内のそば店などをつなぐ商品企画や、旅行商品の造成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 映画「岳」に関連しましては、来年、山岳博物館が創立60周年を迎えるとともに、山岳文化都市宣言10周年を迎えますことから、博物館と連携した情報発信に努めますとともに、最近の中高年登山やいわゆる山ガールの増加に伴う登山ブームに合わせ、「岳のまち大町」の認知度向上に向けた取り組みにつきまして、関係者とともに検討を進めてまいります。 これらの取り組みは、期間限定の一過性の取り組みに終わることなく、継続的に展開することが重要であります。そこで、この一連の好機を生かしながら、大町市の認知度の向上や観光誘客を図り、滞在時間を増加させるよう、総合的な観光振興策につきまして、幅広く検討を進めてまいります。具体的には、当市の財産であります水を生かし、仁科三湖、黒部ダムや高瀬渓谷のダムなど水に関連する観光資源に焦点を合わせた観光振興を図るため、パンフレットやホームページを通じて情報発信に努めますとともに、首都圏等における観光情報を扱うメディア関係者との懇談会の開催を進めてまいりたいと考えております。 次に、信濃おおまち達人検定の合格者の活用方法やメディアに対する広報等の協力体制についてのお尋ねでございます。 まず、この達人検定では、市民や観光客の皆様に大町の魅力を改めて認識していただき、地域への愛着をさらに深めていただきますとともに、地域の魅力をお伝えできる観光ガイドの育成を図りますほか、観光関連事業に従事される方々にも、幅広い知識を身につけていただくことを目標としております。本年度は基本コースとジュニアコースを設定し、こうした目標を達成するためのきっかけづくりと位置づけております。また、来年度以降は、中級、上級とステップアップを重ねることにより、より深い知識を持った人材の育成につなげてまいりたいと考えております。 また、達人検定の内容につきましては、机上での知識、素養だけでなく、町なかや観光施設などに出向いて、直接目や耳、肌で感じて回答いただく内容を含め、大町らしい検定の実現に向けて検討を進めてまいります。 こうした取り組みの中で、合格者の皆様には、日常の生活や活動を通じて身につけていただいた知識を実際に役立てていただきますとともに、観光ボランティアとしての活動や各種イベント等での協力など、積極的な活動をお願いしてまいります。観光に従事する皆様のみならず、広く市民の皆様に積極的な参加を呼びかけ、郷土大町の知識習得にあわせ、観光大町を担う人材の育成につなげてまいりたいと考えております。 また、報道関係者や観光メディアの皆様に対する広報等の協力要請につきましては、達人検定の実施に当たり、検定の周知や受検者募集のお知らせ、試験当日の取材などにつきまして協力をお願いしてまいりますとともに、市といたしましても、積極的な情報の提供に努めてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 再質問はありませんか。和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) 今の市長のお答えは、大変、大町市にとって、これから有益な事業をやっていただけるというふうに私は受けとめました。 ただ、今まで情報発信といいますと、市の施設、具体的なものを紹介していく観光パンフレット、そういうものは大変多かったわけなんです。しかし、今、私がこの質問の中で大町市に期待するものは、いわゆるソフト面、映画やドラマで使っていただけるようなロケーションや条件というものが、私たちこの大町市にはありますということから始まって、いろいろな地域から発信する情報というものを皆さんにお伝えしていくためには、そういう形のパンフレットといいますか、そういうものが必要ではないかと。ちょっとうまく説明できないのですけれども、具体的な施設のパンフレットではなくて、要するに大町市にも、このように生かしていただける情報がありますよというような形のパンフレットが必要ではないかと。それは達人検定で合格された皆さんもいて、場所から説明をされる方、そしてそれを発信すること、そういうことが網羅されているような情報発信というものが、市にとって私はこれから必要になっていくと思うんです。それはなぜかといいますと、慶応大学の一つの研究室の方が、地域情報化フォーラムというものを開催した中で、その研究室の教授がおっしゃっているのですが、今、地域の情報化というものは、その地域全体のあらゆる情報を情報化して、みんなで共有して、それを発信していくことが地域の情報化だと。ちょっとわかったようなわからないような発言なんですけれども、こういうような話があるわけです。 いろいろな情報を市が発信していく中で、パンフレットというものの中に大町市のソフト事業を紹介していくような、そのようなパンフレット、紹介記事というものを出していくようなお考えがないかどうか、ちょっとお聞かせ願います。 ○議長(荒澤靖君) 観光課長。 ◎観光課長(縣和彦君) ただいまの御質問にお答えをいたします。 現在、大町市、大町市観光協会で発行しているパンフレットにつきましては、観光施設、観光事業、見どころなどを紹介したものでございます。ただいま議員から御指摘のありました内容についても、課内、それから関係機関とも打ち合わせをしている最中でございます。その中で、具体的に現在検討をしておりますのは、先ほど市長答弁にもございました大町の水、これをキーワードとし、水を切り口としたパンフレットの作成を現在考えております。 例えばおいしい水であれば、おいしい水でつくる地酒、おいしい水からできるお米、それから漬物、そういったようなものを紹介しますし、またアウトドアの水という面では、仁科三湖におけるカヌーであるとか釣り、そして渓谷の水という面では、高瀬渓谷、黒部ダムというように、水に関連し、ただ単に紹介する観光パンフではなくて、水というキーワードに基づいて大町市の情報を発信する、PRする、そのようなことを現在考えておりまして、平成23年度発行のパンフレットには、それを盛り込んでまいりたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) 今、課長に大変うまくまとめていただきました。ありがとうございました。私の言いたかったことは、そういうようなことで、要するにいろいろな情報を発信していくのですけれども、その中で今までは施設が中心だったものを、もっと違う方向からの情報発信というものを、大町市として、いろいろな価値があるものがあるので、ぜひやっていただきたいと、そういうふうに思います。ぜひ観光課長、今の事業は頑張っていただきたいと、そういうふうに思います。 続きまして、情報発信という意味で、立川市のアンテナショップについて、ちょっと伺います。 唯一外部に存在する施設ですけれども、この施設のホームページを見ますと、日曜日と祝日が休日となっております。これではアンテナショップとしての情報発信機能が損なわれているのではないかというふうに、私はちょっと思うんですけれども、この点について、情報発信という意味では、日曜・祝日というものをオープンにしていただいたほうがいいのではないかと思うんですが、このことについて、どんなお考えをお持ちかお伺いいたします。 ○議長(荒澤靖君) 産業観光部長
    産業観光部長(降籏和幸君) 立川のアンテナショップについての御質問にお答えをいたします。 現在は隣接しています農産物直売所JA東京みどりとともに、建物の一角をおかりして一体的な営業形態で運営しておりますことから、平日開店といたしております。農産物直売所は、当市のアンテナショップ開設より5カ月前から営業を始めており、地域の状況を十分熟知して営業日を設定しております。店舗前を通行される方は、立川駅利用の通勤通学者や買い物客が多く、むしろ平日のほうが多くの通行者があると伺っております。また、農産物直売所と同一建物内容にアンテナショップが置かれておりますことから、農産物直売所に合わせて運営日を設定するほうが、訪れるお客様の利便性も高いものと考えております。営業時間につきましても、6月から利用者のニーズにこたえ、農産物直売所と足並みをそろえ、当初、午後4時半までの営業でありましたものを、6時まで営業時間を延長しております。 閉店日や営業時間の設定につきましては、今後、隣接する農産物直売所とも調整を図りながら、より多くの皆様に訪れていただき、当市の情報発信や売り上げの増加につながりますよう努めてまいります。よろしくお願いします。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) 今の部長のお話を伺いますと、今後も日曜・祝日の開店については可能性は低いと、こういうことでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 商工労政課長。 ◎商工労政課長(小林敏文君) 私のほうからお答えさせていただきます。 今のアンテナショップの運営形態の中では、日曜・祝日につきましては、農産物の直売所と足並みをそろえて休みというような形を考えてございますが、ただ農協の直売所のほうをおかりできるという話が今進んでおりますので、それにあわせて大町市のイベントを打つような形で、そこをあけることを今考えてございます。今年度につきましても、3回ほどですけれども、日曜日にそこの場をおかりしてイベント的な情報発信を行った経過がございますので、今後それをもう少し膨らませた形で仕掛けていきたいと考えております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) そういうことでしたら、そういう方向でもってぜひ頑張って、日曜・祝日なども、ぜひ大町市というものを発信していただきたいと思いますし、また今、午後6時まで延ばしていただいたそうですが、さらにもう2時間程度、午後8時ぐらいまで、都会ですので人通りも多いことでしょうから、その辺の時間帯の工夫も、もう一考ぜひお願いします。 続きまして、4番の質問に移ります。山岳博物館は来年60周年を迎えるに当たり、記念式典や記念事業を計画しています。全国でも類を見ないこの博物館を広く知っていただく大きなチャンスですので、大いに盛り上げていただきたいのですが、やはりここでも情報発信のあり方が重要になってきます。山岳関係者だけでなく、一般の人にも訪れてもらえるような広報が重要であると思います。そういう中でアルペン動物園から贈呈いただいたシベリヤオオヤマネコの死は、とても残念でありました。60周年に当たり、その広報について、どのような計画をされているのかお伺いいたします。 ○議長(荒澤靖君) 教育次長。 ◎教育次長(北澤徳重君) 来年、山岳博物館の創立60周年を迎えるに当たり、広報や情報発信について、どのように計画しているのかとのお尋ねにお答えいたします。 御指摘のとおり山岳博物館は、来年で創立60周年を迎えます。人に例えるならば還暦に当たり、人生を振り返る節目の年でありますが、生涯学習社会の到来が言われて久しい昨今、山岳文化都市を宣言している当市の一つの顔として、ますます役割は増大しており、先人の皆様の努力によって築かれてきた多くの実績と評価の上に立ち、過去を振り返り、現在を見詰め、将来を展望しつつ、新たな出発の契機とすることが求められているものと認識いたしております。 御承知のとおり山岳博物館は、戦後の復興期である昭和26年に、文化を求める大町市民の意欲的な建設運動と資料収集や奉仕活動、まさに協働の力によって誕生したものであります。以来、ライチョウの生態調査、カモシカ、ライチョウの飼育、北京動物園やシェーンブルン宮殿動物園へのカモシカ贈呈、インスブルックとの友好提携、皇太子殿下でありました時代の天皇陛下を初め皇族の御来訪、秩父宮記念学術賞受賞など多くの成果を上げる一方、山と自然を愛する内外の多くの方々から多大な御支援をいただき、市民の皆様の温かな御理解を御協力によって今日を迎えることができました。 この節目の年に、どのような情報をどのように発信し、今後の博物館運営の方針をどのように定めていくかということは、今後、山岳文化都市としての当市の特性を深める上で重要な意義を持つものであり、北アルプス山麓に位置する岳都大町としての視点から、現在検討を進めております。 その主なものについて御説明をさせていただきます。 博物館の使命は、まず資料の保存と活用、展示であり、情報発信であります。このため長野県山岳協会の御協力により貴重な山岳関係資料の寄贈を受け、また信州大学初め各界の有識者の御支援をいただき、山岳部門の展示の全面的な改修を予定しております。当面、来年度はその実施計画を策定することとし、展示構成を初め整理された内容や調査情報をインターネット等で全国に向け積極的に発信してまいります。これに伴い、現在のホームページで毎日の掲載が好評をいただいております飼育動物の表情や北アルプスの姿、トピックスなどについて、一層の充実を図りながら、タイムリーでより斬新な内容になるよう制作に努めますとともに、各種メディアの皆様に対しまして積極的に情報を提供し、新たな情報発信を進めてまいります。 また、付属園につきましては、北アルプス山麓の動植物をテーマに計画的な整備を進めることとし、現在、市民参加による将来構想の策定に向け、準備を進めておりますので、近く具体化を図ってまいります。 さらに、記念すべき節目の年にふさわしい企画展といたしましては、世界のライチョウ展や湿地植物の生活史展を企画するとともに、60周年記念のテレビ番組制作について検討を進めております。それぞれ具体的な内容が固まった段階で議会に御報告申し上げるとともに、市民の皆様に広報等により広く周知してまいります。 また、市民を対象とした、より身近で地道な活動も重要でありますので、山岳博物館友の会の御協力をいただき、現在開催している小講座、こども夏期大学、動物の写生会、小鳥の声を聞く会などの充実を図ってまいります。 最後に、本年度から、試行的にではありますが、大町南小学校と連携をし、展示室や収蔵資料を活用した実践的な授業を山岳博物館において実施しておりますので、60周年を契機として、「大町の子は必ず博物館に足を運ぶ」を合言葉に、市内全小学校を対象として取り組みを拡大する方向で現在準備を進めております。 記念式典は、友好都市、姉妹都市初め、これまで山岳博物館に御支援いただきました関係者をお招きし、来年11月初旬の開催を計画しておりますが、これまで60周年にわたる博物館の実績の上に立ち、北アルプスとその山麓をフィールドとして、市民と地域に密着し、広く内外に情報を発信し、山をとうとび、山を愛し、当市と当市の持つ豊かな自然環境に思いを寄せていただける多くの方々に、山岳博物館に足を運んでいただけるよう全力で努めてまいりますので、御理解と御協力をお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 再質問はありませんか。和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) 今までの既成概念にとらわれない広報というものをぜひ考えていただいて、日本で唯一と言えるこの大町の山岳博物館、これが市民の皆さんの誇りとなるような、そういった広報にぜひ努めていただきたいと思います。 そこで、教育長にちょっと伺いたいのですけれども、友好提携を結んでおりますオーストリアのインスブルック市、そしてアルペン動物園、何かちょっと疎遠になっているように伺っておりますので、これを機会に人的交流、これは動物的交流と言ったらよろしいのか、そういうものを考えるお考えはないかお聞かせください。 ○議長(荒澤靖君) 教育長。 ◎教育長(荒井今朝一君) 御指摘のとおり、インスブルック市との関係は、私自身も実はインスブルック市を訪問しておりますけれども、若干かつてより交流が希薄になっていることは事実であります。これを機会にぜひ交流を深めたいということで、先日、東京のほうへ上京いたしまして、政府観光局の担当のほうにお話をしてまいりました。まず差し当たって式典にお招きをしたいという意思表示をしてまいりました。かつては大町市から、博物館だけではなくて、市民の皆様の訪問団等も訪れたり、あるいは芸術・文化関係の交流も相当回数行っております。広い意味で交流が深まって、それを情報発信してまいる契機になればと、そんなことを願っている次第であります。 以上であります。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) 日本の国内だけでなく、海外についても市の山岳博物館、ぜひ大きく宣伝していっていただきたいと思います。 それでは、次の地域公共交通機関についての質問に移ります。 9月定例会で質問しました市民バスふれあい号のフリー乗降につきまして、市長あいさつの中でも触れられておりましたが、11月25日の地域公共交通会議を経て、新年度から導入できる体制になったと理解しています。導入される路線・地域を具体的に教えていただきたいことと、市民の皆様に対する周知はどのようにされるのか、あわせてお伺いいたします。 それと、次にフリー乗降を導入して運営管理するに当たって、まだ課題が残っているかどうか教えていただきたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 民生部長。     〔民生部長(西沢正敏君)登壇〕 ◎民生部長(西沢正敏君) ただいま御質問いただきました市民バスの運行管理につきまして、フリー乗降区間の設定について、具体的な路線地域、また広報活動をどのように考えているか、さらにまた課題についてのお尋ねにお答えを申し上げます。 市民バスにつきまして、停留所以外での乗降可能なフリー乗降区間の設定についてですが、まず対象と考えております路線につきましては、現在運行しているバス路線11路線のうち、八坂コースの八坂線を除くすべての路線にフリー乗降区間の設定を予定しております。この区間の設定に当たりましては、大町警察署、各道路管理者等の関係機関と協議を行いまして、交通量が多い国道や主要な県道、市街地を除外いたしました。 具体的に申し上げますと、このフリー乗降の対象外といたしました道路は、市街地であります大町地区内のほか、国道19号、147号、148号、県道長野大町線、大町麻績インター千曲線、山麓線でありますが、有明大町線、それから大町明科線、扇沢大町線--アルペンラインでございます、槍ヶ岳線、市道大町鹿島線--大原街道でございます、木崎野口泉線--オリンピック道路でありますが、以上の11の道路及び民間バス路線と競合しております大町温泉郷周辺となっておりまして、これ以外の道路区間につきましては、基本的にフリー乗降が可能であるとしております。このため、八坂コースの八坂線はフリー乗降の区間の設定はございません。また、フリー乗降区間でありましても、道路交通法の定めによりまして、交差点や横断歩道、踏切、急なカーブの前後などはフリー乗降を禁止としております。 この制度の広報・周知につきましては、フリー乗降の可能な停留所区間を色分けした路線図と、フリー乗降の利用方法や注意事項などを記載した時刻表を各戸に御配布させていただくこととしております。また、連合自治会などの会議の折に御説明するとともに、バス車内での案内や広報おおまち、市のホームページなどによりまして周知を図ってまいります。 次に、このフリー乗降制度導入の課題についてでございますが、道路運送法に基づく申請関係につきましては、関係機関との事前調整が済んでおりますことから、法的な面での特段の問題はないものと考えております。 運用面での課題といたしまして、利用される方とバスを運転する運転手さんの意思疎通についてでありますが、特に停留所以外で乗車する場合は、利用される方は手を挙げて、バスの運転手にわかるように乗車の意思をはっきりと伝える必要があります。バスが近づいてから急に手を挙げても急停車はできないことや、手を挙げても、すぐにおろしてしまったような場合などは、運転手が確認できない場合があること、さらに雨天のときなど傘を差している場合は、手を挙げているかどうかが確認しにくいことなどが想定されます。利用される方と運転手との確実な意思疎通を図ることが課題であると考えております。 また、バスの運転手は、通常の安全運行に注意を払うほかに、フリー乗降区間におきましては、停留所以外の場所でも、乗客がいるかいないかにつきまして絶えず注意をする必要があり、安全運行のためには、運転手の十分な休憩時間の確保が必要と考えます。特に清水-西山、木崎-源汲コースのように、1つの車両で2コースを交互に運行する路線がありますが、これらの路線につきましては、車両をフル稼働しておりますので、運転手の休憩時間を確保するダイヤの設定が今後の課題になるものと考えております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 再質問はありませんか。和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) フリー乗降のシステム、導入していただければ、高齢者の皆さんには大分助けになるのではないかと思いますので、ぜひ実現をお願いしたいと思います。 また、このシステムというのは、今、部長おっしゃったように、運営上の大変さもあるんですけれども、乗り手側、利用する側のモラルというのも、大変これは重要になってくると思われます。ですので、この周知に関しては、ぜひきめ細かな対応をお願いしたいと思います。 また、このシステムの導入によって、委託費が増大するような懸念があるかどうか、それを聞かせてください。 ○議長(荒澤靖君) 市民課長。 ◎市民課長(北澤文子君) フリー乗降導入によるバス運行委託費への影響についての御質問にお答えいたします。 委託経費につきましては、フリー乗降制度を導入しても、運行経路や距離に変更は生じないことから、フリー乗降制度の導入によるバス運行の直接的な経費に影響はないものと考えております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) それと、今、市が保有しているバスの車両があると思うんですけれども、恐らく大分古くなっていて、更新時期が近づいているのではないかと思いますが、この車両については、今後どのようにされるのか、そのお考えを教えてください。 ○議長(荒澤靖君) 市民課長。 ◎市民課長(北澤文子君) お答えいたします。 市が保有している車両の更新についての御質問です。市民バスの車両更新につきましては、車両を市が購入し、運行事業者に貸し付ける方法と、運行事業者が車両を購入し、その減価償却経費を含め委託料を支払う方法の2とおりの方法があります。現在、八坂・美麻コースの運行車両につきましては、市が保有する車両を事業者に貸し付ける方法としており、他のコースにつきましては、事業者の保有する車両の経費を含め、委託料として支払う方法としております。 車両更新に当たりましては、過疎債や補助金などを活用して市が購入する場合と、特別交付税の対象となっています市民バス運行委託料に含めて支払う場合と、どちらが有利になるか、また乗車人数に適した運行車両の大きさなども含め、今後検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) それは、計算した結果によっては、今後まだ市がバスの保有を考えるというふうに受けとめてよろしいですか。 ○議長(荒澤靖君) 市民課長。 ◎市民課長(北澤文子君) そのとおりでございます。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) 続いてお聞きしますが、市長あいさつの中にありました(仮称)地域公共交通連絡協議会というものが設置されるということですが、この会の主なメンバー、そして主な目的というものを教えてください。 ○議長(荒澤靖君) 総務部長。 ◎総務部長(吉澤義雄君) 地域公共交通連絡協議会のメンバー並びにその目的についてのお尋ねでございます。 国では現在、人口減少や少子高齢化の進展、地球温暖化対策等の課題に対応した公共交通の維持・再生に向けまして、交通政策全般にかかわる課題や将来の交通体系のあるべき姿、交通に係る基本的な法制のあり方等について検討が進められております。 当市の公共交通につきましても、タクシーや信濃大町駅と扇沢駅を結ぶ路線バスのほか、市が提供するものとして、市民バスやスクールバス、福祉有償運送、観光周遊バスなどがありますが、平成26年の北陸新幹線の開業など、当市の公共交通を取り巻く環境も大きく変化するものと予想されますことから、新年度には新たな地域協議会を立ち上げまして、市民の皆様の利便性の向上や地域交流の活発化、観光振興などを一体的にとらえ、総合的な当市における将来の交通体系のあり方について、さまざまな観点から検討を進めてまいりたいと考えております。 なお、この協議会につきましては、市内で公共交通を運営されている事業者を初め、関係行政機関や公共交通の利用者の代表など、多様な地域の皆様を委員としてお願いしたいと考えておりますが、詳細につきましては、今後検討を進めることとしております。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) この協議会を設置されて、まず話し合うことの最初の課題というものは何だと考えておられますか。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 今現在、大町市でいろいろなセクション、あるいはいろいろな業者によって行われている交通サービスの現状を、まず御確認いただき、それから公共交通として行政がどういうかかわり方ができるのか、あるいは民間事業者の皆さんがどういうようなことにかかわれるのか、そういうような複合的なところ、まず実態を把握していただき、その実態をベースとして、今後のあるべき姿を行政、それから民間事業者、それから市民の皆さん、それぞれの思いの接点を探りながら、1つの計画、将来の大町市のあるべき公共交通のあり方についての理想像みたいなものに、たどり着けたらというふうに考えております。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) それは将来の市民バスの運行形態、あるいは市民バスが変化をして、午前中の質問にも出ていましたけれども、仮にデマンド交通のようなもの、いろいろなものの可能性というものを探っていって、市民バスがどのような形態に変化していったらいいかということも、あわせて協議していくということでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 先ほど申し上げましたが、いろいろな交通サービスの提供がございます。その中の一つとして、市民バスというものがあるというふうに考えております。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) ぜひこれは積極的に、将来の大町市の公共交通というものを真剣にトータルに考えていただいて、効率的な、また市民の皆様にとって利用しやすい公共交通機関をつくり上げていっていただきたいと思います。ただ、時間的に余り長くかかるようではいけないので、その辺もあわせてお願いしておきます。 最後の質問に移ります。雪害対策についてお聞きします。 ことしも雪の降る時期を迎えました。大町市にとって雪は観光資源として有効に利用させてもらっている自然の恵みであると同時に、生活の場所によっては、厄介なものとなっています。 本年の除雪体制は既に整っていると思いますが、路肩のポール立てや重機の待機、その他経費の考え方について、以前と相違があるかどうか伺います。 また、円高にもかかわらず、軽油代というのは全く下がってこないわけですけれども、燃料費の設定の方法、本年度の単価、スライドの考え方等を教えてください。 ○議長(荒澤靖君) 建設水道部長。     〔建設水道部長(木村隆一君)登壇〕 ◎建設水道部長(木村隆一君) 雪害対策のお尋ねにお答えします。 本年度の除雪計画につきましては、児童・生徒の通学や通勤者の通行、緊急車両の通行確保などを優先に、自治会の役員の皆様とも相談し、本年度の除雪路線を定めております。 本議会の冒頭の市長あいさつにも申し上げましたとおり、歩道を含め約446キロメートルの市道について、79の業者や自治会から推薦をいただきました方に委託して、除雪や凍結防止剤の散布を実施することとしております。 除雪などの時間当たりの単価の設定につきましては、県建設部が毎年10月1日に示します積算基準及び標準歩掛かりや単価表により、使用する機械の機種・装置・種類ごとに積算しております。また、委託料につきましては、積算された単価により、稼働時間に応じて支払うこととしております。 御質問の路肩のポール立てにつきましては、近年設置を要望する箇所は、一部の地域を除き減少しておりますが、この作業は10年ほど前から市がポールを支給し、除雪受託業者に設置していただくこととしております。 また、除雪待機費につきましては、大雪注意報や警報が発令された時点で、除雪機械運転要員や情報連絡員の待機を指示した場合に支払うものであります。市道は、一部幹線道路を除き、国・県道とは異なり、夜間の交通量は減少し、最近でも大きな交通障害等が発生していないことから、運転要員や情報連絡員などの待機指示はしてきておりませんので、この支払いの事例はありません。 また、その他の経費につきましては、除雪機械の借料、人件費、燃料代、タイヤチェーンや切り羽等の損料の合計額の67%を諸経費として加算してありますので、御理解をお願いいたします。 次に、燃料費などの設定方法につきましては、除雪などの時間当たりの単価設定でも申し上げましたとおり、県建設部が毎年10月1日に示します積算基準及び標準歩掛かりや単価表により、毎年改定を行っております。本年度の単価は前年度と比較しますと、土木・一般世話役、運転手・助手の除雪等にかかわる人件費は下がり、燃料費は上昇しておりますが、除雪などの時間当たりの単価は、人件費の占める率が高いため、総額では下がっております。 除雪などの委託契約に関しましては、毎年、業者ごとに打ち合わせを綿密に行い、問題点や業者の意見を踏まえて契約しております。今後とも委託業者に過度の負担が生じないよう、他市町村の状況を把握してまいりたいと考えております。 ○議長(荒澤靖君) 再質問はありませんか。和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) 今の下がっているというのは、除雪の効率が上がったから時間当たりの単価が下がっているという意味でしょうか。時間当たりの単価は、去年とことしとを比べたら、高くなっているのか低くなっているのか教えてください。 ○議長(荒澤靖君) 建設課長。 ◎建設課長(西沢義文君) それでは、お答えいたします。 1時間当たりの単価につきましては、総額として昨年よりは下がっているということでございます。内容につきましては、先ほど部長が答弁させていただいたとおり、人件費が下がっているということです。除雪1時間単価の算定につきましては、人件費の率が非常に高いということで、軽油等の単価上昇はありますものの、人件費が下がっているということで、総額として昨年よりは下がっているということでございます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) 仕事として除雪というものをやるという考え方からすれば、今の県の積算でいくと、そうなってくるのかもしれませんけれども、しかし、歩道などのところを協力して除雪していただいたりとか、いろいろなそういう協力、半分ボランティアぐらいでもってやってもらった人たちも、私はかなり多いと思うんですね。そういう中で、人件費を下げるというようなことではなくて、最低限現状維持をしていっていただくような考え方を、ぜひ市は持っていただきたいと思いますが、いかがでしょう。 ○議長(荒澤靖君) 建設課長。 ◎建設課長(西沢義文君) 今、部長、私がお答えしましたことにつきましては、委託という形の中でお願いしているものでございます。これにつきましても、機械の貸与ですとかそういうふうなものがありましても、人件費は見ているということでもって御理解をいただきたいと思います。 また、市街地の部分の歩道等につきましては、これは自治会の役員さんと話すような中で、なかなかすべての歩道ということが不可能ですので、そういう部分については、協働という意味合いの中でもって、自治会長さんにお話に行く中でお願いしていることであって、これについて、費用等については見ておらない、全くのボランティアだというふうに感じておりますし、村部のほうへ行きましても、自分で、ある機械でもって、少し道をかいて広くしていただいているようなことも十分把握はしております。しかしながら、すべてボランティア的なものを平等に扱うということは、なかなか把握も大変ですので、その辺は全くのボランティアということで、協働という意味合いの中でも、今後も継続してやっていただけたらというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) 燃料費について伺いますが、軽油のことしの設計単価というのは幾らになっているのでしょう。それと物価スライドは、ことしも軽油の値段には適用されるのでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 建設課長。 ◎建設課長(西沢義文君) 軽油の値段につきましては、あくまでも県の建設部の10月1日付単価ということで、私どもがガソリンスタンドで入れている値段と変わりございません。昨年より1リットル当たり5円は上昇しております。 それとあと、単価のスライドという形でございますが、スライドという形ではなくて、先ほどからも部長答弁をしておりますけれども、10月1日付に県の建設部が示します積算基準、標準歩掛かり、単価によってやっておりますので、そういう形の中で御理解を、毎年改定をしているものでございます。よろしくお願いいたします。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) わかりました。 それでは、融雪について伺いたいと思います。 最近は冬季の温度が高くなり、大町市でも融雪を考えられる気候になってきたと思います。特に中心市街地は除雪が困難で、排雪作業もしょっちゅう行うわけにはいきません。駅前通りは、歩道と車道の境に雪が多く押し固められています。これは歩行者の皆様にとって、またバスを乗降される方にとって、大変歩くのに苦労をされている、また乗降するのに苦労されている姿を見かけます。また、本通りから横の狭い路地なども、排雪ができないために、歩行者は大変苦労して歩いておられるというようなことをよく見ます。無散水タイプの融雪帯、幅50センチほどでいいと思うんですけれども、歩行者の歩くところを確保するような融雪帯の施工というものは考えられないものかどうか、見解を聞かせてください。 ○議長(荒澤靖君) 建設水道部長。 ◎建設水道部長(木村隆一君) 市街地の融雪につきましての御質問にお答えします。 当市におきましては、宿命的な寒冷地であり、自然条件が大変厳しく、年に何回かは多量の降雪により、交通機関の混乱や路面凍結による交通事故の多発など、経済活動はもとより市民の日常生活にも影響が生じております。 こうした状況に対応するために、毎年わずかずつではありますが、除雪の距離を延長し、できる限り雪の影響の緩和を図ってまいりました。しかし、市街地におきましては、家屋などが道路に接して連なっておりますことから、通常の除雪は困難で、一部路線においては、凍結防止剤の散布や排雪の実施、流雪溝の利用などの方策を組み合わせて対策を講じてきているところでございます。 このため、交通量が多いにもかかわらず、迅速な対応が難しい場合や、近年は高齢化や空き家、共稼ぎの家庭の増加などによりまして、路面に雪が残っている箇所が多く見受けられ、市民の皆様には御不便をおかけしております。 御指摘のとおり、無散水融雪施設は除雪などの重労働を軽減する極めて有効な施設であります。しかしながら、この施設は建設コストが非常にかさむ上、現在さまざまな設備や工法が開発されてはおりますものの、耐久性などにいまだ課題も多く、ランニングコストも多額な費用を要しますことから、直ちに具体化を図るということは困難なものと考えております。 除排雪につきましては、市民生活や経済活動に支障がないよう、自治会などの関係者の皆様と協議を行い、今後も市民の皆様の御要望にできるだけおこたえできますよう対応を図ってまいります。 また、高齢化と人口減少が進む中で、雪による生活への影響を少なくするため、積もった雪をどうするかという発想にとどまらず、積もらないようにするにはどうするかという観点からも、雪対策の検討を進めなければならないものと考えております。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) 道路の車両の走る部分というのは、確かに融雪の配管が切れたりして漏水するというような故障が大分出ていますけれども、車のタイヤの行かない部分、負担のかからない部分においては、歩行者の歩く幅ぐらいの融雪帯というのは、今まで施工した例を私は見たことがありません。自分で考えてみたのですけれども、3メートル、4メートルというような非常に広い幅を施工するのであれば、物すごいお金がかかる。だけれども、50センチぐらいで少し工夫をすると、建設費も、施工する長さにもよりますが、そんなに経費はかからないのではないかというふうに考えました。試験施工でもいいから、ぜひ二、三十メートルでもいいので、計画を立ててやってみていただいて、皆さんに事業の評価をしていただくようなことはできないか、最後に市長にこれだけお尋ねしたいんですけれども。 ○議長(荒澤靖君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) なかなか悩ましい問題ではあります。先ほど部長からも、あるいは課長からもお答え申し上げましたように、やはり特に市街地、除雪が困難な場所等におきましては、何とか通常の除雪の方法によらない方法についても考えていきたいというのは、常々思っているところではございます。 そうした中で、最近はいわゆる地下水などを活用した散水型の融雪装置のほか、ロードヒーティングその他さまざまな融雪の技術も開発されてきているというふうに聞いております。そうしたものの中で、厳しい寒冷地であります大町市の環境に適合した、そうした手法が見つからないものか、今御提案いただきましたような現場でのモデル的な実証実験も含め、さまざまな手法を検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 和田俊彦議員。 ◆4番(和田俊彦君) そのことを強くお願いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(荒澤靖君) 以上で和田俊彦議員の質問は終了いたしました。 ここで、3時20分まで休憩といたします。 △休憩 午後3時02分 ----------- △再開 午後3時20分 ○議長(荒澤靖君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 ここでお諮りいたします。本日の議事日程が全部終了するまで、定刻にかかわらず会議時間を延長したいと思います。これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 御異議なしと認めます。よって、本日の議事日程が全部終了するまで本日の会議を延長することに決定いたしました。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第8位、二條孝夫議員の質問通告は2項目です。二條孝夫議員の質問を許します。二條孝夫議員。     〔3番(二條孝夫君)登壇〕 ◆3番(二條孝夫君) 政友クラブの二條孝夫です。本日最後の質問ですので、元気よく質問したいと思いますので、よろしくお願いします。 通告に従い、大きく分けて2つの質問をします。1つ目に、今年度の補正予算と来年度の予算について、2つ目に企業誘致戦略についてであります。 まず最初に、今年度の補正予算と来年度の予算についてです。 それでは、今年度の補正予算の見通しについて質問します。 代表質問の中でもたびたび取り上げられていましたが、今年度補正予算について、これからの質問の前提になりますので、重なるようですけれども、いま一度質問します。 本年度補正予算が、国において先月26日に可決され、総額5兆900億円に上る追加経済対策費が発表されました。子育て、医療、介護、福祉の強化と地域活性化、中小企業対策費が盛り込まれています。特に今回は雇用促進や地域支援が柱であります3,500億円に上る地域活性化交付金の創設があります。しかし、昨年度においては、地域活性化きめ細やかな交付金として、2月、5,000億円が地方に回され、大町市には1億8,900万円余が交付されています。明らかに今年度は昨年に比べて減額が予想されます。 そこで、質問します。今年度の国の補正予算の地方配分の見通しについてであります。大町市においては、その配分の見通しと金額、そして市においての使い道を改めてお聞きしたいと思います。 次に、来年度の予算配分の重点です。市長は12月定例会あいさつの中で、当市の新年度予算方針で財政指数の数値に示された財政状況を、全職員が的確に認識した上で、限られた財源を活力あふれる豊かな地域づくりに最大限生かすため、思い切った施策の見直しや経費の削減を図るとともに、歳入の確保に努め、事業評価に基づく行政改革を積極的にいくと言っております。市長の来年度予算は、財政再建を図るのか、それとも積極財政を進めていくのか、どちらに重きを置くのか、まずお聞きしたいと思います。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員の質問に対する答弁を求めます。総務部長。     〔総務部長(吉澤義雄君)登壇〕 ◎総務部長(吉澤義雄君) 私からは、国の補正予算の配分見通しとその使い道についてのお尋ねにお答えをいたします。 去る11月26日に、緊急総合経済対策として国の補正予算が成立し、地域活性化に向けた3,500億円に上る交付金が創設されましたが、議員御指摘のとおり、前年度の経済対策と比較いたしますと、規模的には小さいものとなっており、当市への交付額については、国の試算によりますと、1億円程度と見込まれております。 一昨年度末からの地域活性化に資するための各種交付金により、発注の端境期を解消すべく、事業の前倒し策を講じたことにより平準化が図られましたことや、財政的な誓約からやむを得ず先送りしておりました事業の着手が可能となり、さらにその効果として、一般財源の圧縮を図ることができました。 このような中での今補正予算における地域活性化交付金の創設は、いまだ回復していない当市の経済状況にかんがみ、非常に期待をしているところでございます。 交付金の充当事業につきましては、この交付金が地域の活性化ニーズに応じたきめ細かな交付金と住民生活に光を注ぐ交付金の2つに分かれており、いまだ交付要綱が示されていないことから、対象事業を確定することができません。しかし、昨年度の経済対策交付金を念頭に、具体的な事業の検討に着手をしております。交付要綱が示され次第、地域経済の活性化に資するよう、できるだけ早期に産業基盤整備等のハード事業や維持補修や地域活動の支援などのソフト事業について、バランスよく選定をしてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 新年度予算につきまして、財政再建と積極財政のどちらに重きをなすのかとのお尋ねにお答え申し上げます。 新年度の予算編成に当たりましては、市の財政状況を踏まえ、身の丈に合った予算編成が肝要であると、まず基本的な認識をいたしております。 当市の財政状況は、平成21年度決算における財政指標で、実質公債費比率につきましては一定の改善が図られましたものの、財政運営の弾力性を示します経常収支比率が91.1%となり、財政の硬直化が進んでいると判断せざるを得ない状況でございます。こうしたことから、経常経費の一層の削減に努めますとともに、大規模な事業の着手は慎重に判断することが必要と考えております。 新年度の予算編成方針では、市の財政指標の数値に示された財政状況を全職員が的確に認識した上で、まちづくりに対する政策理念を踏まえ、市長2期目の公約の実現を図るとともに、行財政改革を積極的に推進し、経費の節減に努め、限られた財源を活力あふれる豊かな地域づくりに最大限に生かすため、組織が一丸となって取り組むよう指示したところございます。こうしたことから、新年度予算では、財政再建か積極財政かとの観点で、いずれか一方に特化するのではなく、健全財政の体質を引き続き堅持しつつ、将来あるべき市の姿を見据えた上で、必要と判断される施策には、財源の確保を念頭に置いて、積極的に対応してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 再質問はありませんか。二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 昨年度の決算カードを見ますと、投資的経費が2倍にふえたと。また、緊急経済対策により、国からの交付税措置が増額されるなどして、これも今回の予想、今1億円と言っておりましたけれども、2倍近い緊急経済対策費が使われています。施策の中身ついては、昨年やったとおり、やはり検証していかなければならないと、そんなふうに思います。そのことによって、今回の地域活性化交付金の使い道が出てくると思います。昨年はどんな部門でどのくらい使われたのか、そしてその結果はどうであったのかお聞きしたいと思います。次年度の予算を助けるための前倒し予算はどのくらい使ったのかと、そういう部分もお聞きしたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 昨年度の緊急経済対策の効果と前倒し事業についてのお尋ねにお答えをいたします。 一昨年、平成20年度より継続的に実施しております地域活性化交付金による緊急経済対策事業でございます。平成21年度の決算額でございますが、経済対策としての決算額は、7億3,000万円ほどになっております。このほかケーブルテレビ事業等を含めた20億7,700万円ほどは、平成22年度、今年度に繰り越しをされているということでございます。 平成21年度の決算額7億3,000万円余の内訳でございますが、安全・安心なまちづくりというテーマで言いますと1億9、200万円余が使われております。具体的な事業を申し上げますと、市内の遊具のリニューアルの事業に充当したもの、あるいは新型インフルエンザ対策に充当したもの、あるいは旧社会会館の跡地整備というものに充当した事業などが、この1億9,000万円ほどの中に入っているところでございます。また、活力あふれる豊かなまちづくりというテーマで充当した事業につきましては、5,300万円余がございます。一つこの例をとりますと、プレミアムつき商品券の発行への助成というものが、この事業に充当させていただいたというものでございます。それから、道路改良・舗装工事等々、建設事業でございますが、快適な生活基盤のあるまちづくりということでは、2億9,000万円余が充てられております。またこのほかに、環境プラントの修繕等、環境負荷の少ないまちづくりとして1億4,000万円余、それから病院事業への医療機器の更新に対する拠出金が5,100万円余となっているところでございます。 市内への経済効果でございますけれども、市内への経済効果を重視し、なるべく産業基盤の充実、あるいは支援、それから市内業者の受注が可能となるかなどを考慮し、さまざまな業種にわたり配分できたのではないかというふうに考えているところでございます。 また、これらの事業のうち平成22年度以降に計画した事業の前倒しに当たるものはどのぐらいかという御質問でございますが、4億1,300万円余でございます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 今、前倒しが4億円という説明を受けました。7億3,000万円が緊急経済対策費ということで、そのうちの4億円を前倒しに使ったということですが、前倒しということになりますと、財政的に少し楽になるかというふうに思いますが、ただ、前倒しだけでは何ら新しい施策に反映されないと思うんですね。確かに臨時交付金では、子どもの医療費無料化など継続的なお金をかけることはできません。どうしても単発的なものにならざるを得ないとは思います。当然、社会資本の整備などが挙げられると思います。 大町市も、さまざまな事業の前倒しによって、次年度の市が持つ財源の節約を今まで図ってきました。まさにこれは国頼みであります。今回、使用も限られているところだと思いますけれども、施策のどこに重点を置くのでしょうか。昨年はその一部でありますけれども、テーマとしては、観光振興のための基盤整備、教育環境の整備、身近な市民生活の要望にこたえるためというようなテーマがございましたけれども、その重点というか、テーマというか、その部分を出していただければと思います。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 現在、庁内内部で補正予算について検討させていただいておりますけれども、今回の国の補正予算が円高デフレ対策としての経済対策というような趣旨でございまして、国の経済対策に沿った事業を選択してほしいというのが、国のほうの考え方でございます。ですので、そういうことからいたしますと、当地域の産業基盤、あるいは産業界への支援、そういうようなものが、一つ使途として考えなければならないことかというふうにも思います。また、市長からは、市民の安全・安心ということについても検討せよという指示もいただいているところでございますので、そういうような観点で事業を選択させていただきたいというふうに考えております。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 今年度の補正予算を次年度の予算に前倒しをすることは、確かに大事なことだと思いますが、これは国の方針でいろいろと要望が、確かに使い道があろうかと思いますけれども、やはり緊急対策ということであれば、さっき言いましたけれども、地域の企業を助けるために何らかの形で使っていただきたい、そういうような思いがありますが、やはり私は前倒しだけではなくて、人口対策というか、そんなようなテーマに絞ったものに使ったらいいかなと、そんなふうに思っているんです。例えば医師住宅の充実、これは人口対策というものにかかわってきますけれども、医師住宅を充実して何とかお医者さんを呼べるようにしたい。これは間接的には大町市のための定住対策になるのではないか。それとかIターン、Uターンなど大町市に来てくれる人たちのための家の改築補助に使うとか、格安の市営住宅等に使うとか、そんなような予算に使ったらどうかなというふうに思いますけれども、そこら辺はどうでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 議員から御提案をいただきました。先ほども申し上げましたが、国の補正予算、国が決める補正予算の目的というものがございますことが一つあります。それからもう一つは、市内の経済対策として補正を組むということであれば、早期に実行可能な事業であるということの観点も、一つ考えなければいけないということもあります。それからまた、市内業者というものも考えなければいけないということもございます。 なお、議員御指摘の定住対策というところでございますが、直接的な事業かどうかというのは、なかなか困難かとも考えますが、事業効果として定住対策につながるような事業の検討もさせていただきたいと考えております。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) ぜひそこら辺を緊急経済対策ということで、とらの子の1億円ということであります。今回補正に出るということでありますけれども、期待をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、今回、平成21年度決算の健全化判断比率のうち、実質公債費比率が19%と。県内では19市のうち最下位になると言っておりますけれども、確かに財政再建はとても大事だと思います。しかし一方で、連結ベースでの将来負担する借金が、自治体の1年の収入に比べてどのくらい多いかを示す将来負担比率が99.8%ということで、これはもう決していい数字ではありませんけれども、県内においては19市中9番目という中位ぐらいにあります。財政調整基金も18億円もの積み増しをしているということであります。やみくもに何にでも使っていいというものではありませんけれども、やはり積極財政というか、そういった方向に充当をしていっていただきたいな、そんなふうに思いますけれども、市長あいさつの中でも、思い切った施策の見直しを掲げています。まずそのことを頭に入れながら、前段でまず質問したいと思います。 今、大町市は学童医療費の無料化や子宮頸がんワクチンの補助など、他市に比べると劣る点が多いと言われています。いつの間にか隣町同士の熾烈な競争になり、ただでさえ財政が苦しい中で、この競争に勝っていくことは至難のわざであります。本来国がやることを地方に競争させておくことは、私は非常に理不尽に感じますけれども、まず市長の見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 本来国がやるべきことを地方間の競争にゆだねるようで、理不尽ではないかという御指摘でございます。乳幼児等に対します医療費の給付制度では、既に県内の各自治体間で相当の格差が生じており、当市でも小学校3年生までの入院及び外来治療を対象とするように制度改正をいたしておりますが、他の自治体ではさらに先行して、小学校、あるいは中学校の卒業までを対象としているような事例が出てきております。均衡が図られているという状態にはないわけでございます。 そうした中で、県が独自に定めております県の助成制度を見てみますと、これら市町村における一般的な水準より、さらに対象年齢が低く設定されておりまして、入院医療に対する基準は大町市と同じ小学3年生までですけれども、実際に利用が多く見込まれる外来医療につきましては、小学校就学前までにとどまっているところでございます。国では、乳幼児医療の個人負担割合を通常よりも低い2割と定めておりますことから、乳幼児医療等については充足しているという考え方を持っているわけでございます。 また、子宮頸がん予防ワクチン接種の公的な助成につきましても、国の制度が明文化されていないために、一部の自治体では独自の助成制度により実施されておりますが、大町市では制度として確立していない現状があります。現時点での情報によりますと、このワクチンの接種につきましては、国と自治体双方の負担によりまして、全国的な接種を行う準備が進められているというふうに聞いております。 このように多くの自治体が、その有効性を認めております、本来であれば国が国の政策として全国一律な基準のもと進めていかなければならない施策が、各自治体独自の財源によって取り組みが強いられるというのは、非常に理不尽と言えば、理不尽なものと考えるところでございます。このような各地方公共団体の財政状況によって、財源があるかないかによって住民サービスに不均衡が生じるというような分野は、やはりまずいわけでございます。 そうしたことから、御質問に答える形で申し上げますと、自治体間で不均衡のあるこうした制度については、国が責任を持って統一的な基準のもと、全国一律のサービスを提供すべきものと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 私も市長の言うとおりだと思うんですね。どうしても地域間で競争になってしまって、地域の財政がどんどん圧迫されていくという、こういうことになりますと、本当に地域は一体何なんだというすごい憤りというか、そんなふうに思います。ただ、そうはいっても、市民生活をしている部分があります。そこら辺はしっかりと確保していかなければいけないというような感じはしておりますけれども、逆に大町市で、この制度は他の市町村に比べてすぐれているというところがあれば、挙げてほしいと思うんですが、そこら辺どうですか。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 他の市と比べてすぐれている制度はということでございます。余り言いにくい部分もございますけれども、お答えをさせていただきたいと思います。 当市で、他の市と比較をしまして、平均的な水準以上に積極的に住民サービスとして実施している制度についてでございますが、一例を申し上げますと、障害をお持ちの方を対象として医療費の助成を行っております。支給要件として、所得制限を設けてはいないこと、それから障害の程度が1級から3級までとしているところと比較しますと、大町市は市単独で4級まで対象を広げているということがございます。また、次世代を担う児童の確保ということ、それから出産を奨励し、祝福するというような考え方の中で、第一子、第二子にはそれぞれ5万円、第三子以降には10万円を支給するというような出産祝い金制度もやっているところでございます。また、要介護3以上の認定者を在宅で介護をする方を対象として、年額で10万円を支給する介護者慰労金制度というようなものもございます。また、障害者の補装具について、購入費用や修理費用を助成する制度や、医療や福祉、子育て支援における各種助成制度につきましては、特に充実しているものと考えております。またそのほかでも、市民参加と協働のまちづくりということで、まちづくり、地域づくりを進めるために、きらり輝く協働のまちづくり事業の助成でございます。そういうようなものも、額的には非常にトップクラスの助成を行っているというふうに考えております。また、過疎地域へのI・Uターン者に対する支援制度などにつきましても、特徴的な事業であるかというふうに考えております。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 今、5点、6点いいところを挙げていただきました。これは私もずっと聞いていたんですけれども、本当にいい制度なんですね。でも、実はこのことが、やはり市民だとかほかの人たちに行き渡っていないと思うんですね。せっかくこういういい制度があるのに、どうしたって子どもの医療費のほうがどんどん先行していって、こういういい部分が市民に知られていない。どこか宣伝方法というか、何かいいような方法はないですか。ホームページでどんと最初に載せて、こんなに大町市はいいところがあるんだよという、そんなようなところも、ぜひ宣伝方法として考えていっていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) これらの制度につきまして、比較的限定された方を対象とした制度となっております。また、そういう方々への周知につきましては、それぞれの担当窓口において、漏れのないように対応させていただいているというところが現実でございます。 なお、議員御指摘のとおり、こうした支援制度、サービスの向上についての市民、あるいはおいでになる皆さんへの周知について、これがある意味、当市のブランド化というようなことにもつながるかとも考えます。大変重要であるというふうにも考えますので、一層広報やホームページ等を通じて、積極的に情報の提供に努めてまいりたいというふうに考えます。
    ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 私がどうしてこんなことを先に聞くかというと、市民もどうしても耳ざわりのいいことを他の市町村と比べがちなんですね。このままでいくと、地域間競争の中に埋没してしまい、ひいては財政が逼迫してしまいます。隣町の施設に一喜一憂していれば、政策、また投資上、予算のバランスがすごく崩れてしまう可能性があるからです。そこで、大町市の政策の中で、この部分が他市よりもすぐれているというものを、もっと表に出していけば、市民の間でも少しは安心感が広がり、少しでも競争が落ちついてくるのかな、そんなふうに思います。予算配分上、すべてに軸足を置いた予算を組まなければいけないのは事実ですけれども、一方で建設・土木の工事の著しい減少によって疲弊している町の経済もありますし、市民のニーズも今後さまざまであります。 それでは、市長はどこにバランスの中心を今後据えていくかを、いま一度お聞きしたいと思います。と同時に、施策の思い切った見直しについて、市長あいさつでも言っておられましたけれども、この施策の思い切った見直しというのは、どんなところでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員からは、市の特色を前面に出していくために、思い切った見直しを含め、バランスの中心をどこに据えていくのか、明確にすべきという御提案をいただいているわけでございます。 御指摘のとおり、すべての政策分野において、市政の遂行に支障が生じることのないようバランスをとりつつも、しかし市の色といいますか、市の特色をやはり出していくことが、予算編成においても重要かというふうに考えております。市の色といいますか、しっかり中心点を置くということにつきましては、市長の公約、さきの選挙におきまして4つの公約を掲げておりますが、この4つの公約を重点分野として、特に力を入れてまいりたいと考えております。現在掲げておりますさまざまな課題、非常に大きな課題が、この4つの重点施策に集約されているわけでございまして、これから例えば審議会にお諮りして実施していくべきもの、あるいは計画をきちんと策定した上で進めていくべきもの、またそうした、やはり特に補正予算との絡みで言えば、唐突に財源が生まれていき、緊急に対応していかなければならないものと違いまして、当初予算におきましては、軸足をきちんと置いた政策づくりを、これからしてまいりたいと考えているところでございます。 いずれにしても、唐突な方向転換というのは、やはり難しいわけでございますが、日々刻々変わっております社会・経済状況を背景としまして、その時点その時点で時期を逸することのないよう最良な方法を検討し、そして対応すべき懸案につきましては、迅速に対応してまいりたいと考えております。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 私は、特にコンクリートか人かと今よく言われますけれども、私はコンクリートも大事だと思いますし、人も大事だと思っています。市民要望が多角化する中で、やはりこれずっと私、くどいように言っているようですけれども、一つのコンセプトを持った財政運営が、やはり今求められていると思うんですね。私はそれは定住対策だというふうに思っています。予算配分するためにも、いつもこのコンセプトに戻りながら考えていくということが大事だと思います。 先ほど私、言いましたけれども、大町市は施策上、他の市町村に比べ必ずいいところがあります。そこのところを情報発信していくことが大事です。市長にとって平成23年度予算編成で、このコンセプトに当たるものは何なのか、くどいようでありますけれども、もう一回聞きたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(荒澤靖君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) まず、議員御指摘の人かコンクリートかという先ほどの御質問にもかかわるわけですが、二者択一というのは、なかなか難しい議論ではないかと思います。人の命を救うコンクリートもあるわけでございます。そうした中で、議員御指摘のように予算編成の中で新年度はやはりコンセプトをしっかり据えていくべきで、このコンセプトに当たるものは何かということでございます。 私は、これまで市民参加と協働の地域づくり、地域の再生を政策の基本に掲げ、その仕組みづくりや市民の皆様への呼びかけにこの4年間を費やしてきたわけでございます。その中で、それら今までの第4次総合計画に掲げました6本の政策の柱で申しますと、それぞれの柱が、それぞれの分野ごとに実現するよう取り組んでまいりました。 議員、今具体的に御指摘のありました定住対策ということにつきましては、6つの政策の柱に掲げております課題の一つ、働く場の確保という中で位置づけをしておりまして、企業誘致の推進、あるいは地域資源を軸とした観光の振興、また空き家バンク事業などの推進により、今までも積極的に取り組んでまいりました。2期目の公約の中にも、働く場の確保を最重要の柱の一つに位置づけておりますけれども、あわせまして大町病院の再生、あるいは松本糸魚川連絡道路の早期の着工、そして4つ目の課題としては、行財政改革と財政の健全化、この4つを課題として、重要施策としているところでございます。この4つの課題が、新年度予算のいわばコンセプト、目玉といいますか、コンセプトと言えるのではないかと考えております。そしてまた、芽生えてまいりました市民参加と協働のまちづくりの流れを、より大きな流れにしていくということを考えており、財政の健全化を絶えず念頭に置きつつ、実施計画に搭載されました事業をこの軸で整理しながら、着実に、そして計画的に推進できますよう、新年度予算の中にきちんと措置をしてまいりたいと考えております。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 今、コンセプトの話をしていただきました。このコンセプトというか、重点というのは非常に大事だと思うんですね。というのは、これから一括交付金という話が出てきます。いよいよ来年は都道府県、再来年は市町村というようなことを、私も漏れ伺っております。そんなときにこの一括交付金というのは、どうも聞いたところは非常にいい感じがするんですけれども、コンセプトをしっかり決めていかなければいけない。何に重点を置くかを決めていかなければいけないという部分で、行政にとっては、とても何か使い勝手が悪いのかなという感じがしますが、ちょっとこの一括交付金のことについてお聞きしたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(宮坂佳宏君) 一括交付金についての市の考えのお尋ねでございます。 現在、現行の国庫補助制度は、自治体が行う事業の実施年度、それぞれの年度において、その事業規模に応じて交付をされる仕組みになっております。逆を言えば、必要なときに必要な財源が確保できるというメリットがございます。この国庫補助金が一括交付金化されますと、補助対象となる事業がある年、ない年においても交付金が交付されるという一方、逆に大きな事業で必要な年に必要な財源が確保できないというようなことも、心配をするところでございます。特に大規模なプロジェクトになりますと、その影響は顕著になるものと推測をしております。このため、今まで以上に財政運営を高度化し、将来のプロジェクトを見据えた基金管理や予算編成の手腕が求められることとなります。 また、別の面で言いますと、一括交付金化されることに伴って、国庫負担の総額が国の財政当局が調整しやすくなる、そういうようなことから、国の財政事情によって、全体の交付額が容易に削減されるというようなことも懸念をするところでございまして、今後の動向に注目しなければならないと考えているところでございます。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 1回目の質問の私のまとめをしたいと思いますけれども、市長にまたお聞きになっていただければと思いますが、まず積極財政ということを最初に質問しました。私は消極財政というのがどんなものかと思いますと、バランスという名のもとに予算を配分することにより、どれもこれもが中途半端になってしまいことをいうと思うんです。それと今までの予算配分の習慣から抜けられないということだと思います。つまり思い切った経費の削減が図れないということは、やはりこれは消極財政だというふうに私は思っています。 では、積極財政とは何か。限られた財源をどう市民益につなげるかということです。市民益が多様化している中で、市民にどこを我慢していただき、どこに重点を置いていくか、そこのところをしっかり決めることだと、そんなふうに私は思っています。重点を置いた事業に対しては、財源のことが一番問題でありますけれども、今ある財源の活用ということで、将来にためにためている基金の活用、合併特例債の効率的な活用、そして国・県の補助金の活用だと思いますし、経費の削減については、事業仕分けによる市の事業の見直しと他団体への補助金、負担金の見直し、同僚議員がこれを言っておりましたけれども、やはり行政事務を能率的に扱うための業務仕分けという部分が大きいと思います。市長がどの部分で思い切った経費の削減ができるかと。その部分が、財政をつくるための慣例を超えてやっていっていただきたいというふうに私は要望しておきます。 次は、2番目の質問です。企業誘致戦略室について。 企業誘致戦略室は、市長の掲げる最重要課題である雇用の創出に重点を置いた組織であります。企業誘致戦略室の内容を見ますと、大町市産業立地推進体制の概要の中で、産業立地戦略本部があって、その指示を受けながら企業誘致推進プロジェクトチームがあり、その他に、仮称ではありますけれども、地域産業活性化協議会がある。この3つの組織が、産業立地戦略室施策推進機関と連携をとりながら、誘致企業と相談をしていくというものです。 私、この4団体のかかわり、仕事の内容、とてもわかりにくいと思うんですが、一体それはどんな内容を持っているのか聞きたいと思います。 それと、企業誘致戦略と観光・教育のかかわりについてです。 私は、企業誘致戦略と言うのであれば、雇用の拡大のためにさまざまな方法を考えるところだと思います。また交流人口の拡大や観光や農業、他の産業と融合した戦略も同時に考えていったほうがいいと思いますが、観光等の戦略とこの組織というものは別物なんでしょうか。 また、私は今回この戦略本部に教育長が入っていることに注目しています。このことは私は評価しているところであります。教育とまちづくりと今まで同時に議論されるということはありませんでした。私はかねがね大町市は頭脳都市再生として教育特区を申請し、小・中一貫校の設置等で教育に特徴を出して、子どもたちを他の地域から集め、同時に雇用の場を確保するということが大事だということを言ってまいりました。この企業誘致戦略室の中で、そのようなことを話す場はないのでしょうか。もしそれがないとすれば、教育長はどんな立場で入っているのでしょうか。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 答弁を求めます。産業観光部長。     〔産業観光部長(降籏和幸君)登壇〕 ◎産業観光部長(降籏和幸君) 企業誘致戦略に関する御質問にお答えをいたします。 まず、産業立地戦略本部、産業立地戦略室等の仕事の内容がわかりにくいが、それぞれどのような役割を持っているかとのお尋ねにお答えをいたします。 産業立地戦略本部は、市長を本部長とし、関係する理事者、部・課長で構成する組織で、産業立地に関する戦略的な推進方策を決定する機関であります。決定された戦略に基づき、主体的に企業誘致活動に当たる事務組織が産業立地戦略室であります。企業誘致推進プロジェクトチームは、戦略室長をリーダーとし、関係する部・課の係長等で横断的に構成する組織で、企業誘致に向けた施策の調整や、企業から立地方針が示された場合の具体的な事務の調整を行います。 効果的な企業誘致は、行政だけでは進めることができないため、以上の行政内部の組織のほか外部の機関・団体に参加いただき、広く情報を収集、共有化して、企業誘致を推進するための組織として、仮称ではありますが、地域産業活性化協議会を設置することとしております。構成メンバーは、市・県商工会議所、経済団体、金融機関、大学等を予定しているところでございます。 次に、企業誘致戦略は、観光や農業など他の産業との融合も同時に考えたほうがよいと思うが、観光との戦略とは別物なのかとのお尋ねにお答えをいたします。 大町市企業誘致戦略では、企業誘致に当たり、当市の特性を詳細に分析し、経済動向を的確に把握しながら行うこととしております。当市の特性としては、北アルプスの雄大な景観、豊富な水資源などが挙げられます。現在これらの地域資源を商品や企業そのもののブランド戦略に生かせる企業を中心に誘致を図ることを考えておりますが、企業を訪問する際は、当地域の観光人口や気象条件、農産物などを紹介し、観光業や農業と一体となった事業展開も可能であることを提案しております。 また、企業誘致という場合、一般的に工場を誘致するイメージが強いと思われますが、その観念にとらわれず、例えば園芸産業なども調査をかけ、訪問につなげております。 観光戦略とは、この地域にいかに観光客を呼び込むかという視点で計画されているものと考えます。その点、企業誘致戦略とは異なっておりますが、産業の振興、雇用の確保という面では、両者は密接に結びついておりますので、産業立地戦略本部等におきましても、十分調整を進めてまいります。 また、産業立地戦略本部は、教育特区の申請や小・中一貫校の設置等について論じる場ではないのか、教育長はどのような立場で本部員として入っているかとのお尋ねでございます。 教育長が本部員に就任しておりますのは、全庁を挙げて産業立地に関する情報を収集し、共有化を図るためであります。市町村が行う教育に関する事務につきましては、地方自治法に基づき教育委員会が所管していることから、小・中一貫校の設置等については、産業立地戦略本部で直接論議する性格のものではございませんが、御指摘の点も側面的な要素として考えながら会議に臨んでほしいと考えております。教育長は教育関係や文化・スポーツ面を所管しており、さまざまな情報が入ってまいります。さらに担当部長も経験しておりますので、総合的な見地から産業立地に関する意見をいただけるものと期待をしております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 今、説明を受けました。では、私、3点聞きます。 では、その中の一番中心になる実働部隊は、どこの組織なのか。そしてその実働部隊のリーダーは一体だれなのか、その部分をちょっと聞きたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 産業立地戦略室長。 ◎産業立地戦略室長(小林敏文君) 実働部隊につきましては、私のほうからお答えさせていただきます。 実働部隊につきましては、産業立地戦略室であり、そのリーダーは室長でございます。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 室長というと、この中でだれですか、教えていただきたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 産業立地戦略室長。 ◎産業立地戦略室長(小林敏文君) 私でございます。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 明快に小林課長だというふうに言っておられました。 私はリーダーというのは、やはり今回もう本当に大事な役目を担わなければいけないと、そういうふうに思っているんですね。たまたま私が会派で萩市に行ってきたとき、萩市の中に萩まちじゅう博物館推進課というのが具体的にありまして、その課長が6年務めているわけです。その課長は、まちじゅう博物館のNPOまで立ち上げて、一からずっとかかっているということで、とても長い期間、その部分で携わっているのです。 ですから、やはりリーダーになるという人は、やはりそれなりの覚悟がないとできないのかなと、そんなふうに思います。 それで、私、課長がなると言っておりましたけれども、課長も部長も大変忙しいと思うんですね。これは片手間でできる仕事ではないと思うんです。部長も課長もほかのいろいろなことを考えなければいけないという部分にあっては、やはりこれは特化した人材をつくるということが私は大事だと思うんです。やはり萩市のようにその道のプロをつくると。もう本当に東京へ1年間行きっ放しのような、そんなプロをつくると。そういう部分では、公募、それとか彼なら彼女ならいいぞという、そういう人材を庁内から募って、その人にやっていただくというような方策がいいと思うんです。今こそこのリーダーシップが問われるところだと思うんですけれども、そこら辺の考えはどうでしょうか。 ○議長(荒澤靖君) 産業立地戦略室長。 ◎産業立地戦略室長(小林敏文君) 実働部隊のリーダーについての御質問にお答えさせていただきます。自分の身に係ることですので、非常にお答えしにくいところがございますが、御容赦いただきたいと思います。 この組織、確かにリーダーである私の素質というよりも、チームとしてどのように仕事をこなしていくかというふうに考えてございます。企業誘致、あるいは産業立地につきましては、リーダーにかかわらず、例えば経営戦略や設備投資という、企業にとっても重要な情報をやりとりするには、英知とか熟練が必要だと考えてございます。そのためでもありますが、昨年度、長野県の東京事務所に職員1名を派遣して、研修を済ませてまいりまして、今回の戦略室のメンバーにも入っております。今後もこのような機会をとらえながら、より高度な研修を重ねた人材をチームの中に集めて、この事業を進めていきたいと思っております。 以上です。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 本当にリーダーという部分が、私、とても大事だと思うんですね。 その中で、最後の質問をしたいと思います。教育長に聞きたいと思いますが、先ほど部長が、教育長も中に入って、多角的な面でいろいろなアドバイスをするというふうに言っておりましたけれども、私は今回、教育長は学校の先生という部分から上がってきているわけではなくて、いろいろな部分で体験をしながら、教育長という職を務めていると思うんです。それで、教育のまちづくりというか、例えば予備校だっていいんですね、誘致するという部分ではいいと思うんですけれども、そういった部分で、やはり教育長が中に入っているというのは、すごくやはり今回は重いと思うんですね。そういう部分で、教育長はこの戦略室の中でどんな役割を果たしていくのか、そういった部分をお聞きしたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 教育長。 ◎教育長(荒井今朝一君) どれほどのことが私にできるかよくわかりませんけれども、1つは私自身が担当している教育の場として、市の将来を担う人材の育成ということがベースにあるわけでございます。そうした将来を担ってくれる子どもたちに、どうやってキャリア教育をしたり、あるいは物づくり等になじんでもらったり、そして、まずもって大町市に対する郷土愛というものを、どういうふうにはぐくんでいくかということが、まず一つとしてあると思います。 それからもう一つとして、企業誘致というのは、製造業だけではなくて、いろいろなさまざまなベンチャーや企業があると思います。やはり広く文化や芸術関係、あるいは教育や研究施設等、そうしたいろいろな広い意味での企業誘致ということが求められているのではないかと。そんな意味で情報収集の一端を担えればと、そんなことを思っております。 それから、大変ささやかですが、かつて企業誘致等を担当する部署の部長という職も務めさせていただきましたので、そうした経験を踏まえた意見等を参考にしていただければと。そして、やはり他の議員さんのお話にもありましたが、大町市はやはり水と、それから流通のまちで発展してきたという認識を持っておりまして、本当にささやかですが、そうした意味で、自分なりに研究というか、大変こんなおこがましいことを言ってはいけないんですけれども、そういうことも本当に少しですが、しているつもりであります。そうした見地から、広い意味でまちづくりというような点に立って、何らかの意見を言わせていただければと、そんなふうな気持ちでおります。 以上であります。 ○議長(荒澤靖君) 二條孝夫議員。 ◆3番(二條孝夫君) 教育長に期待するところであります。また、室長、リーダーにも期待するところであります。 最後になりますけれども、私は羽田行きのモノレールに乗っていました。そこにつりチラシがありまして、そのつりチラシが企業誘致のためのつりチラシなんですね。それは九州のある都市なんですけれども、本当に1億円で売り出します、8年間電気代は半値、または無料にします、県の補助金は10億円あります、市の補助金は1億円あります、ぜひ私たちのまちに企業を誘致してくださいという、こういう大きなつりチラシが出ておりました。私は情報発信とたまたまずっと言っておりますけれども、そのことはうんと大事なことですね。今回の企業戦略のホームページを見させていただきました。これでいいのかなと正直思いました。東洋紡の跡地があります、ほかにも跡地があります、企業はぜひここへ来てください、大町市はこういうところです、こういうホームページでありました。これからのことでありますから、なかなか工夫があろうかと思いますけれども、そのつりチラシと市の企業戦略のホームページを見たとき、余りにも落差があり過ぎたものですから、やはり工夫だとか情報発信だとか、そういう部分が実に大切だなという部分だと思いますので、ぜひ戦略室の中では、そういった部分も本当にお客様というか、人の視点に立った戦略というか、情報発信というか、そういうものをしていただきたいなと思いながら質問を終わりたいと思います。 ○議長(荒澤靖君) 以上で二條孝夫議員の質問は終了いたしました。 以上をもちまして、本日の日程はすべて終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。御苦労さまでした。 △散会 午後4時11分...