大町市議会 > 2016-03-01 >
03月01日-03号

  • "西澤潤一郎"(/)
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  1. 大町市議会 2016-03-01
    03月01日-03号


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    平成28年  3月 定例会          平成28年 大町市議会3月定例会会議録(第3号)                平成28年3月1日(火)---------------------------------------          平成28年大町市議会3月定例会               議事日程(第3号)                     平成28年3月1日 午前10時 開議日程第1 市政に対する一般質問順位議席氏名18勝野富男210高橋 正316中牧盛登412平林英市54大和幸久67堀 堅一---------------------------------------              会議出席者名簿◯出席議員(16名)     1番  降旗達也君        2番  佐藤浩樹君     3番  栗林 学君        4番  大和幸久君     5番  神社正幸君        6番  太田昭司君     7番  堀 堅一君        8番  勝野富男君     9番  岡 秀子君       10番  高橋 正君    11番  松島吉子君       12番  平林英市君    13番  二條孝夫君       14番  小林治男君    15番  大厩富義君       16番  中牧盛登君◯欠席議員(なし)◯説明のために出席した者 市長         牛越 徹君    副市長        吉澤義雄君 教育長        荒井今朝一君   監査委員       山下好隆君 病院事業管理者    井上善博君    総務部長       勝野 稔君 民生部長福祉事務所長 鳥屋寿和君    産業観光部長     小林敏文君 建設水道部長     降籏 孝君    会計管理者      丸山純生君 教育次長体育課長   縣 和彦君    病院事務長      田中秀司君 庶務課長選挙管理委員会書記長      企画財政課長     市河千春君            勝野礼二君 税務課長       西澤潤一郎君   消防防災課長     飯沢義昭君 情報交通課長     大厩市郎君    八坂支所長      大日方 隆君 美麻支所長      細井 忠君    市民課長       竹村静哉君 生活環境課長     村山 司君    福祉課長       塚田 茂君 子育て支援課長    中島喜一君    商工労政課長産業立地戦略室長                                矢口隆男君 観光課長       西澤美千夫君   農林水産課長     竹本明信君 建設課長       川上 武君    上下水道課長     傘木徳実君 会計課長       清水一弘君    学校教育課長     勝野太彦君 生涯学習課長     竹内紀雄君    山岳博物館長     鳥羽章人君 病院経営企画室長   勝野健一君    病院庶務課長     北沢一人君 病院医事課長     島田愛子君    農業委員会事務局長  降旗邦彦君◯事務局職員出席者 事務局長       宮脇哲子君    事務局次長      川上晴夫君 書記         勝山直人君    書記         窪田幸弘君---------------------------------------                本日の会議に付した事件              議事日程(第3号)記載のとおり---------------------------------------              平成28年 大町市議会3月定例会           市政に対する一般質問通告並びに質問要旨、順位順位議席番号 氏名 質問形式質問項目質問要旨ページ18番 勝野富男 [一問一答]1.市長の政治姿勢と平成28年度予算案について(1)新年度予算案において市長が心を砕いた要素は何か (2)今後の健全財政堅持にどう取り組むか (3)市立大町総合病院について (4)農業が生き延びる道をどう捉えているか (5)北アルプス国際芸術祭について130 ~ 1432.山岳観光について(1)高瀬渓谷一帯をどう捉えているか210番 高橋 正 [一問一答]1.「食とアートの廻廊」について(1)事業の成果の見込みと検証について (2)食について (3)地域の文化芸術とのかかわりについて143 ~ 1582.農業について(1)予算について (2)農業の支援策について (3)猿害対策について316番 中牧盛登
    [一問一答]1.芸術文化振興事業について(1)北アルプス国際芸術祭~信濃大町 食とアートの廻廊~について158 ~ 181412番 平林英市 [一問一答]1.国際芸術祭について(1)市民の意見について (2)事業内容の詳細について (3)予算について181 ~ 20154番 大和幸久 [一問一答]1.国際芸術祭と大町の創生について(1)国際芸術祭 食とアートの廻廊事業の問題点について (2)大町の創生について201 ~ 21567番 堀 堅一 [一問一答]1.北アルプス国際芸術祭について(1)食とアートの廻廊について215 ~ 222 △開議 午前10時00分 ○議長(二條孝夫君) おはようございます。ただいまから3月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は16名全員であります。よって定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 理事者、部課長等の欠席、遅参等については、総務部長の報告を求めます。総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) 報告いたします。市長、副市長、教育長、監査委員、病院事業管理者及び所定の部課長は出席しております。 以上です。 △日程第1 市政に対する一般質問 ○議長(二條孝夫君) これより日程第1 市政に対する一般質問を行います。 質問通告者は12名であります。よって、本日は議事日程記載のとおり6名、あす6名の予定で質問を行いたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。 これより質問に入ります。 質問順位第1位、勝野富男議員の質問通告は2項目です。勝野富男議員の質問を許します。勝野富男議員。     〔8番(勝野富男君)登壇〕 ◆8番(勝野富男君) おはようございます。政友クラブの勝野富男でございます。 間もなく未曽有の東日本大震災から満5年を迎えようとしています。今なお8万人もの方々が仮設住宅で暮らしています。インフラ整備は進みましたが、まちづくりはまだまだおくれております。先日、所得税の確定申告した折、震災復興特別所得税もあわせて徴収されているのを見まして、改めて東日本大震災を思い起こした次第であります。一日も早い震災完全復興と廃炉は30年後になりますが、原発事故の収束がされるよう心から願ってやみません。 それでは、通告に従い2つの質問をいたします。1つ目は、市長の政治姿勢と平成28年度予算案について、2つ目に山岳観光についてであります。 まず最初に、1つ目の市長の政治姿勢と平成28年度予算案について質問をいたします。 世の中の景気は、大都市や大企業に富が集中して、その分配が地方や中小企業にまだ回ってきておりません。アベノミクスの3本の矢による成長戦略が目詰まりを起こして、デフレ脱却が足踏みをしている状況であります。そこへ来て、中国経済の失速や原油の大幅下落など、世界経済はますます混迷の度を深めております。日銀による追加金融緩和策として、長期金利のマイナス導入を決めたことによる円と株の乱高下、預金、貸出金の利率が家計に及ぼす影響等不透明感がますます増幅しております。そして、来年導入される予定になっております消費税10%の及ぼす影響等先が読めない経済状況の中、大町市は28年度の予算総額を187億9,700万円とする一般会計当初予算案を発表いたしました。 予算規模は過去最大で、前年度当初比8.2%の増、企業会計、特別会計では140億7,000万円で、前年度当初比6.9%の増と、いずれも大幅な積極予算編成となっております。また、28年度は大町市にとって、第4次総合計画10年間の集大成の年でもあります。そして、国が進める地方創生計画、すなわちまち・ひと・しごと創生総合戦略がスタートする地方創生元年の年でもあります。また、第5次総合計画策定とも重なっております。 このように大町市を取り巻く状況は内外ともに厳しく、28年度、29年度が大町市の将来を決める年になるのではないかと、私は思っております。すなわち、市長が言っております「きらり輝くおおまち」になれるかどうかということであると思います。 そこで予算編成過程で、地域経済の再生と地域活力を取り戻し、住み続けたいまちづくりなど、市民生活の将来を見据えて、市長が心を砕いた28年度予算要素は何かをお聞きします。 次に、健全財政についてでありますが、市長は就任以来、行財政改革に心血を注ぎ、その実績は大いに評価すべきものと思っております。 予算案を見ると、予算規模が最大となり、中でも投資的経費が76.4%増の33億3,000万円となり、30億円を超えるのは平成21年、22年以来となるものであります。連動して市債、借金でございますが、76%の大幅増の26億2,000万円となりました。今まで市債を減らしてきたわけでありますが、今回、広域ごみ処理施設建設あすなろ保育園改築、温泉郷給湯管布設がえ等により理解できる点もあるわけでありますが、有利な合併特例債を使っても30%は借金として残るわけであります。激変緩和措置による交付税縮小も始まり、実質公債費比率や将来負担比率等心配な面も出てきております。 そこで、牛越市政が今まで誇りとしてきた健全財政堅持に、今後どう取り組むおつもりかお聞かせ願いたいと思います。 次に、市立大町総合病院の予算案についてお聞きします。 大町総合病院は、市民と職員が力を合わせ協働してよい病院づくりに努力してまいりました。産科分娩の再開等はその典型的な例と言えます。しかしながら、経営の危機は依然として解消されず、28年度予算を見ても、今回4億5,000万円の赤字計上予算案となっております。予算編成段階で最初から赤字計上とした意図と、そして要因、また新年度に策定する新改革プランによる赤字解消と今後の病院経営をどのように捉えているのかも、お聞きいたしたいと思います。 次に、農業予算案についてお聞きします。 先ごろ、TPPの調印式が行われ国会審議へと移っております。交渉の経過が余りわからないまま、そして中身の検証も十分でないまま、このたび調印式が行われました。附属書も含めると数千ページにも及ぶ内容であると聞いております。国会議員は、これを読んで議論し、批准できるのか甚だ私は疑問だと思っております。交渉経過と同じく中身がよくわからないまま進められ、これで果たして日本の食と農は守れるのか、不安を抱かずにはおられません。農業は産業でありながら、地域を多面的に支える重要な役割を担っていることは周知のことであります。 28年度の農林水産予算は6億4,000万円となっていますが、国や県からの補助金を除くと、市単独の農業振興予算はどのくらいになるのでしょうか、お聞きをいたします。また、大町市のこれからの農業が生き延びる道をどう捉えているのかも、お聞きしたいと思います。 次に、北アルプス国際芸術祭についてお聞きします。 28年度予算案として5,000万円が計上されております。市長は、協働のまちづくりを前面に押し立てて市政を執行してきました。芸術文化振興事業など新しい事業の進め方について、現在多くの意見があることは事実であります。今回の一般質問でも多くの議員が取り上げていることを見ても、わかるかと思います。今なぜ現代アートなのかも含めて、いま一度基本的な考え方や市民への理解周知についてお聞かせ願いたいと思います。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 勝野富男議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 御質問に順次お答え申し上げます。 初めに、新年度予算についての御質問にお答え申し上げます。 まず、新年度予算案の編成過程で心を砕いた点は何かとの御質問でございます。 議員の御質問にありましたように、国の経済政策でありますアベノミクスは、当初顕著な効果がありましたものの、最近ではその効果が薄れてきており、現下の経済情勢には先行きの不透明感が増加していると報じられているところでございます。 GDP成長率は、実質、名目ともに2四半期ぶりにマイナスとなり、昨年夏には一時2万円を超えておりました株価も、現在ではかなり水準を落としております。また、先月始まりましたマイナス金利政策では、銀行の収益圧迫と家庭の利息収入の減少という副作用を招いているとの分析も聞こえているところでございます。これまでのところ、大都市圏、あるいは大企業などを中心に景気に回復の動きが見られる一方で、地域経済への波及効果がなかなか見えないもどかしい状況が続いておりました。 大町市におきましても市税収入の回復など、ようやく景気回復の兆しがあらわれるものと期待いたしておりましたが、国内経済全体が陰り始める中、依然として厳しい経済状況が続くものとの認識のもとで、新年度の予算編成に取り組んでまいりました。新年度は第4次総合計画重点プロジェクトの仕上げの年でありますと同時に、地方創生総合戦略の本格的なスタートの年でもあります。 こうしたことを背景に予算編成におきましては、地域に活力を取り戻すことを最も重要な命題として、中小企業支援や観光振興を初めとする総合戦略に掲げる事業を着実に推進することに加え、これまで取り組んでまいりました定住促進や子育て支援などの重点事業につきましても、より確実に成果に結びつけられますよう、特に意を配したところでございます。 具体的な事業につきましては、市長公約の5つの柱のうち、定住促進プロジェクトでは、定住・移住の奨励策や結婚支援、八坂地区、美麻地区における定住促進住宅の建設などを継続的に実施いたしますとともに、新たに妊娠、出産、育児の切れ目のない支援を実施し、子育て環境の向上を図ることといたしました。 働く場の確保と産業振興では、特産品の開発や起業・創業の支援、東山一帯の観光振興などを新規事業として盛り込み、自然を生かした観光拠点づくりに積極的に取り組むことといたしました。 安心・安全のまちづくりでは、昨年度から北アルプス連携自立圏構想に基づく成年後見支援センター事業、障がい者の皆さんの相談支援事業及び消費生活支援センター事業を開始することとし、より質の高い充実した支援体制を構築いたしました。 市民生活と産業の基盤整備では、生活関連道路などの整備に加え、新年度から本格的な工事着工を予定しております広域ごみ処理施設北アルプスエコパークの建設を推進してまいります。 文化芸術とスポーツの振興では、国際水準の芸術文化を通じて、新たな人の流れを生み出すことにより、交流人口や移住・定住人口の増加を図り、地域の活性化を目指す新たな取り組みとして、北アルプス国際芸術祭「信濃大町食とアートの廻廊」の開催に向け、事業を本格化いたします。また、アルプスマラソンのコース整備や屋内運動場の建設準備などの事業にも力を注いでまいります。 これらの事業が早期に、かつ具体的な効果に結びつけられますよう着実に事業を進め、地域経済の再生を進めますとともに、住み続けたいまちづくりの実現に向け、全力を注いでまいりたいと考えております。 次に、健全財政堅持についてのお尋ねにお答えいたします。 私のこれまでの市政運営の柱といたしまして、市民協働による活力あるまちづくりと健全財政の堅持はどちらも欠かすことのできない両輪であり、健全な財政あってこそ、将来を見据えて適時適切な施策を展開し得るものであり、この信念を私自身の矜持としてまいりました。 新年度予算案は、投資的経費が大幅に伸びたことにより、過去最大規模の予算といたしておりますが、いずれも市の将来及び市民生活に欠かすことのできない社会基盤の整備を進めるための投資であります。一方で、議員御指摘のように、地方債の一時的な増額に加えまして、地方交付税の段階的な縮減も始まるなど、今後の財政運営におきましては、これまで以上に慎重な姿勢が必要であると認識いたしております。 具体的な取り組みといたしましては、当面する課題に的確に対応する事業や成長戦略に基づく事業に重点的に財政資源を配分するなど、めり張りのきいた施策の展開により、これまで以上に厳しい取捨選択を徹底し、事業の厳選を進めてまいります。月並みな言葉ではありますが、自治体財政の大原則であります「入るを量って出るを制す」の格言どおり、財政の均衡に心がけますとともに、地域の活力、地域経済の再生を通じまして、市の税源の涵養に努めつつ、これからも市民の皆様が住み続けたいと思える「きらり輝くおおまち」のまちづくりと健全財政堅持の両立を果たしてまいりたいと考えております。 続きまして、北アルプス国際芸術祭についてのお尋ねにお答えいたします。 北アルプス国際芸術祭は、本定例会冒頭の市長挨拶でも申し上げましたが、現在、全国各地で急激な人口減少が大きな課題となっている中、特に大町市は他市に比べ、さらに厳しい状況となっておりますことに鑑み、私たちはただこのまま何もしないで傍観していてよいのかということがこの国際芸術祭の構想の原点であり、私自身2年前の市長選挙におきまして、重点プロジェクトを中心とした選挙公約の中に芸術文化、スポーツを通じて地域の元気を再生することを政策の柱の重要な一つに位置づけており、私の信念はまさにここにございます。 一般に行政組織は、これまでややもすれば、腰が重い、あるいは事なかれ主義と言われることが多々ございました。しかしながら、このような危機的な状況にある中で人口減少がさらに進めば、大町市の地域経済は縮小し、自治体としての存続も危ぶまれることになりかねません。今こそ地域社会の衰退に歯どめをかけるため、何とか打開策を打たなければと考え、それを具体的に実行し、成果に結びつけていくことが市政の責任であり、市長としての私に課せられた大きな使命でもあります。 こうした事態に直面したときに、腕組みをしたまま、事なかれ主義を決め込むほうがあるいは楽なことかもしれません。しかし、私を含め今日ここに生きる私たちが窮迫したこの厳しい事態をこのまま見過ごすことは決して許されないと、深く認識するところでございます。 国際芸術祭を開催いたしましても、直ちに地域経済が回復し、そして人口が増加するというものでは決してありません。しかし、今、手をつけ、事を起こさなければなりません。そして、成果に結びつけるためには継続して取り組む粘り強い努力が必要であります。また、国際芸術祭を開催すること自体が目的なのでもありません。市民の皆様に芸術に関心を寄せていただくことに加え、芸術の持つ人を全国各地から引きつける強い力と情報発信力を最大限に活用し、大町市の魅力と地域ブランド力の向上につなげていくとするものでございます。そして、多くの観客を大町に呼び寄せることにより人々の大きな流動、交流を呼び起こし、観光誘客の増大を消費の拡大につなげ、大町市の経済の活性化を図り、何としても人口減少に歯どめをかけ、持続可能な地域社会を守るための手段の一つとして開催するものでございます。 平成24年に市民有志の皆さんによって、地域資源を活用して地域を元気にするための学習会が開催され、北川フラム氏が講師を務められたことから、その後、幾度となく「地域を学ぶフラム塾」が開催され、大町の振興策について真剣な意見交換が行われてまいりました。さらに、北川氏が総合ディレクターを務める新潟県十日町市の大地の芸術祭や香川県を中心とした瀬戸内国際芸術祭への市民の皆さんの視察などが行われ、一昨年の夏には、市民の皆さんが主体となり、食とアートの廻廊が開催されました。また、市内では23年から木崎湖畔を中心に毎年、原始感覚美術祭が開催されておりますほか、昨年は15年ぶりに祭イン大町・北安曇が開催され、大成功をおさめたところでございます。 こうした経緯を経て、市民参加と協働のもとで行政が中心となって実行委員会として取り組んでいくことが今後の大町市の発展のためになると考え、決意したものでございます。 北アルプス国際芸術祭「信濃大町食とアートの廻廊」は、来年6月4日から7月30日までの57日間の開催を予定しており、北アルプスの源流に位置する大町市を舞台に、越後妻有の大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭のディレクターとして知られる北川フラム氏を総合ディレクターとし、大町の伝統を継承し、地域に根差した食文化を表現する食と、斬新な創造性で地域の魅力を再発見する芸術の力を活用して大町のさまざまな地域資源のよさ、魅力というものを広く発信することを目指しております。 また、国際芸術祭を訪れる方には、芸術作品だけでなく地域のすぐれた景観や食文化に触れるとともに、市民の皆様との交流を通じて大町のよさを体験していただき、また、市民の皆様にとりましては、芸術祭を通じて景観や伝統的な食文化、お祭りなど、この地域の文化や資源を再認識いただく機会としていただきたいと存じます。そして、私たちの住んでいるふるさと大町に、市民の皆様がより愛着と誇りを持っていただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 市民の皆さんには、これまで昨年11月のシンポジウムを初め本年1月の意見交換会のほか、総合戦略の説明会にあわせ、市内6地区において北アルプス国際芸術祭の骨格となる開催概要を説明させていただいたところでありますが、しかし、現段階におきましては具体的、詳細な説明を申し上げておりませんので、一方的な情報や事実とは異なる情報もあり、御批判の御意見もあることは十分承知しております。今後は、先日の全員協議会で御説明いたしました企画概要案や3月中に策定を終えることとしております基本計画を活用して丁寧な説明に努め、一人でも多くの皆様に御理解いただけますよう、粘り強く進めてまいります。勝野議員初め、議員各位の深い御理解と御支援を心よりお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 病院事業管理者。     〔病院事業管理者(井上善博君)登壇〕 ◎病院事業管理者(井上善博君) 私からは、大町総合病院の新年度予算と今後の病院経営について、その御質問にお答えいたします。 大町病院の新年度予算は、議員御指摘のとおり4億5,000万円余りの赤字を計上する予算案となりました。これは常勤医師が引き続き不足していることや半年以上に及ぶ分娩休止の影響などから特に入院収益の増加が見込めないため、これまでの実績に基づき比較的実現可能と考えられる目標を設定し、収益額を計上したことが主な要因でございます。 また、その他の要因といたしましては、資本的収支における不足額の補填財源が数年続いた赤字決算によって不足してきているため、本来、収益的収入で受けるべき一般会計繰入金2億7,000万円を資本的収入の繰り入れに変更したことから、その分も赤字幅が膨らむこととなりました。ここ数年当初予算におきまして赤字予算を編成しておりませんでしたが、決算においては赤字となる状況が続いておりました。当初予算から赤字予算を組まざるを得ない状況にありますことは大変残念と言わざるを得ませんが、病院経営が非常に厳しい状況であることを年度当初から全職員が認識するとともに、市議会や市民の皆様の御理解をいただき、より一層の業務の効率化や改善につなげていきたいと考えております。 今後の経営改善につきましては、本年1月に開設いたしました地域包括ケア病棟を有効に活用し、入院患者数の増加を図っていくとともに、この4月の診療報酬改定の内容を十分検討しながら、経営改善につながる有利な施設基準の取得に努めていきたいと考えております。また、信州大学より派遣いただいております総合診療科が3年目を迎え、定着、充実してまいりましたことは、医師の招聘や訪問診療を含めた地域医療の充実につながり、病院経営の改善にも寄与するものと考えております。 来年度中に策定いたします新公立病院改革プランは、平成32年度までを計画期間としており、このプランの中におきましても黒字転換していくことが求められております。したがいまして、病院の中・長期的な方向につきましては、地域医療構想の動向を踏まえ、適正な機能別病床数などの病院規模の検討や再編ネットワーク化、経営形態の検討など、経営改善に向けた具体的な方策と、これを達成していくための仕組みづくりについて、慎重かつ早期に検討を進めながら、新改革プランの中で的確に策定してまいりたいと考えております。 病院経営におきましては、短期的に黒字化することは非常に厳しい状況にございます。しかし、経営改善に向けて職員が一丸となって知恵を出し合いながら、最大限の努力を続けてまいる所存でございます。 私からは以上です。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。     〔産業観光部長(小林敏文君)登壇〕 ◎産業観光部長(小林敏文君) 私からは、農業に関する御質問にお答えいたします。 まず、農業行政につきまして、国や県からの補助金を除く市単独の新年度予算額は幾らかとのお尋ねにお答えします。 農林水産費の新年度予算額は約6億4,500万円で、うち一般財源は約4億800万円であります。また、そのうち農業振興費は約2億4,500万円で、市単独事業の主なものといたしましては、農産物の特産品化を目指す試験圃場の委託に100万円、農地流動化の担い手育成奨励金に200万円余、水稲やソバ、大豆等機械受託作業の農作業維持体制構築事業補助に1,100万円余、遊休農地荒廃防止支援事業に120万円余、園芸振興では園芸生産に係る機械整備費助成に140万円、リンゴやワイン用ブドウ等の苗木購入やアスパラガスなどの補助に290万円余、猿や鹿などの有害鳥獣駆除対策事業として電気柵設置補助300万円等があります。 農業振興予算の一般財源分は、総額約9,000万円でございます。そのうち市単独の補助金といたしましては、約2,300万円となっております。 次に、当市のこれからの農業についてのお尋ねにお答えします。 市の農業におきましては、食の多様化に伴う米の消費量の減少や米の価格低迷が続いておりますことに加え、担い手の高齢化や後継者不足等大きな課題があり、容易に解決できるものではないと認識しております。喫緊の対策としましては、農地集約化の促進や農業経営の安定化、生産体制の強化等の取り組みを進めていかなければならないと考えております。 このため、専業農家や農業生産法人等が農地の流動化を進める農地中間管理事業を活用して農地の集約化を進めるとともに、所得安定対策等国の農業政策に沿った補助事業等を十分活用して経営の安定を図ってまいります。また、多面的機能支払いや中山間地直接支払等の日本型直接支払制度、さらには米プラスアルファの園芸作物の生産拡大や6次産業化の推進等に取り組んでまいります。これに加え、新規就農者や定年後の兼業農家での就農等、農家の担い手確保については、新年度ではそれぞれの就農形態に合った総合的な技術指導や経営指導を含んだ相談を行う、仮称ではございますが、就農支援センターの体制整備を計画しており、この組織を十分活用できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。勝野富男議員。 ◆8番(勝野富男君) 市長の政治姿勢の中で、27年度の市民意識調査では、保健・医療、福祉、子育ての充実や働く場や機会の充実を求めた声が最も多くあったことは、市長も御存じだと思います。このことは、第4次の総合計画の重点施策がまだまだ不十分ではないかと感じている結果だと、私も思っております。28年度予算編成に当たって、市長はこの点をどう捉えているかお聞きしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) 新年度予算におきます医療、子育て、雇用の充実等に対する御質問にお答えをいたします。 議員御指摘のとおり、本年度実施をいたしました市民意識調査の結果におきましては、市民の皆様がこうした分野により充実した施策の展開に対して期待を寄せているということは、十分承知をしております。こうした市民の御期待に応えられますようにこれまでの5年間、安心・安全のまちづくりや雇用の場、雇用の確保などを柱といたしました重点プロジェクトに取り組んでまいりました。 先ほど市長から御答弁申し上げましたとおり、新年度におきましては、重点プロジェクトの総仕上げの時期に当たりますことから、子育て支援や医療の充実、雇用対策などの課題、これにつきましては、当市にとりましては依然として喫緊の課題であるというふうに考えております。 とりわけ子育て支援につきましては、子どもが多い世帯の保育料減額など、国を挙げて施策の充実が図られておるところでございますが、そうしたことから市独自の支援策が見えにくくなっているという状況にもございます。新年度の予算編成におきましては、これらの重点分野につきまして、積極的に予算を配分をしたところでございます。 また、新年度に予定をしております第5次総合計画の策定に当たりましては、これまでの施策の効果などについて十分検証するとともに、昨年策定いたしました総合戦略との整合性等も十分図りながら、より多くの市民の皆様の御要望にお応えができますよう、引き続き子育て支援、雇用確保などに重点を置いて施策を展開してまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 勝野富男議員。 ◆8番(勝野富男君) わかりました。こういう市民のふだんの生活に力を入れていただければ、芸術祭等々も市民も理解できると思いますので、ぜひ日常の市民の生活に予算を割いて、力を入れていただきたいと思います。 それでは、大町総合病院についてでありますが、先ほどありました赤字計上予算案の一つの要因として人件費がふえながら、それに見合う収益確保ができないことでありましたが、常勤医師は17名と非常に少数で頑張っていただいて感謝をいたしておるわけでありますが、過重労働がちょっと心配されるわけでありますが、医師1人当たりの医業収益は他の医院と比べても、非常に高いものがあると感じております。 看護師は161名、医療技術者、事務員110名、そのほか臨時医師を含めて人件費は30億円の計画となっております。今までの経営改善計画では、マンパワーを拡充して病院機能の充実を図って、それに見合う診療報酬を確保して経営を進めていくということで、今まで進めてきたかと思われます。その思いどおりにいかない中であります。人件費を含めたこれからのコストの削減をどう捉えているか、再びお聞きしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 病院経営企画室長。 ◎病院経営企画室長(勝野健一君) コスト削減につきましての御質問にお答えをいたします。 引き続く医師不足の中で多くの収益増につきましては、なかなか見込めない状況にあります。そうした中で、人件費を含めたコスト削減を徹底していくということは不可欠であると認識をしております。新年度予算におきましても、時間外手当など抑制した予算としておりますほか、経費などにつきましては、診療に直接関係しない費用について極力削減するよう取り組んでまいりました。今後も入院患者などの状況を見きわめながら、適正な人員配置や業務の効率化などに取り組んでいきますとともに、新改革プランの中で経営のあり方、それから人事計画も含めて抜本的な改善に向けた計画をしっかりと定めてまいりたいというふうに考えています。また、その計画を立て、その後、それを達成していく仕組みについても検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 勝野富男議員。 ◆8番(勝野富男君) わかりました。ぜひ不退転の覚悟でお願いをしたいと思います。 次に、農業予算の関係について若干お尋ねをいたしたいと思います。 先ほどの答弁の中で、市単独の農業振興助成予算は、ここ数年2,000万円ちょっとということでありました。この程度の事業金額で、これからの大町市の農業が発展して生き延びていけるのかどうか、私は非常に疑問であります。もっと農業振興予算に使うべきではないかと思っております。 その中の一つとして、人を育てる人材の確保、すなわち生産から販売までのグローバルな専門知識を持った農と食の仕掛け人人材を育成するのが必要かと思います。これは農協と連携してつくることがいいかと思いますが、必要だとも思っておりますので、この点についてお聞きをしたいと思います。また、米プラスワンで所得向上を目指しているわけでありますが、予算案の中でプラスワン作物への助成措置内容についてちょっとお聞きをしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 農林水産課長。 ◎農林水産課長(竹本明信君) ただいまの御質問にお答えいたします。 初めに、専門知識を持った仕掛け人が必要ではないかとの御質問にお答えいたします。 農産物の特産品化や地産地消、また6次産業化を推進していく上で、議員御指摘のとおりグローバルな専門知識を持った人材が必要であると考えております。現在でも、それぞれの事業におきまして、農業者や県、JAとの連携を図る中で進めてきておりますが、今後は農産物の加工、流通、販売等の分野におきまして、業務に精通した方々の協力が必要と感じております。そのために、新たに発足いたしました大町市創業支援協議会の協力をいただき、商品開発や流通支援等の推進に力を発揮できる人材の確保、育成に努めてまいりたいと考えております。 また、現在配置しております地域おこし協力隊員には、産業観光部全体の事業に横断的に取り組んでいただきまして、農産物の販売やPR等についても、独自の視点からのアプローチに期待しているところでございます。 次に、新年度予算の中でプラスワン作物の助成措置についてのお尋ねにお答えいたします。 米プラスワン、転作作物等の推進につきましては、県農業改良普及センターやJAの皆さんとともに土地利用型作物として麦、大豆、アスパラなどの推進に努めてきたところでございます。新年度予算におきましても、地域の特色を生かした園芸品目であります果樹改新植への支援といたしまして、リンゴわい化樹、ワイン用ブドウ、ブルーベリー、栗の苗木の購入助成を行ってまいります。補助率等につきましては、事業費の2分の1以内、1本500円以内で225万円を計上いたしております。また、新たにリンゴわい化樹やワイン用ブドウの栽培に必要な支柱等の設備につきましても、補助対象として支援してまいります。 そのほかに新たな取り組みといたしまして、JA等で推奨され、今後も需要が見込まれるキャベツやタマネギ、トマトなど、生産拡大が期待できる品種のほか、シロネギ、ウド、ゴマなどの試験圃場を設置して栽培の現地適応性等について調査研究を進め、園芸作物等の普及推進に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 勝野富男議員。 ◆8番(勝野富男君) ぜひ中小規模の農業が生き残る対策としても重要かと思いますので、力を入れてやっていただきたいと思います。 それでは次に、北アルプス国際芸術祭についてでございます。 1億円の市税をそんなわけのわからないことに使うなら、もっとほかのことに使ってほしいとか、それからそんな無駄なお金を使う余裕はないはずなど、反対意見も多く出ておるわけであります。まだ、市民への説明会は今のところ1回やっただけということでありますので、それもこの前、つい最近行ったわけであります。このような反対意見が出るのは当然かと思っております。 市長も先ほど答弁の中で言っておりましたが、丁寧な説明をこれからやっていくんだということでありますので、ぜひ市民への丁寧な説明会を早急に開いていただきたいことを要望いたします。 そして、アート作品についてでありますが、アート作品は大町の水を中心としたテーマで構成されると聞いております。とかく現代アートの世界は常識が通用しにくいような点があることは否めないと思います。有名な作家ほど理解に苦しむような作品が多いのではないかと、私は思っておりますが、違和感を覚えるような作品は要らないと思っております。作品づくりはどのように考えているのか、お聞かせ願いたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) 北アルプス国際芸術祭におきます作品についてのお尋ねにお答えをいたします。 来年予定をしております国際芸術祭で制作・展示をいたします作品につきましては、現在、作家の選定につきまして調査、検討を進めております。基本的な考え方といたしましては、当市で開催する芸術祭にふさわしい制作者、アーティストをまずは選定するということが基本でございます。そのためには豊かな自然に恵まれた当市で開催するという、この国際芸術祭の意義を十分に理解をいただくということを前提といたしまして、議員御指摘のとおり、当市の豊かな水など代表する資源に着目をいただき、それをいかに表現し、発信をできるかという点。そしてまた、制作する場所やその周辺環境等との調和がいかにとれるか、とれた作品をそのアーティストが創作できるかということが選定の極めて重要なポイントとなると考えております。 現在、展示エリアにつきましては、市内5つのエリアの地区を予定をしておりますが、来場者が作品の鑑賞のために市内を周遊する際に、当市のさまざまな魅力、資源に触れることができますよう、豊かな水や自然などを体感できる場所やまた作品とその展示場所の一体性や必然性を考慮し、幾つかの具体的な候補地を選定してまいりたいと思います。また、参加する候補者となりましたアーティストと地元との十分意見交換をしながら、市内におきます適切な設置場所を今後、選定してまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 勝野富男議員。 ◆8番(勝野富男君) 今まで既存の事業を充実、拡充することも重要だと思っておりますが、新しい事業に挑戦することは、もっと私は大事だと思っております。やるからには、訪れていただいた方々が満足して帰れるよう、また恥ずかしくないような立派な芸術祭にしてもらいたいと思っております。1回目の印象が今後を左右する鍵になると思いますので、遺憾のないよう万全の体制をお願いしたいと思います。 この事業が、起爆剤となって大町市が広く世界に発信され、各方面に波及して新しい風を起こせば、この厳しい地方創生競争にも打ち勝って、必ずや市長の言う「きらり輝くおおまち」になれると私は信じておりますので、市長にエールを送り、次の2つ目の質問に移りたいと思います。 山岳観光事業についてであります。 本定例会に東山周辺地域の観光整備計画が示され、ようやく本格的な取り組みがスタートします。東山一帯には文化遺産やすばらしい北アルプスの雄姿を眺望できるスポットと観光資源がたくさんあります。社、美麻、八坂を含めた一帯の観光整備に大いに私は期待するところであります。 一方、西山周辺の観光整備でありますが、中でも特に高瀬渓谷を中心とした周辺の観光整備に東山地区同様もっと力を入れるべきだと、私は思っております。観光資源としては、国の天然記念物の噴湯丘を初めとして、我が国有数のロックフィルダムや温泉もあります。また、エネルギー博物館等もあって、秋になると紅葉のすばらしさは目を見張るものがあります。 ただ、残念なことは東電のテプコ館とダム発電所見学ができなくなったことであります。東日本大震災以降、閉鎖されたままになっています。水と電気の仕組みの学習体験の場として、また高瀬渓谷一帯を知る場として、これまで多くの人々が見学に訪れてきておりました。そこで、テプコ館と発電所見学再開に向けて東電に働きかけをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。大町市としての再開支援はいろいろな形があると思いますが、エネルギー博物館の将来展望を含めた中での見解をお聞きしたいと思います。 また、先ごろ新聞に梓川の3つのダムの湖面利用協議会が発足する記事が載っていましたが、その可能性を含めた高瀬渓谷周辺観光整備計画をつくる考えはあるのか、お聞きをしたいと思います。無論、この地域は中部山岳国立公園に指定されていて難しい点もあると思いますが、見解についてお聞きいたします。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。産業観光部長。     〔産業観光部長(小林敏文君)登壇〕 ◎産業観光部長(小林敏文君) 山岳観光、高瀬渓谷に関する御質問に順次お答えいたします。 まず、東京電力のテプコ館と発電所見学再開に向け働きかけをすべきと思うが、どうかとのお尋ねにお答えいたします。 高瀬渓谷は、市の最南端にある槍ヶ岳へ続く裏銀座登山ルートの出発点として、また秋には議員御指摘のとおり、紅葉の名所として人気がある観光スポットであります。高瀬川テプコ館につきましては、東京電力が高瀬ダム建設を契機として水力発電の仕組み等を楽しく学べる施設として設置し、以後、高瀬渓谷の観光振興に大きな役割を果たしてまいりましたが、御案内のとおり、平成23年3月の東日本大震災の影響により同年6月に閉鎖されております。現在、高瀬川テプコ館の建物はありますものの、展示物等は撤去され、再開の予定はないとのことであり、電力事業全体に係る現在の状況から考えますと、再開に向けての手がかりを模索することは非常に困難であると認識しておりますので、御理解をいただきたいと存じます。 このような中、高瀬渓谷の観光振興につきましては、今年度から市内旅行会社の企画により、新たに高瀬ダムまでのバスツアーをスタートさせましたほか、新年度には高瀬川ダム堰堤上付近に登山者や観光客の利便向上のためWi-Fiの整備を計画しております。議員御指摘の梓川上流にある東京電力の3つのダムの、仮称ではございますが、湖面利用推進協議会は湖面の安全な利用方法や自然環境への影響などの課題の検討に取り組むことを目的に、今月発足するとのことであります。 当市では、国土交通省所管の大町ダム管理事務所が既にすいりゅう・いきいきネットワークという名前の組織を起こしておりまして、市内の有識者や観光、博物館関係者などがメンバーとなり、大町ダムと地域のかかわりや連携等について検討し、様々な活動を実施しております。この組織には、エネルギー博物館も構成員として参画しておりますことから、大町ダムに加え東京電力の七倉ダム及び高瀬ダム、そしてエネルギー博物館や市内の博物館とも連携した取り組みができますよう、ネットワークの会議等で提案してまいりたいと考えております。 次に、高瀬渓谷周辺観光整備計画をつくる考えはあるかとのお尋ねにお答えいたします。 当市の観光振興につきましては、市観光振興計画を昨年3月に策定し、計画に基づき観光振興策を展開しているところであります。また、今月末までに東山周辺地域の観光整備の指針を示す東山周辺地域観光整備計画を策定することとしております。本計画では、市内を5つの観光ゾーンに区分し、高瀬渓谷をそのゾーンの一つとして、市内観光の大きな柱と位置づけております。この高瀬渓谷観光ゾーンの観光機能は、森林に囲まれた豊かな自然環境を生かした観光体験や産業観光体験を提供するゾーンと位置づけており、当面、この計画に沿って必要な振興策を講じてまいりたいと考えております。 なお、当地域の観光振興に関する計画は、次期観光振興計画の検討に来年度後半から着手することとしておりますので、その中で活用方法等をさらに検討し、必要な施策を計画に掲載してまいることといたします。また、水の豊かな高瀬渓谷は、来年6月から開催されます国際芸術祭におけるアートサイトの一つに位置づけられておりますことから、観光誘客への広がりなど、その効果にも注目してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。勝野富男議員。 ◆8番(勝野富男君) ちょっと落としましたが、大町病院の関係で、医師修学資金が本年度予算に上げてあるわけですが、6名分、2,000万円、この医師の卵が大町病院に来ていただけるのはいつごろかとかそういうことがわかりましたら、お答え願いたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 病院庶務課長。 ◎病院庶務課長(北沢一人君) ただいまの御質問にお答えします。 来年度予算は6名になっております。今年度卒業する奨学資金貸与者が1名おりますので、来年度から1名、当院に来る予定になっております。それ以降は、来年度で6年生になりますので、年度的には2名ずつ卒業になります。ただ、初期研修等当院で受けるかにつきましては、今後当人と話をしながら、カリキュラムのこともありますので、相談して決定になります。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 勝野富男議員、よろしいですか。 ◆8番(勝野富男君) はい。 ○議長(二條孝夫君) 以上で勝野富男議員の質問は終了いたしました。 ここで11時15分まで休憩といたします。 △休憩 午前11時00分 △再開 午前11時15分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第2位、高橋正議員の質問通告は2項目です。高橋正議員の質問を許します。高橋正議員。     〔10番(高橋 正君)登壇〕 ◆10番(高橋正君) 民声クラブの高橋でございます。 私からは、北アルプス国際芸術祭「信濃大町食とアートの廻廊」について、また、農業についてお聞きをしたいと思います。 まず、食とアートの廻廊につきましては、私も現段階ではまだ大方の市民の皆さんの理解が得られていないように思っております。これまでの市長は、政策の実行に当たって、その計画段階から非常に民主的であったと、私は受けとめております。しかし、今回のこの事業については、一体どうしたというんでしょうか。決定に至るまでの過程が見えず、何だかアートでまちおこしをやるらしいと思っていたら、いつの間か決まっていた、そんな感じがいたしております。市民の皆さんや議会への説明の前に既に北川氏との約束はでき上がっている、何とも釈然といたしません。総額2億円という大きな予算が使われようとする事業にしては、余りに拙速であり驚いております。 ところで、市長は常に市民との協働をうたっておりますが、この事業で29年度までに予定されている予算総額2億円の約85%に当たる1億6,900万円は既に北川氏とその会社に支払われることになっており、この手の事業では仕事を任せた以上、市民はもちろん行政もその企画の中身について、ほとんど口を挟む余地はないのであります。この芸術祭に関して、協働とは一体どのようなものか、御説明をいただきたい。協働とは単なるボランティアで参加という意味でしょうか。 ところで、全ての事業には目的に見合った予算があり、当然、その予算に見合った事業の成果がなければなりません。事業の終了後には成果を検証することが求められております。交流人口は何人ほどの増加が見込まれるのか。また、地域ブランドの向上といいますが、具体的には何を指すのか。また、経済波及効果については一体幾らなのか、具体的にお示しいただきたいと思います。 12月議会でも、作品の価格の明示はできないとの答弁でした。この点も私はどうしても合点がいきません。現代アートの作家とも話をしてみましたが、価格を公表されては困るという人はおりませんでした。価格を公表されて困るのは、北川さんではないんでしょうか。この点はいかがですか。 事業予算を決定するのに、当然その事業が必要とするそれぞれの素材、経費などについて正しい積算が行われなければ、全体としての予算額の正当性はなくなるわけであります。この点、市はどのようにお考えでしょうか。また、食について予算の具体的な内容と、どのような事業展開をされるのか、お示しいただきたいと思います。 私は、このアートの話が出てくる以前から市長に対して、もうそろそろ牛越カラーを出して思い切ってやるべきであるという発言を数回してまいりました。そのためあえて、私はこの事業について反対はいたしません。ただ、協働でと言うからには、どうしても市民の皆さんに御理解をいただかなくてはならないわけであります。そのため、どうか市民の皆さんにも御理解いただけるような御答弁をお願いいたします。 これで1回目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 北アルプス国際芸術祭「食とアートの廻廊」についての御質問に順次お答え申し上げます。 北アルプス国際芸術祭を開催する意義、必要性につきましては、先ほど御答弁を申し上げましたが、他の市に比べ人口減少が進んでいる当市におきまして、人口減少がさらに進めば、市の地域経済は縮小し、やがて消滅可能性都市と言われるような、自治体としての存続も危ぶまれる危機的な状況に至ることが十分想定されますことから、この地域社会の衰退に歯どめをかけるため何とか打開策を打たなければと考え、それを具体的に実行する手段として、国際芸術祭の開催を決意したところでございます。 そして、国際水準の芸術祭を通じて芸術の持つ人を引きつける強い力と情報発信力を最大限に活用して大町の魅力を際立たせ、市内外、国内外からも人々の大きな流動を呼び起こし、観光誘客の拡大に結びつけるものでございます。これにより地域内の消費を喚起して地域経済の活性化を図り、人口減少に一層強い歯どめをかけ、持続可能な地域社会の形成を目指すものでございます。 そこで、御質問にありました国際芸術祭における協働についてでございます。 まず、市がこれまで進めてまいりました協働の基本的な考え方は、平成21年に策定いたしました市民参加と協働のまちづくり推進基本指針に「協働とは、ある目的に向かって立場の違う者同士が力を出し合い、ともに取り組む関係をいう」とございます。また、協働を効果的に進めるためには、まず市民の皆様に地域のことに関心を寄せていただき、機運を盛り上げた上で参加、協力いただくことが必要とされております。 このたびの国際芸術祭の開催に当たり、具体的に市民の皆様に御参画いただくことが想定されます分野は、開催に向けての企画立案から準備作業、また期間中の御案内役が考えられます。さらには、招聘する作家との交流を通じて地域の魅力を伝えていただくことのほか、作品の資材調達や制作作業への協力など多彩な分野にわたります。さらに芸術祭では、大町の食材を生かした伝統的な食、料理も重要な要素に位置づけており、大町の食にかかわっていただいております広範な団体の皆様を初め飲食店、宿泊施設などを営む皆様には、来訪者への食事や宿の提供などのサービスを通じておもてなしの分野での御参加がございます。 このように、市民の皆様には作品の鑑賞という形の参加だけではなく、運営面におきましても、さまざまな御参画を通じて御支援いただくことになりますので、より多くの市民の皆様の参加と協力がなければ、この国際芸術祭を運営することはできません。そして、単にボランティアで参加するという意識にとどまらず、自分たちの暮らしやふるさと大町をよりよいものにするため、市民の皆様お一人一人がみずからの意思に基づいて積極的にかかわっていただくことが何よりも重要でございます。 実行委員会といたしましても、間もなく策定されます基本計画に沿って具体的な内容を早急に固めますとともに、市民の皆様に適時適切に情報を提供し、関心を持っていただき、御参画いただけるよう取り組んでまいります。 続きまして、国際芸術祭の開催による交流人口の増加、地域ブランドの向上などの経済波及効果についてのお尋ねにお答えいたします。 まず、交流人口とは、その地域を訪れる人々のことを指しますが、来年開催いたします国際芸術祭では、開催期間中の来場者を約2万人と想定しております。まず、地域ブランドの向上などの社会的波及効果につきましては、多くの皆様にお越しいただき、大町市のさまざまな魅力に触れ、地域の価値を御理解いただき、リピーターとなって幾度もこの地を訪れていただくことなどにより、当市の知名度やイメージの向上に寄与するものと考えております。 また、お尋ねの経済的波及効果につきましては、初期投資額や地域内の観光消費額等を精査した上で、今後具体的に推計してまいりたいと考えております。ちなみに新潟県十日町市の大地の芸術祭の実績によりますと、2012年第5回の開催では、建設投資や来訪者の圏域内滞在中の消費額は合わせて約31億1,500万円に上り、その2次波及効果までの総合効果では42億6,800万円となっており、初期需要額のおよそ1.4倍の効果が生まれたと報告されております。こうした大きな社会的、経済的両面の波及効果が生み出されることを私どもも胸に刻みながら、着実に成功に向けて開催準備を進めてまいりたいと考えております。 高橋議員におかれましても、陶芸家として芸術に深い造詣をお持ちの立場から、この国際芸術祭につきましても、なお一層、お力添えをいただきますようお願い申し上げる次第でございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。     〔総務部長(勝野 稔君)登壇〕 ◎総務部長(勝野稔君) 私からは、残りの御質問にお答えをいたします。 作品制作費についてのお尋ねでございます。 こうした芸術祭等で出展される作品の個々の制作費につきましては、これまでも御答弁申し上げてまいりましたように公表されていないのが一般的であり、香川県の瀬戸内芸術祭や新潟県十日町市の大地の芸術祭におきましても、同様に個々の作品の制作費は公表されてはおりません。 作品の制作費には、材料費等作品の制作そのものに要する経費や招聘するアーティストの交通費、滞在費、作品の管理費などが含まれており、それぞれの作家のキャリア等によっていわゆる相場が大きく異なり、統一的に示された価格が設定されていないこと。また、著名な国際芸術祭ではアーティストが通常を相当下回る水準の経費で参加することが一般的と言われていることなどの理由から、個々の作品の制作費は公開されないとされております。 こうしたことから、適正な価格を見出すには、個々の作家の経歴や社会的評価、さらには将来性等を含めた総合的な見地から判断が必要となりますことから、この分野に経験豊富なアートプロデューサーであります北川氏に適正な評価を委ねるものであり、公開することにより、北川氏が困るというものではありませんので、御理解いただきますようお願い申し上げます。 作品の制作費につきましては、制作者の権利及び利益が著作権及び著作者人格権等により保護されており、一例を申し上げますと、東京都千代田区にあります国立近代美術館が作品を購入する場合にも、制作者が生存されている間はその購入価格を公表しないこととしております。 なお、今回の芸術祭におきまして出品いただく作品のうち、制作者から公表することを御了解いただけた作品につきましては、公表をしてまいることとしたいと考えております。 次に、北アルプス国際芸術祭の全体予算額についてのお尋ねでございます。 全体事業費の積算に当たりましては、議員御指摘のとおり、それぞれの積算根拠が正しくなければ、全体事業費も適切な額とはなりません。現時点では、全体事業費を2億円程度と想定する中で、必要な経費について精査をしているところでございます。 次に、国際芸術祭における食についてのお尋ねにお答えいたします。 来年に開催を予定しております国際芸術祭は、「信濃大町食とアートの廻廊」を副題としており、食を重要なテーマに位置づけております。食は地域に伝えられてきた生活文化そのものであり、その土地の原点でもあり、その地域を最もよくあらわしていると言われております。また、食に好感を持ち満足しなければ、その土地のファンになることは難しく、リピーターはこの食と食にかかわるおもてなしに心が動かされ初めて大町市に共感し、愛着につながるものと思います。 当市の食、食材や食べ物、料理は北アルプス山麓の厳しい自然と豊かな四季に育まれてまいりました。清冽な水の恵みとともにこの土地の気候風土に寄り添い、塩の道などの文化や歴史を背景とした伝統的な食が母から子へと代々受け継がれてきた多彩な食文化が多くございます。当市の伝統的な食は素材からしても決して豪華なものではなく、むしろ質素で素朴なものが数多くありますが、芸術祭におきましては、この質素で素朴な当市の食文化を磨き上げ、訪れた方々に五感で楽しんでいただける機会を創出してまいりたいと考えております。具体的には、既存のメニューをもとに市内飲食店や宿泊施設の皆さんと連携して、地元の食材を使ったメニューの開発を進めてまいります。 また、これと並行して団体でお越しの皆さんに昼食を提供できる期間限定のレストランやお弁当の開発を検討することとしており、県の助成金を活用した事業実施を現在予定しているところであります。 こうした開催期間中に提供する食事のメニューや場所などの整備とともに漬物やねぎ味噌などを使ったお握りやおやき、そばづくりなど来訪される皆さんから実際に体験をしていただく食体験メニューについても検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) 協働について市長は、協働とは市民参加であって、力を出し合ってともに取り組むんだと、こうおっしゃっておりますが、私はこれ、今回の芸術祭、何か北川フラムさんの芸術祭というふうに見えちゃうんですね。市民が参加するということは、事業の芸術祭そのものの中にまで関与するものじゃないのかなと、そんな気がするんです。ただ、お手伝いだけだったら、これをボランティアとしか言わないんで、協働とまではいかないんじゃないかなと思うんですね。手づくりで協働するということであると、四国の神山町、最初から住民が参加してアーティスト・イン・レジデンスと、こういった事業が実は今、ワーク・イン・レジデンスとまで進んでいると、非常に効果が出ているわけです。 ですから、協働のあり方によって効果の出方も違ってくるんじゃないかなというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの協働のあり方の部分についてのお尋ねにお答えをいたします。 先ほど市長のほうから、当市の協働のあり方について御答弁申し上げましたとおり、その指針におきましては、やはり市民参加、協働の原点には、これはやはり地域の皆さんがみずから地域の課題に目を向け、みずからできる範囲においてそこに参画をして、ともにそれぞれの同じ目的に向かって進んでいくという概念といいましょうか、そういうふうに決めてございます。 それからいたしますと、やはりその指針の中にも、それぞれ行政は市民の参加をする機会を確保しろということになっております。その参加のステージが幾つかありまして、最初に情報を提供して市民の皆さんに関心を持ってもらうための学びの参加、それから2番目には計画づくりへの参加、3番目には事業実施への参加、4番目には実施した事業の検証、改善への参加というステージが幾つかあるというふうになっておりました。 これを考えてみたときに、確かに御指摘のとおり、今回の国際芸術祭につきましては、計画づくりの部分での市民参加という部分が多少おくれているといいましょうか、弱いということになるかと思います。でありますが、これまで決まっている内容は、あくまでも基本的な考え方、それから骨格的な内容でございますので、まさにそれをもとにして、それを具体的にどのように実現するか、実動するかという部分については、市民の参加をいただいて内容を詰めていくと、これはまさしくこれからの段階だというふうに考えております。 したがいまして、基本的な構想は、確かにある程度決まってからスタートしているという部分は否めませんが、まさにこれからそういった食の部分、アートの開催の場所の部分等々において地元の皆さん、それからそれぞれ関心をいただいた市民の皆さんと一緒に内容を検討し、それから1つずつ決定をして進めていくということでありますことから、そういったやり方をもって、協働のまちづくりの指針にのっとって進めていきたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) 何かよく詳しい内容がわかんないんですね。ぜひこれからしっかりと詰めていただいて、協働とは何か、また協働ということがこの芸術祭に効果を生み出すようにしっかりと考えていただきたいと、こんなふうに思います。 先ほど部長のお答えの中、食は重要であると、しかし、今までお伺いしている全予算の予定では、約2億円の中の85%が芸術作品のほうに向いてしまうわけでありまして、残りは15%しかないんです。その15%の中で食やら、また地域の芸術文化とのコラボとか、そんなようなことも考えなければならないということで、これかなり厳しいんじゃないかなと思うんです。それからまた、非常にアバウトで具体性に欠けるんですね。 ですから、ぜひこのことについてはしっかりと今から予定を立てていただいて、あと実際には食堂とか、売り上げ全部トータルすれば、どれだけの効果があったのかわかるわけでありますので、ぜひもっともっと計画を具体的にしてもらいたいなと、こんなふうに思います。いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの食についてのお尋ねにお答えをします。 部長のほうから答弁申し上げましたとおり、今回の国際芸術祭につきましては、食とアート、これが2つの大きな要素となっておりますことから、食も極めて重要な要素だということでございます。これに関します予算、それから実行計画については、御指摘のとおりアートに比べておくれていることは、正直そのとおりでございます。 したがいまして、先ほど申し上げましたとおり、基本的な考え方がようやくまとまりつつありますことから、それを用いて早急に市内の関係団体等に入って、それを市民の皆さんの協働の力によって来年お客様を迎え入れる体制をつくっていくという、具体的な行動に入ってまいりたいと考えております。 予算につきましても、当然現時点では全体像がまだ明らかになっておりませんが、その市民の皆さんと相談する中で、具体的な実行予算も組んでまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) 具体的に詰めていただきたい。それで開催概要の中では、大町ならではの食で来訪者へのもてなしとあるんですが、市内のカフェ、食堂、旅館、ホテルなんかがもう一年ちょっとだという段階でまだ何の話もないということから、もう少し現場と話し合いを早急に始めていただきたいと、こんなふうに思います。 それから、神社仏閣、伝統文化、芸能とのコラボというのが開催概要の中に出ているんですが、社、宮本の国宝仁科神明宮、これなんか国宝で大町を代表するものなんですが、このコラボはないんでしょうか。また、常盤地区にある国営公園、これも大町のある種の特色であると、立派なものだと、こういうふうに思うんですが、これとのコラボはないのか、これをお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) その部分も、まだ具体的なところにまで詰まっていなくて申しわけないんですが、やはり大町に来ていただいたお客様にそれぞれの芸術作品ではなくて、よいところを見ていただきたい。そういう意味では、議員の今おっしゃられた仁科神明宮、それから国営公園、また東山では霊松寺もありますし、覚音寺もありますし、市内には若一王子神社もそれぞれ誇れる文化もございますし、また道祖神といったようなものもございます。こういったものをもう一度洗い出して、そして地元の皆さんとどのような形で対応できるのか、この辺を詰めていきたいというふうに考えております。また、アートの作品の中の展示として、地図の中でしっかり表記をするとか、市内を十分めぐっていただくようなことも考えていきたいというふうに考えているところであります。 ただ、具体的なことはまだお示しできないという状況でありますので、今後詰めさせていただきたいというふうに考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) この部分もしっかりと対応していただきたいと思います。 12月議会で、当地の伝統文化や芸術と招聘するアーティストとの友好を考えた企画をするというお答えがありました。それは具体的にはどのような企画なのか教えてください。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) すみません、ちょっと御質問の内容聞き取れなかったので、もう一度お願いします。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) 時間がなくなっちゃうんです。もう困るんですが、12月議会で当地の伝統文化や芸術と、大町に作品つくりに来られるアーティストとの融合、関係ですね、これを企画すると、どういう企画をされるんですか、具体的にお願いします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) 失礼しました。当地の芸術文化と国際芸術祭とのいわゆる融合という部分でございまして、アーティストに限らず全体のいわゆる中での融合という部分でございます。 これにつきましては、先ほど部長からも答弁しましたとおり、現在、さまざまな地域の伝統文化の整理を始めておりまして、この開催時期にコラボして、一緒に国際芸術祭に来場されたお客様がそういったアートだけじゃなくて、その際に例えば王子神社の夏祭りも一緒に体験、見ていただくというような、具体的に言えば、そういったコラボレーションといいましょうか、そういう連携を全体の企画の中で組んでいくという考え方でございます。現在、その内容について進めております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) この問題も全然見えてこない。例えば地域にいる芸術家、たくさんいるんですが、その方々からも何も見えてこない。ですから、これももう少し具体的な計画をきちっと立てていただきたいと思います。 それで、市長は国際芸術祭を開催したとして、直ちに経済が回復し、人口が増加するというものでは決してない。芸術の持つ人を引きつける強い力と情報発信力を最大限に活用して、大町市の魅力とブランド力の向上につなげ、人々の大きな流動を呼び起こすことが重要と言っておられますが、実はブランド力の向上や情報発信力とは、これほどまで情報手段が発達した時代であっても、結果が出るのに最低10年はかかると言われているんですね。ネットを使ったらすぐに広がるのかというと、いろんな人に聞いてみますと、やっぱりどうしても10年かかると、それが行き渡るのにはそれだけの時間が必要なんだと、ということで、これ今からすぐには結果は見えないような内容のお話ですので、これは市長の責任を何か曖昧にしてしまうんじゃないかと思って、ちょっと私、心配をしているんですが、これについてはどうでしょう。どんなぐあいにお考えでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私の先ほどの御答弁でも芸術祭自身が、例えば来年の芸術祭は57日間、期間限定であります。その中で2万人の来客を期待をするわけですけれども、それが終わった後はどうなるかということを考えますと、やはりこれが定着し、そして開催を重ねるごとに地域の皆さんの協力をいたただき、あるいは期間外に見えるリピーターも含めイベントそのものがイベントである地、国際芸術祭が開かれる地大町としての評価が定着していくということになります。 そうした意味においては、本当に粘り強い、そして一過性ではない取り組みが必要だということは、何よりも大事な視点ではないかと思います。例えば、新潟県十日町市の越後妻有の大地の芸術祭におきましても、3回目までは市民の皆様の参画もなかなか限られていた。しかし、3回目以降はそれまで反対していた人でさえも運営に携わるような、そうした大きな変化があらわれたというふうに言われています。と同時に、それから爆発的に来訪者もふえた。私ども先般、全員協議会で御説明申し上げました芸術祭の企画概要の中でも、まず来年の開催を成功させることが一番大事でありながら、しかし、これをトリエンナーレという形で継続的に取り組んでいくことを目指したいという構想を述べております。 そうした中で、例えばリピーターが期間が終わってからも、そこに残された作品を見に来る、そうしたことは他の国際的な芸術祭では定着する傾向にありますし、またブランド力はみずからがブランドと標榜するんではなくて、そこを訪れた方がもちろん芸術作品や食、あるいはここに暮らす市民の皆さんの暮らしぶり、あるいは大自然、そうしたものを総合的に評価して大町というところはいいところだ。あるいは、ここに来て消費していただいたときのさまざまな個別の商品、そうした商品ブランドを通じて地域全体のブランド力につながるものと考えております。 そうしたことから、本当に市民の皆さんの率先した御参画が何よりも大事でありますし、そうした意味においても、市民参加と協働のもとでこれから準備を進めてまいりたい。そのためにも、これも御答弁申し上げておりますが、3月中に策定を終えることとして進めておりますいわゆる基本計画に沿ってより具体化し、そして市民の皆さんにもイメージとしてわかるような、そうした説明をしっかり粘り強くしてまいりたいと考えております。 これ自体、私自身の政治生命をかけての話ではありますが、市長の公約から始まったこの事業は、今既に市の予算に、あるいは、昨年策定しました総合戦略の中に位置づけられた市の政策として進めるものであります。もちろん個別には、そのリーダーであります私の責任は最も重いわけでありますが、市の責任において進めてまいりたいと。そのためにも、議会の議員の皆さんにおかれましても、協働の一翼を担う市民との間の橋渡し役としての役割をぜひ果たしていただきますよう、私からも重ねてお願い申し上げる次第でございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) 市長が政治生命をかけるとおっしゃられて、これはまことに重たいと、私は受けとめております。ただ、開催を重ねていくことが必要であるというお言葉では、ちょっと不安を感じます。やはり初回の効果をきっちりと検証して、2回、3回とやっていっても大丈夫なんだろうかという、これはきっちり検証してもらわなければならないというふうに思っているわけです。 そうでないと、だんだんと泥沼に足をとられるということもありますので、ぜひ何とかその辺はきちっとして理性的にあれをしてもらいたいと。恐らく大分、市長のインスピレーションが働いて、この結論に至ったんだろうというふうに思うんですが、インスピレーションといっても、単なる直観力じゃなくて、市長のかなり有能な部分でそういうものをきちっと示したんだろうというふうに思うんですが、とにかく効果の検証、それだけはきっちりとやっていただきたい。それについてはどうでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私自身、芸術や文化にそう専門的な知識や造詣を持っているわけではございません。しかしながら、私自身、この10年にわたる市政を通じて、これまでも例えば国の総務省の外郭団体であります地域創造の理事長を当時務めていらっしゃいました林省吾さんをお招きして、そして市民にも開かれた職員研修会をいたしました。その折に、林理事長からは、フランス南都の寂れた港町が芸術や文化の力をかりて、そして再生し、そしてフランスでも有数の芸術や文化を軸とした都市として再生したという実例を挙げて御講演をいただきました。それはもう5年ぐらい前の話だったかと思います。そうしたことから、やはり芸術や文化の力をかりることが地域再生の一つの力になるんではないか。一つの手がかりになるんではないか。そうしたことを常々考えてきたところでございます。 そうした意味では、もちろんインスピレーションといえば、インスピレーションですが、単なるひらめきではなく、そうしたことを自分の中で温め、そして反すうしながら、きょうまで至ったところでございます。この点はまず御理解いただきたいと思います。そして今、議員御指摘のように、来年の国際芸術祭はその成果がどうであったか、願っているような効果につながったかどうか、これをまず検証するのが一番大事な点であります。これは私ども、国際芸術祭に限らず後期5カ年計画に掲げたさまざまな施策についても事業ごとに点検、検証を加えております。これは内部評価もあり、また外部の市民の皆さんの代表に入っていただいております外部評価も重ねる中で、しっかりとした成果を評価する、そうした検証を続けていきたい、このように考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) 効果をどう検証するかという問題は難しいんですが、純粋に芸術祭を見にこられる方は、まずパスポートを買うんで、パスポートの売り上げで結果は明確になると、私は思っています。それから、そこで目に見える交流人口の成果がなければ、私はこれを続けるか続けないかの非常に難しい判断になろうと思うんですが、例えば2万人を目標としていると言われましたけれども、初期のあれとしては成功だというのは2万人を達成したら成功だというふうに思われますか。ということは、2万枚のパスポートが売れるということで解釈してよろしいでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 御指摘のとおり、目に見える交流人口の増加というものがなければ、これはやはり検証ができないということでございまして、その中で具体的に実行委員会といたしましては、いわゆる目標の来客者数を2万人というふうに設定をしました。これは、一応予定しております2,000円のパスポートを2万人が全員買うということではなくて、訪れた人の数というふうに考えております。したがいまして、パスポートを全員が買って見る人にはならないという部分がございますので、総数として2万人の来客数を目指していくというものでございます。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 補足をいたします。まず、基本計画の中でも具体的な入場料の体系、チケッティングの中身については精査していかなければなりません。例えば、パスポートと言われる各会場を通して見ていただくような仕組みも織り込み、これを中核としながら、しかし、会場ごとに、国際芸術祭の有料のサイトを訪れていただくための個別のチケットも用意することが考えられますし、またさらには大量に引き受けていただくエージェントの宿泊ツアーなどと組み合わせるものについての料金体系、そういったものは非常に複雑になります。 そうしたことから、料金体系と入場者数というのはリンクしませんし、また食とアートの食の部分で芸術祭の無料サイトが設けられるとしたときに、無料サイトを見ながら、しかし、市内で消費をする、そうしたことから入場、必ずしもチケットの売上数、イコール観客というふうには捉え切れない部分があるかと思います。 しかしながら、明確な評価指標、評価するために必要な数値目標というものは、しっかり事前に計画の中に織り込みながら、成功したかどうかということにつながる評価の物差しを用意していくこととしたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。
    ◆10番(高橋正君) ぜひ誰にでもわかりやすい検証方法というものを確認しておいていただきたいと思います。 それから、先ほど私、ブランドということを言いましたけれども、これは答えなくて結構です。先ほども言ったように10年はかかると、一朝一夕にはできるものじゃない。私自身は戦略とは、人々に認知されるいいものをつくることだと。そして、その品質、あるいは場所であっても、常に向上心を持って研究し続ける姿勢、またそれに関する行動であるというふうに認識をいたしております。ぜひ10年かかるというところを5年でも、4年でもなるべく早くできるように御努力をいただきたいと、これはお答えは結構でございます。 それでは、この問題は終えて、農業問題についてお聞きをしたいと思います。 大町市は、県下でも特に少子・高齢化が進んでおり、農業の分野では高齢で耕作をやめた方や後継者がいない方、またお金がかかるとの理由から圃場整備を諦めた農家など、次の時代に農業をどう引き継ぐか、大きな曲がり角に立たされております。 そんな中で昨今、県外から大町市に移住し、農業を目指す若者が出始めております。例えば、ワイナリーを目指してのブドウづくりや他の園芸作物などを目指す中で、生活のためにアルバイトをしながら頑張っております。また、今後も大町市へ移住を希望する若い農業者がふえていくことが予想されます。市はどのようにこれら新規就農者を支援しようとしているか、新年度予算の中にどれだけの支援策が盛られているのか、金額はどうか、金額はこの金額で大丈夫か、お聞きをしたいと思います。 彼らの農業が一日も早く軌道に乗ることが将来の担い手を育てることになり、大町の農業にとって非常に有効であります。市は先ごろの全協の中でも、大町創生のために新規創業を支援する姿勢を示されましたが、新規農業はまさに新規創業と同じであります。これは地域創生の原動力になると考えております。できれば、国や県の補助金ばかりではなく、市独自の特色ある支援策を考える必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ところで、このような若者が目指す新しい作物による農業にも大きな影を落としているのが作物を食い荒らす猿の被害であります。私も平成26年にいろいろと実験をしてみました。そして、猿の被害を防ぐのには電気柵と銃のコラボによるゾーンディフェンス、その地域を限って守ること、これが最も有効であることを確信をいたしました。そのため平地区においては、一日も早い電柵の設置をお願いしたいと思っています。しかし、これも予算が足りないということで計画はできていても、なかなか進捗いたしません。何としても前倒しで急いでやっていただくことをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 産業観光部長。     〔産業観光部長(小林敏文君)登壇〕 ◎産業観光部長(小林敏文君) 農業についての御質問に順次お答えいたします。 まず、新規就農者の支援についてのお尋ねにお答えいたします。 市では、新規就農者支援として、平成25年度より経営開始型の青年就農給付金に取り組んでおります。これは、人・農地プランに位置づけられるか、または位置づけられる見込みのある45歳未満の自営就農者が5年間の経営計画を立て、それが認められた場合に年額150万円を最長で経営開始後5年間給付するという制度でございます。現在、市内では4人の方がこの制度を活用し、就農しております。新年度では、新たに3人の就農者を見込んでおり、合計で7人分1,050万円の予算を計上しております。 また、農業の技術やノウハウは持っていないものの、行く行くは農業で生計を立てたいという方には青年就農給付金に準備型という制度があります。これは主として、里親となる農業者のもとや教育機関等で研修する間、年150万円を最大で2年間給付する制度であります。また、この研修修了後に先ほど申し上げました経営開始型に移行し、引き続き助成を受けることが可能でございます。 なお、経営開始型は市が、また準備型は県が実施主体となりますので、就農希望者に対しましては、地方事務所等と相互に密接な連携を図り適切な対応に努めてまいります。 次に、市独自の就農支援者の支援についてのお尋ねにお答えします。 先ほど御答弁申し上げましたとおり、市では新規就農者に対して経営開始型の青年就農給付金で支援をしております。このほか市独自の支援といたしまして、新規就農者で就農後1年以内の方の営農用機械や資材購入に要する経費に対し補助率2分の1、限度額30万円までを助成する制度があり、青年就農給付金と併用し、活用いただいております。今後も新規就農者が取り組みやすい制度となりますよう、就農者等の御意見を伺いながら、市独自の対策についても検討してまいります。 最後に、平地区における猿害についての御質問にお答えいたします。 猿害への対策につきましては、現在、電気柵で農地への侵入を防ぐことと、猟友会の方々による個体数調整とあわせてモンキードッグや追い払い協力員の方々による総合的な対策を実施しております。議員御指摘のとおり、電気柵と個体数調整の組み合わせは重要だと考えております。 市内各地で設置を進めております国の交付金を活用した侵入防止柵は、単に農地を守るだけでなく、個体数調整にもつながることが設置の条件となっております。電気柵の設置後は、その地区では猿を初めとした有害獣の出没数の減少が認められ、効果を確認しておりますが、依然として隣接の未設置場所への出没は続いております。電気柵の設置には地元の方々の御協力が不可欠なことから、各地区の要望をお聞きし、周囲の有害獣の出没ルートなどの情報を集め、県や大学の専門家のアドバイスをいただき、計画的な配置を進めております。 平地区につきましては、地理的に各自治会ごとに単独で設置するのではなく、協力し、共同して設置して行うことがより効果的であると考えられますので、本年1月に地元説明会を開催し、設置要望箇所を県へ要望いたしました。今後も引き続き、被害農家の皆さんと密接な連携をして調整を図り、被害防止対策に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) 質問書を提出した後、土曜日、農業を目指す若い人たちにいろいろと聞いてみました。そうしましたら、農林水産課の皆さんが非常によくやっているということを皆さんからお聞きをいたしまして、これは本当にありがたいことだと。きょう課長、部長、背中の上に本当に後光が差しています。ぜひこれはこれからも続けて、それから向こうから来るのを待っているだけじゃなくて、やはり市内へ、県外、あるいは市外から農業青年を引っ張り込むためにもっともっと方策を考えて、それから制度資金ですが、こういうものもぜひPRしていっていただきたい。実を上げていっていただきたいなと、こんなふうに思っております。 ただ、今ある制度資金もちょっと全体の額としては小さいかなと、先ほどの食とアートではありませんが、これ結構、大町の創生に寄与するあれでありますので、もう少し全体の金額を考えていただきたいなというふうに思います。いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 農林水産課長。 ◎農林水産課長(竹本明信君) ただいまの御質問にお答えいたします。 先ほどはお褒めの言葉をいただきまして、大変ありがとうございます。うちの係の中にもJAの経験のある、農業に携わっていた経験のある者もおりますので、その辺のところの指導といいますか、協力的なところができたのかなというふうに思っているところでございます。 ただいま御指摘のありました就農支援金の金額等につきましては、国の補助の中での金額ということで、この後どのような形で金額等についてふやしていくかというところもありますけれども、当面5年間という期間が決められております。新規就農の方が就農しまして、いろんな形で所得を上げていかなければならないと思いますけれども、その部分で金額が上がってくれば、今度は逆に減っていくというような状況にもなってきます。本来はその形が一番いいと思っておりますけれども、当初の資金面ということであれば、今後、このような形の中で150万円という金額が少しでも上がるような形で何か研修といいますか、そのような形でできれば単独的といいますか、県のほうにも要望しながら、金額の上乗せ等についても検討してまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) 課長はなかなかごそごそとしてよくわからない地味な方なんですが、本当に今回、随分あちこちで皆さんお世話になっているそうなんで、あなたに御意見求めることは、もうしないようにします。ぜひ頑張ってやっていただきたいなというふうに思います。 それで、猿の被害について、いろいろと考えておりましたら、この問題について基本的な間違いに私、気づいたんです。それは、この問題に関係する人々がその立場立場によって目的が微妙に違っているんですね。そのことが今まで猿害対策を大きくおくらせてきた要因の一つではないかとも考えております。 もちろん普通に考えれば、猿害対策とは何かといえば、猿の被害をなくすこと、これが目的であります。しかし、猟友会の人たちの目的は狩猟そのもの、銃が好きで銃を撃つこと、そのため許可さえおりていれば、農地から離れて山の中でも撃っちゃうんですね。また、熊のときと違って猿の場合は、畑や田んぼに出没しているその現場へわざわざ駆けつけるという猟友会はまずほとんどおりません。 それから信州大学の先生たちは、猿の首に発信器をつけて群れの動きや生態調査が目的になっているんですね。もっとも猿害がなくなっちゃったら、信大の先生の仕事もなくなっちゃうんですね。ですから、酒つくるのに酵母菌が働いて、自分のつくった酵母で酵母菌が死んじゃうという、こういった現象と同じようことが起きるわけです。 それから、市役所は猟友会に対して被害をなくすための的確な指示とかお願いをしないんですね。いつも学者や猟友会との人間関係を重視して目立たないように、その一方では、人を雇っておもちゃの鉄砲やロケット花火飛ばして行政の姿勢だけはPRしているんですね。これも全部、猿害をなくすことにはつながっていないんです。 農家はといえば、もう猿の被害で散々電話して疲れちゃって、もう幾ら電話しても状況は変わらないから、もう諦めて市役所へ文句を言う電話をかけることもないと、こんな状況になっちゃっているんです。 これではうまくいくわけがないんで、ぜひこれからは目的が一つであるという、その方向に向けて皆さんの認識を高めていただいて、そして目的が達成されるようにしていっていただきたいなというふうに思います。 この間、常盤のほうは電柵できたんです。そうしたら、泉で大量の猿の出没がありました。これはなぜかというと、平のほうの柵のないところから入り込んで河原を南下して、そして泉に大量出没したと、こういうことなんですね。 ですから、やはり1カ所やってもだめなんで、もうあと残されている部分というのは平のほうがほとんどだと思うんですが、もう皆さんの意見は合意に達しておりますので、ぜひひとつ迅速に対応していただきたいと思います、いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 農林水産課長。 ◎農林水産課長(竹本明信君) ただいまの御質問にお答えいたします。 電気柵、それから複合柵の設置につきましては計画的に行っておりまして、今年度も常盤地区から泉地区のほうに上がってきているというところであります。27年度の計画といたしましては、今の常盤地区とそれから小熊山周辺、源汲地区まで含めてでありますけれども、そちらのものを計画的に行っていくということで、今、その2方面から進めるということで計画しておりまして、28年度の予算についても、そのような形で要望しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 高橋正議員。 ◆10番(高橋正君) 恐らく28年度もいっぱいというような話も聞いておりますが、この問題は大町の創生にもやはりかかわってくる問題であるという観点から、ぜひぜひその迅速な対応をしていただきたいと、こんなことをお願いしておきたいと思います。 課長には聞かないといって聞いてしまいまして、部長が答えていただければよかったんですが、これからも大町に来たいという若い連中をぜひぜひ応援してやっていただきたい、こんなことをお願いして、私の質問を終わりといたします。 ありがとうございました。 ○議長(二條孝夫君) 以上で高橋正議員の質問は終了をいたしました。 ここで、昼食のため午後1時10分まで休憩といたします。 △休憩 午後0時09分 △再開 午後1時10分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第3位、中牧盛登議員の質問通告は1項目です。中牧盛登議員の質問を許します。中牧盛登議員。     〔16番(中牧盛登君)登壇〕 ◆16番(中牧盛登君) 市民クラブの中牧盛登です。 通告どおり、北アルプス国際芸術祭、信濃大町食とアートの廻廊について、市長の考えをお聞きしますので、よろしくお願いいたします。 質問の1、北アルプス国際芸術祭、信濃大町食とアートの廻廊は、2017年6月4日から7月30日までの57日間の会期で開催する予定となっており、現在、実行委員会を立ち上げて取り組んでいます。 まずお聞きしたいことは、この事業全体のイメージについて、どんなことをやろうとしているのか説明をいただきたいと思います。 加えて、北アルプス国際芸術祭開催について、今現在どれくらいの市民が関心を持っていると把握されていますか、お聞きをいたします。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 北アルプス国際芸術祭についての御質問に順次お答え申し上げます。 まず、北アルプス国際芸術祭の全体イメージについて、どのようなことをやろうとしているのかとのお尋ねでございます。 信濃大町食とアートの廻廊は、北アルプスの源流に位置する大町市を舞台に、国際的な水準の現代アートを制作、展示するとともに、大町市固有の生活文化を表現する食などを地域の魅力として提供することにより、芸術の力をかりて、大町の豊かな自然や文化を国内外に発信し、観光誘客の拡大を図ること等を目的に開催するものでございます。開催期間は、来年6月4日から7月30日までの57日間を予定しております。 また、アートサイト、展示サイト、展示エリアといたしましては、鹿島や源汲、大町温泉郷などが位置し、北アルプスの清冽な雪解け水が豊かに流れる源流エリアのほか、青木湖、中綱湖、木崎湖の3つが連なる仁科三湖エリア、JR信濃大町駅を初め、本通りなどを中心とした市街地エリア、また、北アルプスの景観とともに市域全域を、全体を俯瞰できる鷹狩山を中心とする東山エリア、そして、大町市の西部、高瀬渓谷を中心としたダムエリアの5つのエリアを設定いたします。このエリアの中に、具体的な場所を選定し、約30から40人の作家に大町市に滞在していただき、現地でアート作品を制作、展示することといたします。 また、開催期間中は、飲食店や宿泊施設に加え期間限定のレストランやカフェを開設し、さまざまな食プロジェクト等と連携し、芸術祭に訪れた観客に信濃大町らしい食材、食事を提供することを検討しております。 また、芸術祭の期間中には市内におきまして、関連イベントとしてさまざまな観光イベントやお祭りなどと連携し盛り上がりを図りますほか、市民の皆様が取り組まれております芸術文化活動などが開催され相乗効果が図られる機会となります。市民の皆様との協働のもと、こうしたさまざまなイベントとの連携を具体化し、芸術祭に訪れたお客様に、この地域独自の芸術や文化にも触れていただけるよう工夫してまいりたいと考えております。 また、国際芸術祭の機会に、これまでの観光資源や食などの地域資源の魅力を現代アートの持つ強い情報発信力に乗せて発信し、当市の長い間の課題でもありました周遊滞在型観光の実現にも結びつけるよう努めてまいります。 また、市民の皆様にも芸術に関心を寄せていただき、それらの地域資源や地域文化、景観などの大町市の魅力を再認識していただくきっかけとなりますよう努めてまいります。 昨年の大町市人口ビジョン及び総合戦略の策定に当たりましては、私自身、急激な人口減少と地域の衰退に歯どめをかけ地域の元気を再生するために、観光誘客などにより交流人口の増加を図ることの重要性を痛感したところでございます。来年の芸術祭の開催により、現代アートに強い関心を持つ比較的若い年代の観客を中心に市内外から人々を呼び寄せ、新たな人の流れをつくり出すことにより観光客を受け入れ、地域消費の拡大を実現し、ひいては人口減少にも歯どめをかけていくよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。 次に、国際芸術祭の開催について、現在、どのくらいの市民が関心を持っているかとのお尋ねにお答えします。 芸術祭につきましては、市民の皆様に御理解いただき、御参加いただくことが何よりも大切であり不可欠であると認識いたしております。昨年の11月8日にはサン・アルプス大町で、この国際芸術祭を開催する意義などについて考えるシンポジウムが開催され、大町市において芸術祭を開催する目的や基本的な考え方、方向性などについて、参加者の皆さんとともに考える機会となり、開催準備に向けての出発点になったものと認識しております。 また、本年1月16日には、市民の皆様との意見交換会を開催し多くの皆様に御参加いただき、開催についての賛否を交え熱心に議論をいただいたところでございます。 さらに、1月18日からは、大町、平、常盤、社、八坂、美麻の6地区におきまして、昨年10月に策定いたしました総合戦略及び人口ビジョンの説明会にあわせ、国際芸術祭について開催の目的や期間、展示エリアなどの開催概要を説明申し上げたところでございます。地域によって、この芸術祭に対する関心には若干の温度差があるように感じられたものの、賛成、反対の立場の違いは別として、関心が高まりつつあることを実感しております。 これまで、大町市では、地域懇談会や行政懇談会など数多くの機会におきまして、市が直面する課題について、さまざまな御意見や御提言をいただいてまいりましたが、今回の芸術祭には賛成、反対ともに、本当に数多くの御発言をいただいており、市民の皆様には、この点深く感謝申し上げたいと存じます。 現時点では、市民の皆様に詳しく御理解いただくための説明は十分とは申せません。今後はさらに芸術祭の企画概要案や策定中の基本計画に沿って、市内各地区や関係団体での説明会を開催いたしますほか、ホームページ、広報などにより、さらに一層市民の皆様への周知を図り、御理解いただくよう努力してまいります。 芸術祭の成否は、市民の皆様の御理解と積極的な御参加にかかっております。そして、この芸術祭への取り組みの背景には急激に進む大町市の人口減少があり、これを何としても食いとめるために、起爆力の大きな芸術の力をかりて人々を呼び寄せる対策が今極めて重要であることを市民の皆様に御理解いただき、地域の衰退が急速に進んでおります大町市の現状に対する危機感を共有できますよう取り組んでまいります。力を尽くしてまいりますので、御理解のほどをお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) この事業全体のイメージを知るということは、大変この事業を進める上で重要なことだと思っております。 また、先ほどのような丁寧な答弁ですと、余り長くてイメージが湧かないということでありまして、一口でやっぱり表現できるようなイメージをつくり上げて、市民説明の中に、市民に説明するときに入っていっていただきたいと思っています。この答弁は要りません。 質問ですが、国際芸術祭において、北川総合ディレクターは主に何をするのでしょうか。また、実行委員会は主に何をするのでしょうか、お聞きをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、北川フラム氏が当国際芸術祭にどのようなことを、ということでございます。 まず、これは、これまでも御説明をしておりますとおり、総合ディレクターとしての役割があります。これは国際芸術祭全体のいわゆる監修、全体の企画から始まって運営までと、それからさまざまな内容について、これを御自身の経験値から当市のふさわしい芸術祭とするべく監修を受託というのが業務でございます。 それから、実行委員会の役割につきましては、これにつきましては、事業主体が当実行委員会でございますことから、その中の主な、主体的な構成団体が大町市として、大町市が入っているわけでありますが、そのほかにも約60の構成団体の皆さんに御参画をいただいております。でありますので、事業主体として全ての内容について、そこで企画をし、審議をし、調整をして実施をしている、運営をしているという役割を持っております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 総合ディレクターというのは、国際芸術祭の監修を行うという答弁でしたが、ということになりますと、北川総合ディレクターはプロデューサーとして、この芸術祭の全責任を負うということでよろしいですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 北川氏は総合ディレクターでございまして、プロデューサーではありません。したがいまして、この事業の実施責任は実行委員会にあります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) そうすると、もう少しわかりやすく説明していただきたいんですが、北川総合ディレクターは、制作物の作品としての質に責任を持つものということでよろしいですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 北川氏は、総合ディレクターに就任をいただいておりますということにつきましては、まずはさまざまな面がございます。アートの部分におきましては、国際的な芸術祭とすることから、やはり国際的な内容としなければいけないという質の問題等がございます。したがいまして、現在、北川氏が所属しておりますアートフロントギャラリー株式会社に対しまして、アーティストの選定を依頼していると、選定の候補者の選考を依頼しているということとなります。したがいまして、そういった面で、アートに限らず、食につきましても、当市の魅力をどのように発信していくかということについて、総合的な御指示を、監修をいただく中でさまざまな経験をする中から御指導を承るということとしております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 少し耳が遠くなっておりますので、できるだけわかりやすく大きな声で答弁をお願いしたいんです。 次に、実行委員長は市長ですが、実行委員会の事務局長は誰なのでしょうか、お聞きをします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 実行委員会事務局長は、現在当市の職員であります橋井係長でございます。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) その実行委員会事務局長の権限はどこまであるのでしょうか、お聞きをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 事務局長の権限は、事務局を統率するというところであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 事務局長の権限は、大したことはないということでよろしいですか、一口で言えば。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 当然、事務局を総括する事務局長でありますから、事務局においてさまざまな企画の原案をつくりますから、決して大したものではなくて、重要なポジションだと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは、事務局と専門部会、総務部会、食部会、アート部会、広報誘客部会と4つありますが、事務局と専門部会との関係というのはどのように考えておりますか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 先日の全協で御説明を申し上げました資料の中にも、その部分を触れてございまして、まず、実行委員会の組織全体につきましては、約60の団体の皆様から参画をいただいているのが実行委員会です。その中に専門部会を設けてございます。専門部会は、それぞれ、ただいま御指摘のありましたとおり4つの部会に、それぞれ構成団体の実行委員の皆さんに割り振りをさせていただいて、それぞれ分担をして、部会ごとに今後は詳細な企画立案をし調整をしていくということとしたものが専門部会でございます。 それから、事務局は現在人数が少ないわけでございますが、4月1日からは拡充をいたしまして、10名程度の事務局員を配置する予定としておりますが、この10名程度の事務局員につきましては、この4つの専門部会にそれぞれ2人程度配置をしまして、その専門部会でさまざまな企画立案におきます原案等を作成して、そこの部会の運営も事務局が担当してまいります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 専門部会は、自主的に動ける体制なのか、それとも事務局のつくった案を承認するための部会なのかお聞きをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) 両方であります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 自主的に動いていただけるということでよろしいですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 専門部会の事務分掌としましては、部門ごとの、まず企画立案、調整という役割があります。でありますから、ただいまは、現在は全体的なイメージ等はある程度できましたけれども、これを実践に移すために、具体的にそれぞれの部門でどのように詳細な計画をつくっていくかということになりますことから、そこでさまざまな、具体的な企画立案をしていくということとなります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) これまでの質問は、実行委員会の動きがよくわからないということが、今我々市民にとって一番気になっているところだと考えるわけであります。一体今実行委員会で何をしているのか、どんなことを考えているのか、そして、決定権のある人物は誰なのか、決定したことはどのようなことなのか、細かな情報発信が必要ではないかと思いますが、この辺についてのお考えをお聞かせください。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 実行委員会の動きがわからないという御指摘だと思いますが、確かにこれまでの実行委員会の回数を数えただけでもわかりますとおり、非常に開催された回数は少なくあります。この原因といたしましては、やはり市民説明に当たっても、その資料1つをとったとしましても、なかなか効果的な資料ができていなかったのがこれまでの状況でございます。おくれてはいるとは十分承知しておりますが、ようやく前回、先日の全協でお示しした考え方というのがまとまったと。これは2月20日の実行委員会におきまして、それが了承されたということになりますから、この基本的な考え方、企画概要案をもとに、それぞれの部会において、それぞれ詳細な内容、検討に入っていくという状況でございます。 情報発信につきましても、できていないものは情報発信できませんので、できた次第積極的に情報発信してまいります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは、2月25日の全協の資料で説明をされた以外は、何もできていないということでよろしいですね。 それで、次に質問しますが、この芸術祭に取り組むに当たって、決定権のある人は誰なんでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 この取り組みの事業についての最終的な決定権は実行委員長にあります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 一番最終の決定権の権限のある人は実行委員長で間違いないと思いますが、全く別の話であって、北川総合ディレクターの上に立つ、総監督と言われるような人が決定権を握ったほうがいいんじゃないでしょうか。この辺のお考えどうですか。今のお答えですと、市長が常に実行委員会に出てきて、実行委員会の各専門部会とかは、各部会とか事務局の考えたものを市長がわざわざ出向いてきて、一々決定していくというストーリーになるんですか。その辺をお聞きしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 北川フラム氏に全権を委任しているわけで決してありませんで、あくまでも北川フラム氏は総合ディレクターということで、アドバイザー的な役割と考えております。実行主体につきましては実行委員会でありますので、やはり実行委員長が責任があるということでございますが、このように広範な内容になってきますと、全て実行委員長たる市長が、全て全部目を通して決裁するということも事実上不可能な部分もございます。そのために副実行委員長を数名配置しておりますから、場合によっては実行委員長専決というようなことも考えられます。これはこれからのまた運用の中で実施をしてまいりたいと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) やはり大きな予算を使って来年やる事業ですから、もう少し組織的な中身、全く今のような組織で実行できるとは思えないんですが、一番重要なのはやっぱり決定権を持つ人なんですよ。実行委員長が出られなかったら副実行委員長と、そういう人を充てる場合じゃないと思うんです。市長とか、副市長とか、教育長を充てていいような私はこれ事業だと思えないんです。その辺のところは考え方がちょっと違うんじゃないかと思うんですが、もう一度お聞かせください。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 確かに、現時点では組織の構成について問題あることは承知しております。しかしながら、これは当然組織で対応している取り組みでございますので、やはり組織のルールに基づいて実施をしていくということになりますから、実行委員長がトップでございますが、それを補佐するのが副実行委員長、それをまた補佐するのが、それぞれの専門部会の部会長等々のようにだんだん下に権限がおりてきますから、その辺は全てを実行委員長たる市長に報告すると、決裁を受けるということではなくて、それぞれの部分、場面でそれぞれの責任をきちんと所在をはっきりしまして、分担をして進めていくというやり方となります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からも補足して御説明申し上げます。 ただいま企画財政課長から説明申し上げましたように、この仕組みというのは、まず実行委員会が実施主体であり、また、全ての責任を負うことになります。そのトップは実行委員長であります大町市長、牛越徹であります。 その実行委員会は合議制でありますし、また、絶えず常置の会議を開いている状態ではありませんので、そのもとに具体的な準備段階におきましては企画立案、そして調整を進める専門部会、これを現在のところ4つ設けることにしております。また、準備段階におきましても、そうしたいわゆる専門部会と事務局、事務を処理する事務局の間は相当密接な連携をとりながら、双方がキャッチボールをしながら詳細な案を詰めていくという役割を担うものであります。 と同時に、これ一番大事なのは、準備期間がそう長くないということを考えますと、この専門部会と事務局、あるいは実行委員そのものが加わって、いわゆる実施体制、これは20日の日に御説明申し上げました。実行委員会で20日に決定して、そして議会全員協議会でも御説明申し上げました。13ページにあります、この組織図では、やはり実施体制を絶えず念頭に置きながら具体的な調整を進めていく、そういう意味では、準備体制と実施体制は表裏一体のものと考えております。 特に、実施に向かいましては、当然事務局の役割というのは非常に大きくなってまいります。その上で、議員御質問のように、どこに一番の調整の重きを置くか、責任の重きを置くかということで言えば、この事務局の役割は非常に大きなものがございます。 先ほど申し上げましたように、まず、コアな事務局の体制としましては、10人前後を予定して4月からスタートをすることにしておりますけれども、そこには相当責任のある立場の職を置き、その職を担うにふさわしい人材を配置していきたい、そのように考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 準備期間があと1年という短い期間でありますので、今の件については、最後のほうでまた再度お聞きしたいと思います。 次に、この北アルプス国際芸術祭の成功の鍵となるオール大町をどのようにして実現するお考えか。また、手づくりの芸術祭というイメージをお聞かせください。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えをいたします。 この国際芸術祭成功の鍵でございますが、これにつきましては、今御指摘のとおり、いかにオール大町の体制を組めるかというところにあると私は思っております。具体的に、そのオール大町をどのように組むかということにつきましての実践論につきましては、やはり、この芸術祭を開催する意義、必要性について、正確な情報に基づいて、正確に市民の皆さんに御理解いただくことが先決でございまして、その上に立って、いかに具体的にそれを進めていくかというところに早く持っていき、そして、それぞれの皆さん、市民の皆さんからできる範囲で、できる部分でその参画をいただいて、この芸術祭の開催に協力いただく、それをできるだけ早くつくっていくというところがポイントになると思います。それがひいては手づくりの芸術祭につながっていくと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) できるだけ早くということですが、それはそれとして、次の質問に行きます。 アーティストがどんな考え方で作品をつくるのか、アーティストの考えを聞く機会はつくれるのでしょうか、機会をつくれるとしたらいつごろになるのでしょうか、お聞きをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えをいたします。 アーティストの考え方を聞く機会があるのか、また、いつそういった機会を設けるかということであります。 現在、アーティストの選考作業には入っておりまして、基本的にはアートフロントギャラリーに1億5,000万円の予算の範囲の中で、30から40人のアーティストの候補者を選定いただくということになります。このアーティストの選考に当たりましては、北川氏、アートフロントギャラリーに丸投げをするんじゃなくて、そこはあくまでも私ども実行委員会に対して、大町にふさわしいアーティストの候補者を選択いただくという業務であります。でありますから、そのリストを見て、そのアーティストのそれぞれの特徴等の調査に基づいて、実行委員会で数十名のアーティストを決定していくということになります。 したがいまして、アーティストが一人一人自分から申し入れをして、プレゼンテーションをして決めていくというような方法はとれませんので、ある程度アートフロントギャラリーのほうで選考いただいたものをもとにして、実行委員会でそれを決めていくと、そんな手法になる予定でございます。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) ここは大変、オール大町とか、手づくりの芸術祭ということでは一番大事な部分だと思うんですが、市民が1人ずつアーティストの構想を聞きたいと望むことは当然だと思うんですが、このアーティストの考えを聞く機会をつくってほしいんですが、この辺のお考えどうですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 具体的にそういうことが可能かどうかについても含めて検討しなければいけませんが、やはり実行委員会には60のそれぞれの団体の皆さんも多く参加をいただいておりますことから、まずは実行委員会でそうした議論をしてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) 若干補足をさせていただきますと、基本的にアーティストについては、決まったアーティストは地域にまず入っていただく、そして地域の皆さんと十分話をして、地域の皆さんと十分溶け込んでいただく、その上で作品の制作をしていただく、こういう考え方を持っております。それを全体に広げるかどうかということについては、それをさらに検討させていただきたいと思いますが、地域の皆さんとお話し合いなどをする機会に、市民の皆さんに一緒に入っていただくということは可能ではないかなというふうに考えているところであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) よくわかりました。それでは、そのアーティストが地域に入り込むわけですが、そのアーティスト30人から40人、決定できるのはいつごろになるんでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) アートフロントと、その辺の部分について今調整をしているところでありますが、まず最初の恐らくアーティストが決まってくるのが5月にずれ込むんではないか、そして、最終的に30人、40人の皆さん全員が決まるのは恐らく夏場ころまでかかってしまうんではないかというようなお話は今いただいているというところでありますが、具体的にこの時期までと言って、まだ詰まっているという段階ではありません。その状況であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 北川フラム氏に今委託しているわけでありますが、どういう状況なのかということは聞く必要があると思うんですが、聞くこともできないんですか、これ。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 このアーティストの選考の委託の状況につきましては、これは随時電話でも確認をしておりますし、それから私も先週東京のほうへ出向いて状況を把握してきたり、そういうようなことをしまして、常に、できるだけ早くというようなことは再三申し上げております。でありますので、その進捗状況については把握をしております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは、質問を変えます。他市の例では、多くの作品が会期後に撤去され、継続的に展示される作品が少なかったという話を聞きますが、大町市の場合、57日間の会期が終わった後、作品というのはどうなるのか、撤去するのか、それとも残したい作品がどのくらいあるのか、この辺のお考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えをいたします。 まだアーティストが決まっておりませんから、どういう作品ができるかもまだ決まっておりません。したがって、撤去するか保存するかについても、まだ決定しておりません。 以上であります。
    ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) そういう答弁おかしい。開催エリア5つ決まっているわけです。市街地、それから仁科三湖とか、鷹狩山とか、開催エリア5つ決まっていて、このエリアのものは残したいなと思うのは普通だと思うんですが、アーティストが決まっていないから、今答えられませんとか、そういう問題じゃないと思いますが。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) 私のほうからちょっと補足させていただきますと、大体どのくらいの作品がほかの芸術祭で残るのかという話をちょっと聞きましたら、3分の1強というような話もありました。これは当初から室内に置いて何年ももたないという、そういう紙の作品みたいなものも当然あろうし、いろいろな作品の形体によって違うと思いますが、私自身、その3分1という話を聞いたときに、もったいないというのが第一の印象であります。この場所、それぞれのこの5カ所に配置した作品については、できる限り、お金を大きくかけてということでありませんが、展示はしていきたいというふうに考えています。 ただ、それはやはり地元、また、地域の皆さんとも十分相談をして、やはりこの作品をこの地域にとか、場合によっては移設をして、このところにと、こういう話にも当然なってくるというふうに考えておりますので、地域の設置した作品について、その時点で地域の皆さんと話をしていきたいというふうに考えています。 ですから、会場にならない場所に、地域の皆さん、この場所にぜひ欲しいという、ここに移設してというのも当然あろうかと思いますので、そんなことにも応えていきたいですし、なるべく利用をしていきたいというふうに考えているところであります。ちょっと長くなって申しわけございません。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 次に、空き家を使った作品を考えているのかどうかお聞きをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 空き家を活用した展示については、当然市内には幾つかのそういった施設などありますことから、具体的にはまだ申し上げる段階ではありませんが、有効活用を図ってまいりたいと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 次に、この芸術祭の広報宣伝についての考え方と広報宣伝費の総額、どのくらいを考えているのかお聞きをしたいと思います。今、知り得ている広報宣伝費は200万円ですが、これが全部、総額とは思えないんですが、どのくらい広報宣伝費を考えているのか、お聞きをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えを申し上げます。 現段階で広報宣伝費として事業費を見積もっておりますのは、御指摘のとおり200万円、失礼しました、200万円のいわゆるウエブの制作運営費と、それから宣伝営業費で150万円、合わせて350万円を予定しております。これは実行委員会が予算執行をする範囲の広報宣伝ということでございまして、このほかにも考えられますのは、庁内連携によりまして、例えば観光課が通常の予算の執行をする中で、この芸術祭をどのように絡めていくかということについては、また、それぞれ観光課のほうで、また御協議いただいて調整をしてまいりたいと考えています。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 広報宣伝というのは非常に重要かと思うんですが、350万円でよろしいんでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 予算はつければつけるほどいいかとは思いますが、やはり全体の事業費の調整等もございますことから、今回はそのように予定をしております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは、次の質問いたします。 この芸術祭に対する市民の参加者数については、どのくらいを目標にしているのでしょうか、お聞きをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えをいたします。 国際芸術祭に関しまして、当市の市民の参加者数でございますが、これは先ほども冒頭申し上げましたとおり、いかにオール大町の形をつくるかということ等にもかかってくるわけでして、基本的にはその作品を観賞するという参加、それから、それぞれのサイト等で運営のほうに回っていただいて支援をいただく方、それから食等において、それぞれの地元の食材を使って提供していただく方等々、さまざまな参加がありますので、できるだけ多くの皆さんに参加をいただくように今後進めてまいりたいと考えております。今のところ数字的なものは持っておりません。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは、次、2万人の来場者を目指すこととしていますが、これは延べ人数なのか、実人数を目指しているのか、どちらでしょうか、お聞きをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 基本的な考え、概要の中では2万人の来場者ということを御説明申し上げてあります。このカウントの仕方自体もまだ実はしっかり構築してございませんので、早急にしたいと思いますが、やはりこの期間中に訪れた全ての入場者数というふうに考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) よく聞き取れなかったんですが、もう一度お願いいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問に再度お答えいたします。 2万人は期間中に訪れていただいた観客数の総数と考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 食についてお聞きをしますが、信濃大町らしい伝統的な食とは、どのような食事を具体的に考えているのか。そして、食の責任者は誰がつくのかお聞きをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 食につきましては、本日の一般質問でもお答えをしましたとおり、やはり大町の伝統的な、いわゆる料理、それから伝統的な食材、それから、現在大町市で栽培されている食材等を使って、それを使いながらおもてなしをしていくという考え方でありますので、具体的には、メニューとしましては、今予定をしておりますのは、昨年度来開発をいただいたお祭りご膳、こういったものが1つあります。事務局といたしましては、例えばお祭りご膳だけで対応できるものでは決してありませんので、これから新年度におきまして、食のコンテンツということでその開発をしていくと、でありますので、まだメニュー化されていないものがあります。それを具体的に進めていきたいと思います。 それから、責任者につきましては、これは、基本的には専門部会の食部会の部会長さんが、その部分の総括をしていただきたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 食部会長は決まっているわけですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 先日の実行委員会で、その部会分けをしたところまででございまして、まだ部会をその後開いておりませんことから、早急に開催して部会長を選定をしてまいりたいと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) まだ食部会長も決まっていないということですか。幾らにもスピードが遅くありませんか。いつ、この各専門部会の部会長は決まるんでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 確かにおくれているということは否めないわけでありますが、早急に開催をして、選定をしてまいりたいと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) ほとんど答弁になっていないですね、残念ながら。 次に、期間限定のレストラン運営の考え方についてと団体に対応できる食事の提供についての考え方について、今現在どのような考えで進めているのでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 2月25日の全員協議会におきまして、この考え方をお示ししたという中に、そういった既設レストラン等のものがあったということでございますので、お叱りをいただきましたけれども、その内容についてはまだ具体性が全くありません。でありますことから、早急にその食部会でそういった一つ一つの予定をしているものについて、できるかできないかという言い方はちょっとあれですが、考え方として整理したところでありますことから、具体的にどの場所に、どの物件を使って、誰がどのように、何を提供していくかについて、早急に詰めてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 次に、メーンとなる3つのエリアで昼食の提供が必要であるということで書かれておりますが、メーン会場とはどこの地域を指しているのでしょうか。また、3つのエリアでの食事を提供する具体的なイメージをお聞きします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えをいたします。 先日、御説明申し上げました企画概要案の中に、そのような表記といいましょうか、メーンとなる3つの会場というふうにあります。これは、その下に書いてありますとおり、市街地、それから仁科三湖、温泉郷、これの3つのエリアを想定しております。市街地につきましては、やはり既存の飲食店の皆様も現在営業されておりますことから、その皆さん方とやはり協働をして、具体的にどういうものが提供できるかについて検討して、商品開発するなり、既存のものを当市的な出し方をする等々のことについての具体的な作業を進めてまいります。 それから、仁科三湖につきましては、具体的に場所もまた未定でございますが、考え方としましては、やはり湖畔のどこかに、お昼を食べられたり、それからカフェ、コーヒー等が飲めたりするところができればいいのかなというふうに考えております。 それから、温泉郷につきましては、やはりこれは大型のホテル等もございますことから、団体の、例えばバス1台仕立てて来られたような観客さんの場合は、やはり40人くらいの昼食を同時に提供しなきゃいけないということとなりますから、例えば温泉郷のあるホテルに、そういった対応をしていただけないかということについて想定をしているというものでございます。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 私は、鷹狩山から見える景色は信濃大町の一番の自慢であり、ここを中心とする東山エリアは絶好の食事を提供する場所と考えるんですが、東山において、食事を提供するお考えはないのでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えをいたします。 東山エリアが絶好なということでございまして、それは私も同感でございますし、3つのエリアというのは、そこに限定して、そこだけにやるというふうに考えているわけじゃなくて、具体的にイメージしたときに、そのような3つのエリアをお示ししたということでございますので、東山エリアでも可能なところがあれば、それは連携いただける企業等があれば、そのようにまた進めていきたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 次に、アート作品についてお尋ねします。 5つのエリアにおいて30人から40人のアーティストが滞在し、さまざまな地域を表現するとしておりますが、5つのエリアに均等の数の作品をつくるお考えなのか、この辺をお聞きしたいと思います。 それから、水を中心とした大町の魅力を発信するとされておりますが、アーティストは忠実に水を中心とした作品に仕上げていただけるのか、その辺お聞きをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 現在、想定しております5つのエリアは、これまでも説明をしておりますとおりでございまして、そこに何作品が配置になるかについてはまだ未定でございます。それはそれぞれ資源も違いますし、いろいろな状況、環境等も違うということでありますから、平均で幾つというようなことにはならないものと思います。それは今後詰めてまいりたいと思います。 それから、全て水をテーマにした作品となるのかというような御趣旨かと思いますが、決してそうではなくて、代表的なテーマが水ということとなりますから、例えばダムエリアだったらダム本体自体が1つのテーマになるかもしれませんし、東山エリアでありましたら、やはり当市を俯瞰できる眺めのよさ、こういったものから、どのような作品になるかはまだこれからでございますが、決して水に全てテーマを絞ったということではありません。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) このアート作品についてなんですが、まだ未定ということなんですが、実行委員会でやはり、こういうことをきちんと決めていくことがある、そういうのが実行委員会じゃないかと思うんですが、この5つのエリアに、どういう作品をどのくらいつくっていくのかという、それすらも実行委員会では決まらないわけですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 それぞれの5つのエリアごとに、やはり素材、資源が違うということがあります。でありますから、現在、事務局では、例えば源流エリアにはどういう資源があるかという、そのリストアップをしているという作業を進めております。でありますから、その作業と同時進行になるとは思いますが、それぞれのエリアごとの特徴を生かさなければいけませんので、それを洗い出しして、それをフラム氏を通じてアーティストの選考につなげていくということになりますから、それを実行委員会全員が全て共有はまだしておりませんが、これから拡充する実行委員会事務局ではポイントとなりますことから、その辺を作業を進めて明らかにしていく中で、実行委員会全体でも共有してまいりたいと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 開催エリアの1つであります市街地エリア、ここはどういうイメージしているんでしょうか。作品を少なくともどのくらいつくりたいのか、その市街地のイメージというのは先に示してほしいんですが、また市街地で食事を提供するイメージについてもお聞きしたいと思います。あと1年ですから。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 市街地エリアは、大きな5つのエリアの中のやはり中枢を占めるというふうに考えておりまして、位置的には信濃大町駅前から、やはりその本通りの左右といいましょうか、この範囲になると思います。これまでも2014年の市民団体が行った前回の、前回といいましょうか、最初のこのイベントにつきましても、その中のある空き家を使ったりしております。でありますから、町なかの、どこでも勝手にその作品を置くということは決してできるものではありませんから、その中でどのような配置ができるかということにつきましては、やはり制約的なことがありますから、そういったあいている古民家とか、それから市の所有のポケットパークですとか、それからさまざまな駐車場の一角ですとか、そういったことを想定しております。これにつきましては、市全体の市街地の活性化の方向性とも合致したものにしなければいけないということを考えておりますことから、また、商工労政課とも十分相談しながら検討してまいりたいと思います。 それから、市街地におきます食のイメージでございますが、これは先ほど申し上げましたとおり、この市街地には、いわゆる飲食業を営まれている方が多くいらっしゃいますから、まずはそこの皆さんと相談をして、それで、ここで提供できる食について検討していくということとなります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 2月25日の全協でいただいた国際芸術祭の実施工程表があるんですが、この実施工程表どおり進んでいけるのか不安なんですが、この進捗管理をするのはどなたでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えをいたします。 先日、御説明申し上げました実施工程表、ラフな形でございますが、大ざっぱな部分がございます。でありますが、おおむね、このスケジュールにのっとって進めていきたいと考えておりまして、その進行管理につきましては、具体的には事務局が担当してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 事務局長ですね、よろしいですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 事務局長は1名でありますが、事務局員は約10名いますから、その10名がそれぞれの分担をして、工程管理をして、それを事務局として集約するのが事務局長、事務局長はそれぞれ専門部会、それから全体の実行委員会に、実行委員長にそれを報告するということとなります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありますか。中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) それでは、次に、質問を変えます。千葉県の市原市や石川県の珠洲市で行う国際芸術祭は、準備期間2年間をして、3年目に実施をという予定で進んでいます。大町市は1年間の準備期間しかないので、大変な作業かと思います。 そこで、国際芸術祭の開催で、大町市は来年の6月から開催します。そして、石川県の珠洲市は来年の9月から、いわゆる3カ月後に開かれる予定になっております。その珠洲市のホームページには、9名のアーティストの名前が顔写真つきで掲載も既にされております。さらに、総合ディレクターの北川フラムさんの芸術祭に寄せるメッセージも既に掲載されているということで、広報宣伝というものをしっかりとやられているように見えますが、この珠洲市より3カ月前に開催予定の大町市では、いまだに国際芸術祭のアーティストさえ決まっていないという状況でありますが、この事実を実行委員会では御存じでしたか。まず、それをお聞きしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 珠洲市は御指摘のとおり能登国際芸術祭ということで、当市の開催の後開催されると、同じ年度でございます。そこのホームページ、私も十分承知をしておりまして、あそこにはもう既に9名のアーティストが決定しているということでありますが、これは実行委員会全員でそれを認識しているかはちょっと確認できませんが、事務局は当然それを承知しております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 最初のほうの質問に戻るわけですが、来年国際芸術祭を実施するに当たりまして、いわゆる立案とか、人事、予算、そして企画、営業といった、いわゆる政策全体を統括する職務ですね、責任を負う人、いわゆる国際芸術祭を監修するための総合プロデューサーの配置が必要ではないかと私は思うんですが、お考えをお聞きしたいと思います。 先ほど北川フラム総合ディレクターの話をいたしましたが、総合ディレクターというのは、あくまでも作品としての演出家としか私には思えません。この芸術祭を全体統括し、全責任を負う総監督といいますか、総合プロデューサー、この配置が必要だと思いますが、この辺いかがでしょうか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 総合ディレクターでなくて総合プロデューサーが必要ではないかという御提言だと思われますが、総合プロデューサーがどういう役割をするかということは十分承知はしておりませんが、やはり実行委員会が主催をしておりますから、やはり全体のいわゆる監督は実行委員会の長である実行委員長にあると思います。それを補佐するために、事務局がそれぞれ拡充してつくことになりますことから、その事務局の役割も極めて重要なことになっていくと思いますので、それぞれが、1人の人がプロデューサーをするんじゃなくて、大勢の皆さんで、それぞれ分担をしてプロデュースをしていくということになると思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) これまでの答弁を聞いて、また、今の答弁を聞くと、実行委員会でやるからいいということですが、来年の開催日に間に合うかどうか、大変不安を感じています。私とすれば、もう少し準備期間をとって、開催日を1年先延ばしにしてはいかがでしょうか。今の答弁をお聞きすると、そのように考えるんですが、お考えをお聞かせください。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) 監修するプロデューサーのところへ、ちょっと若干戻りますけれども、現在のこの当たっているプロデューサーについては、事務局長ではなく、企画財政課の市河が、その総合プロデューサーの役割を担っております。そして、この4月からは新たに課を新設いたしまして、その立場がどういう立場になるかは、これはまた、市長が配置をしていただけると思いますが、総合プロデューサーを担う人材の職員を配置していただくことに私はなろうかというふうに思っております。そういうことで、しっかりした体制を組んでまいりたいと思いますので、来年実施をしてまいりたいというふうに考えております。 それと、もう1点、先ほどでき上がった作品について、移設をということで若干お話ししたんですが、ちょっと漏れていましたので申しわけないですが、著作権自身は作家の皆さんにありますので、一応作家の皆さんの了解を得た上で移設ができるということでありますので、ちょっと、その分だけ訂正させてください。お願いいたします。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 開催を延ばしたらどうかという答弁されましたかね。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) 答弁はいたしたつもりだったんですが、しっかりした人材を配置して、当然1年の間に確実に準備をいたしますので、来年実施という方向でお願いしますということで申し上げたところであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からも補足を申し上げます。 まずは、先ほどの中牧議員紹介いただきました食とアートの開催概要の中に、実施工程表というものをお示しをいたしました。非常に細かい資料ですので見にくいところがあるかと思いますが、例えば、この全体の1年間、これは去年の11月からの全体像を示しておりますけれども、その中で、それぞれきちんきちんと事務を進めることによって、来年の6月4日の開催に間に合うようにスケジュールを組んでおります。これにつきましては、これまでもアートフロントギャラリー、実際に計画づくりを進めているところとも連携をとりながら進めてきているものでございます。 そうした中で、先ほどアーティストの選定がおくれているんではないかというお話がありました。これは3月の上旬ぐらいからそれぞれ招待作家に対する調整が始まります。これは全て30人なり40人が一括まとまって決まるものではなく、これは5月、あるいは、中には調整に手間取って7月ぐらいになるものも含まれていると思いますが、それも、この工程表の中に示されているところでございます。 と同時に、地元の皆さんとの調整が必要、あるいは市民の皆さんとの説明なども必要ということで、これは候補者として、制作作家の候補者として固まってきまして、その都度住民の説明、あるいは作家とのお見合いと書いてありますが、作家と地元の皆さん、あるいは市民等の皆さんのお見合いといいますか、会ってさまざまな意見交換する、そうした機会をつくるということになります。これは相当長い期間、何回も会を重ねて行うことが想定されるところでございます。 そうした中で、1年間延ばしたらどうかというお話がございました。私自身も市民意見交換の中でも時期尚早、あるいは1年かけて市民協働の仕組みをもう1回つくり直したらどうかという意見をいただいております中で、真摯に自分と向かい合って考えたところ、やはりこのスケジュールに従って進めることがさまざまな環境の中でベストではないかと考えるところでございます。そうした中で、既にさまざまな財源調達の方法も含めて具体化が進んでおりますので、来年の6月4日までには何としても開催に間に合うような万全の体制を組み上げていきたい、そのように考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 最初の質問に戻るわけですが、総合ディレクターと総合プロデューサーの違いというのは、ちょっと皆さん理解していないように思うんですが、総合プロデューサーはディレクターの上司となるわけですよ。今、総務部長の答弁では、企画財政課長が総合プロデューサーみたいなものだと言いました。そうしたら、ディレクターの上司だったら、もっと決定権があるはずです。どんどん決めていってもらいたいんです。総合ディレクターともどんどん話を進めてもらいたいです。そういう役割が総合プロデューサーという責任者ですよ、これ。それが今は企画財政課長だとおっしゃいましたが、企画財政課長は実行委員会の組織を動かすことすらできないじゃないですか。専門部会がまだ部会長まで決まっていないと。本来、企画財政課長が本当にプロデューサー、総監督の全責任を負う方だったら、どんどん組織をつくって組織を動かしていかなきゃいけないんです。紙に書いたとおりに進めていかなきゃいけないんですよ。 ですから、皆さん以外の中からやっぱり、もっと力を持った総合プロデューサーという、全責任を負える、職務を負える、こういう人材が私は必要だと思うんですが、その辺、市長いかがですか。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 先ほどの御答弁の中でも、まず、実行委員会は合議制で、それが最終的な責任を持ちます。そして実行委員会の長は実行委員長であります。そうした中で、まず、プロデューサーというのは、やはり非常勤の職ではありますが、実行委員長が担うべきであります。そして、そのもとで、13ページにあります、その組織図に従って実行委員会の組織のもとに総合プロデューサーが、北川フラム氏が担うということになります。 そうしますと、まず、芸術分野を中心に監修を行う、その責任は総合ディレクターが担いますけれども、この食とアートの廻廊全体の、国際芸術祭全体の責任と指示は私が出すことになります。ただし、常勤ではありませんので、これは中牧議員が一生懸命御提案いただいておりますように、事務局の長としての事務局長、これは非常に重要な役割を担うことになります。具体的な調整と事務的な判断及び上司であります実行委員長への連携というのは極めて重要な役割になりますので、相当の重い職と考えておりますので、この重い職を担っていくにふさわしい人材を配置するよう全力を尽くしてまいりたいと考えています。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) 非常に、このプロデューサーとディレクターにこだわるんですが、実際的な話、市長とか副市長がプロデューサーにはなれないですよ、やっぱり。これだけやっているわけにいかないですからね、仕事を。オール大町のまちづくりの仕事の長である市長が、この国際芸術祭のプロデューサーなんていうのは、それは無理な話です。だから、市長はもっとプロデューサーよりまだ上にいる人なんですよ。ですから、この国際芸術祭だけを考えたときには、やはりディレクターの上司となるプロデューサーになるような人材が必要だということを言いたいわけですけれども、それなりの人事異動ができるわけですか。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員の御提言もっともというふうに思います。しかしながら、この食とアート、国際芸術祭を担うには、先ほど申し上げましたように、実行委員会のもとできちっとした事務の総帥を、事務の総覧をできる人材を配置する、これはやはり一番重要な点であるということを私自身も認識しております。そのために組織としての事務局及びその事務局の事務を総覧し、そしてプロデューサーであります実行委員長をきちんと補佐できる、それは総合ディレクターと対等の関係で事務を推進できる、そうした人間を配置していきたいと、そのような人材を見出して配置していきたい、そのように考えるところでございます。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 中牧盛登議員。 ◆16番(中牧盛登君) ぜひやはり、もしこの芸術祭を成功に導くためだったら、実行委員会の組織を組織としてやはりきっちりつくって、それで、ぐいぐいと動かしていっていただかないと、とてもじゃないけれども、来年6月には間に合わないんじゃないかと、アートは間に合いますが、ほかのことは難しいんじゃないかというふうに思っています。 そこで、最後に、実行委員長であります市長の、この芸術祭にかける覚悟をお聞かせください。
    ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 先ほど1つの例として食の分野の、いわゆる企画立案組織であります食部会の設立がおくれているというお話がございました。その指摘のとおりでございます。しかし、まず、今回のそれぞれの企画概要を固めましたのは、ようやく2月20日の第3回の食とアートの実行委員会の総会でございました。それをもとに前回、全員協議会で御報告申し上げたところでございます。 実行委員会では、この構想図、正式に実行委員会におきまして決定されました。この構想と実施体制に基づいて事務を進めております。既に実行委員会の事務局では、それぞれの構成団体に、それぞれの分野ごとに4つの部会を構成する実行委員会の事務局としての内案を投げかけまして、そして、実際に参加いただく、実行委員会の構成団体の長に御就任いただくのか、いわゆるそれぞれの部会、専門部会に参画いただくのか、あるいはそれぞれの団体中で、よりそれぞれのテーマにふさわしい人材を出していただくのかそうしたものについて、既に名簿、どのような人材を選出していただけるかという打診を既に文書で行っております。それがとりまとめられたところで、それぞれの部会が構成され、そして部会の活動がスタートすることになります。 そうしたことから、若干おくれているという指摘はそのとおりでありますし、また、私どもは2014年の、先ほども紹介がありました市民の皆さんの有志で行いました第1回といいますか、食とアートの廻廊2014、これでの経験もあるわけでございますし、また、全く市民の皆さんの有志で取り組んできていただいております木崎湖を中心とした原始感覚美術祭、5回、6回にわたるさまざまな経験、そうしたものを十分この企画の中に反映していきたい。そして、何としても来年の6月4日には笑顔で多くのお客様を内外から迎え入れることのできるように準備に万全を期してまいりたいと思います。 その全ての責任は、特に、これは大町市の市政の全ての政策分野における責任と同じように、これも総合戦略に位置づけた重要な地域の活力を再生する非常に重要な政策でありますので、私自身が重い責任を担ってまいりたい、そのように考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) よろしいですか。 以上で、中牧盛登議員の質問は終了をいたしました。 ここで午後2時40分まで休憩といたします。 △休憩 午後2時25分 △再開 午後2時40分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第4位、平林英市議員の質問通告は1項目です。平林英市議員の質問を許します。平林英市議員。     〔12番(平林英市君)登壇〕 ◆12番(平林英市君) 日本共産党の平林英市です。 北アルプス国際芸術祭について質問いたします。 1、市民の意見について伺います。 来年6月から開催される国際芸術祭の関連予算が3月議会に5,000万円計上されております。この芸術祭に対する市民の熟知度や評価をどのように受けとめているか伺いたいと思います。 2番目に、事業内容について伺います。 ①北川フラム氏を総合ディレクターとして1億5,000万円の委託料を支払うとしています。経費の詳細は、芸術家の技量がわかってしまい、適正な価格を明らかにしないとしていましたが、2月19日の全員協議会で、北川氏は市長には詳細を明らかにすると明言しておりました。当然議会にも報告して市民にも明らかにすることを求めるわけでございますが、いかがでしょうか。 ②北川氏は全員協議会で、芸術祭は私が総合ディレクターで行うから1億5,000万円と、最低の費用で芸術祭が行えると発言しております。行政は根拠があって1億5,000万円の予算計画を立てていると思いますが、その根拠を明らかにしてください。 ③平成27年11月13日に、文化庁に地域活性化・国際発信推進事業の助成金5,000万円を申請しております。その申請の中身は詳細な実施計画をつくって提出しております。議会に報告する前に国への助成金申請は、まさに議会軽視ではありませんか。 ④北川氏やアーティストは地域外の人々です。地域外の人がどうして大町の文化・歴史、民俗芸能に密着した芸術作品ができるのか。芸術祭開催の目的として、地域の住民の参加と協働による手づくりの芸術祭を上げて市民参加を強調していますが、どのようにして市民の協力が得られるのか。さらに、地域おこしと地域の魅力を世界に発信することを目標に掲げています。まさに私は大風呂敷を広げて誇大な宣伝をしているように思いますが、いかがでしょうか。 ⑤実行委員会のメンバーは芸術祭の中身を知って参加していますか。全員の承認を得ているか伺いたいと思います。 これで1回目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 国際芸術祭の御質問にお答えいたします。 市民の熟知度や評価に関するお尋ねでございます。 市民の皆様にはこれまで、昨年11月の国際芸術祭のシンポジウムや本年1月16日に開催しました市民意見交換会、そして、フラム塾などを開催してまいりましたほか、1月中旬からは、総合戦略の説明会にあわせ、市内6地区におきまして、芸術祭開催の骨格となります開催概要を御説明申し上げたところでございます。これまでの段階におきましては、国際芸術祭の企画概要案や基本計画が策定中であり、具体的詳細な説明を申し上げるに至ってはおらず、そのため未確定な情報や事実とは異なった情報をもとに疑問を抱いている市民の皆さんがいらっしゃることは十分承知いたしております。また、1月の意見交換会の席上でも、賛成の御意見とともに批判的な御意見もいただいたところでございます。 国際芸術祭の開催は、昨年の大町市人口ビジョンと地方創生総合戦略の策定の中で、急激に減少する人口動向に鑑みまして、地域社会の衰退と地域経済の危機的な状況が想定されます中、何としても人口減少に歯どめをかけるために抜本的な対策が必要であり、そのため、人を引きつける強い力と情報発信力を持つ国際芸術祭を開催することにより、交流人口を増加させ、地域の元気を再生させることを目指すものでありまして、芸術祭開催のこの意義を市民の皆様に、まず御理解いただくことが重要と考えております。 大町市の将来を担う若い世代の皆さんに、元気な大町を引き継いでいくための取り組みであることをまず御理解をいただきたいと存じます。今後は、先日の全員協議会で御説明いたしました企画概要案や基本計画に基づきまして、何度も回を重ねて丁寧な説明に努め、市が実行委員会の主体となって取り組む国際芸術祭開催の意義や具体的な内容等につきまして、正確な情報をお伝えして真摯な議論を積みかねることにより、国際芸術祭をつくり上げていくことが何よりも大切だと考えております。 そして、より多くの市民の皆さんに関心を寄せていただくことにより、国際芸術祭の開催に向けて積極的に御参加いただけますよう粘り強く取り組んでまいりますので、議員の御理解をお願い申し上げる次第でございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。     〔総務部長(勝野 稔君)登壇〕 ◎総務部長(勝野稔君) 私からは、残りの御質問にお答えをいたします。 まず、作品制作費についてのお尋ねでございます。 来年度開催を予定しております国際芸術祭における作品制作費につきましては、これまでも御説明申し上げておりますが、1億5,000万円以内と想定しており、合計30から40作品の材料費や工事費、作家への謝金、滞在費や交通費などが含まれております。これらの経費は、実行委員会が作家を選定し、それぞれ契約して直接支払うのではなく、作家の選定から交渉、作品の制作監修などの総括的な業務を全国的な実績と専門知識を有しているアートフロントギャラリーに委任して行うものであり、新潟県十日町市の大地の芸術祭や香川県の瀬戸内芸術祭などにおきましても同様の方法を採用しております。 議員から、先ほど2月19日の全員協議会と発言がありましたのは、2月12日ではないかと思われますが、その折に、北川氏から市長に詳細を伝えるとの発言がありましたが、これらの業務を発注するのは実行委員会であり、どの作家に幾ら支払ったかなどの詳細は、業務完了後、実績報告として市長にではなく、実行委員長に提出されることとなります。実行委員長宛てに報告されましたこれら制作費の内訳につきましては、制作者の権利及び利益が著作権、著作者人格権等により保護されており、一例を申し上げますと、東京都千代田区にあります国立近代美術館が作品を購入する場合にも、制作者が生存している間は、その購入価格を公表しないこととしておりますように、公表することにより、作家のその後の活動に支障を来すおそれがありますことから、大地の芸術祭、瀬戸内国際芸術祭と同様に公表できないものと考えております。 なお、制作者から公表することを了解いただいた作品については、公表できるものと考えております。 また、個々の作家への支払額の公表は困難としましても、例えばアートサイトごとにまとめた形で公表できるよう調整してまいりたいと考えております。 次に、作品制作費の根拠についてのお尋ねにお答えいたします。 来年度開催を予定しております北アルプス国際芸術祭における作品制作費は、総額1億5,000万円以内を想定しており、その積算根拠は、1,000万円から1,300万円クラスが5から7作品、500万円クラスが5から7作品、200万円クラスが20から25作品と想定しているところであります。 次に、国への助成金申請についてのお尋ねにお答えいたします。 御指摘の助成金は、文化庁所管の平成28年度文化芸術振興費補助金で、昨年10月19日から11月13日までの間公募があり、助成金申請の前段階として、実施計画書を提出したものであり、文化庁から補助事業としての採択通知をいただければ初めて補助金交付申請を提出するものであり、当市では現時点において補助金交付申請はいたしておりません。常に国や県、広域的団体等が実施するあらゆる補助や助成制度に目を配り、特定財源として可能な限り確保に努め、市の一般財源の支出の抑制を図ることは、市の財政運営上極めて重要であります。 したがいまして、事業計画書提出の段階では、当該年度における予算執行を伴うものではなく、事業を執行する行政の責任において必要な準備のための事務を行うものであり、他の多くの事業と同様に、この段階において、仮にその都度議会に報告しないことがあっても、議会軽視には当たらないものと認識をしております。 次に、市外の作家が市の文化・歴史、民俗芸能に密着した芸術作品が制作できるのかとのお尋ねにお答えいたします。 まず、国際芸術祭になぜ現代アートを活用するのかということにつきましては、市のさまざまな地域資源や、その地域の魅力を引き出すために、現代アートの創造性を活用するというものであります。大町市内に住んでいない作家では当市に密着した作品の制作ができないのではとの御指摘でありますが、確かにそうした懸念が全くないわけではありませんが、逆に、ここに住んでいるからこそ価値に気づくことなく見過ごしている資源や魅力が少なくないものと思っております。 こうしたことから、作品をつくり上げていく過程におきまして、作家と地域の皆さんの交流を通じ、作家に地域の魅力を理解いただくとともに、地域に住む私たちも、それまで気づかなかった魅力を改めて認識することにより、郷土大町に対する誇りと自信を持てるよう取り組んでまいります。 そして、市民の皆様に、芸術に関心を寄せていただくことに加え、芸術が持つ人を引きつける強い力と情報発信力を最大限に活用して、大町市の魅力と地域ブランド力の向上につなげ、より多くの観客が訪れるよう努めてまいります。 次に、実行委員会の構成メンバーは、芸術祭の内容を知って参加しているのかとのお尋ねにお答えいたします。 現時点で、実行委員会に御参加、御参画いただいている構成団体は約60団体であり、加入に当たり加入申込書を提出いただいております。国際芸術祭の内容につきましては、これまでも芸術祭の名称や開催期間、展示するアートサイト等、基本となる内容を決定する時点や、具体的なイメージを内容とする企画概要案を決定する時点で、その都度実行委員会を開催し、協議し、承認を受けております。今後も詳細な内容が集まり次第、順次実行委員会を開催して協議を行い、承認を受けてまいることといたします。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 私は、多くの市民から芸術祭についての意見を聞いてまいりました。ちょっとここで御披露申し上げますけれども、圧倒的な意見は、やっぱり税金の使い方に疑問を持つ市民が多いということです。例を挙げると、主婦の意見として、大変な節約をして生活を切り詰め、爪に火をともすようにしても税金だけは納めていると。市長は、その実態わかっているのかな、こういう意見。また、現代アートの祭典は、それらの作品を好む人たちがその責任で実施して、市は補助金として少額の助成をすればいいんじゃないかと、あくまでも事業主体は民間主導だと、こういう意見もありました。さらには、小さい市町村ほど厳しい財政状況にあり、ハード事業が多い中、芸術文化はその後でもいいではないか、高齢化が進む中で、高齢者福祉を、そういう予算を回すべきだ、さらには、国も自治体も子育て支援を打ち出しているじゃないかと、そういう重視している子育て支援に予算を回すべきだと、このような声が非常に多く聞かれたわけですけれども、市長、このことについて、どう受けとめていますか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問に順次お答えをいたします。 最初に、さまざまな市民の意見があるという御紹介をいただきました。税金の使い方の問題がまず1点目にございました。これはさまざまな捉え方はあると思いますが、やはり先ほど来市長からも答弁をしておりますとおり、今、何をやらなければいけないというところに立ったときに、やはり今やらなければ将来につながっていかないというものがあるはずです。でありますから、始めないことには将来の大町がないという意味からして、この今回の国際芸術祭は、将来の大町市を守るために、これを起爆剤としていきたいという考え方から、将来の投資という部分でお金を使っていくという考え方に立っております。 したがいまして、他の子育てとか福祉、そこの予算を削ってここに回しているわけでは決してなくて、当初予算を見ていただければ十分わかると思いますが、きちんとその部分にも手当てをした上で、なお、厳しい財政状況の中でありますが、国や県等々の助成金を賜りながら何とかこの事業を進めていきたいということでございますので、現在の大町市の置かれた立場を十分御理解いただいた上でこの事業を、理解をした上でこの事業を進めていくという基本があることを御理解を賜りたいと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からも補足を申し上げたいと思います。 市民の皆さんの中に、財政、この2億円という総事業費で行う、それに対する御批判もあることは十分承知しております。その中に誤解も含まれているように思いますので、少し補足をさせていただきます。 2億円は総事業費でございます。そのうち市が直接負担する額は1億円以内と決めております。その内訳も一般財源で負担するのは6,000万円でありますし、また、今定例会に提案しております28年度分の予算で5,000万円、先ほど御質問にありましたように、5,000万円計上しておりますが、そのうちの2分の1は基金からの繰り入れでございます。できるだけ市民の皆さんからいただく税金を圧縮する中で工夫してまいりたいと考えております。2億円のうちのその他の1億円は、これは国や県の助成金、民間の寄附、あるいは入場券収入などを充てる、そうしたことにより、できるだけ少ない市民の皆さんへの負担で何とかこの国際芸術祭を進めていきたいと考えるところでございます。 そして、これも御質問にありましたように、1億5,000万円というお金で30人なり40人のアーティストを招聘し制作をしていただくことになりますが、これにつきましても、北川フラム氏がおっしゃっている、最低の金額でというふうにおっしゃっている、その意味ですけれども、国際的な品質の高い国際芸術祭にアーティストを呼ぶのは、少なくとも30人なり40人が必要だという考え方に基づき、しかも、その30人なり40人という考え方は、やはりここに訪れていただく観客の皆さんには1日ないし1泊2日の滞在周遊を前提として配置すれば、この地域に、いわゆる消費として貢献できる効果も大きいではないかということで、一番コンパクトな形でそれだけの人数を想定し、また、その人数のアーティストを招聘するためには、やはり国際的なこうした芸術祭を手がけている北川氏ならではの手腕で招聘できるということの意味を説明したものと考えております。 そうした中で、ただいま企画財政課長からも説明申し上げましたように、やはり市の他の行政分野に支障があっては当然なりません。そうしたことから、昨年の秋には文化芸術基金を議会の議決をいただき造成を始めているところでありますし、長期間にわたる、この3年間にわたる財政運営の中でも、この国際芸術祭が他の事業分野に影響の出るようなことは一切ないように取り組みを進めてまいります。 と同時に、これも答弁にありましたように、例えば、きょう大勢の傍聴の皆さんお見えになっておりますが、高齢者の皆さんには、やはりさまざまな福祉の施策は他の地域に抜きん出て取り組みを進めてきております。例えば、広域連合で進めております介護料金の水準は、介護料の水準は県下でも中位以下に抑えてきておりますし、また、本年度では、広域連合におきまして、認知症の方のグループホーム1カ所を大町市内につくることとしております。それにつきましても、広域連合での事業計画に基づきまして、市といたしましても、たしか3,000万円余の、地元としての補助金を用意することとしております。 また、子育て支援につきましても答弁がございました。私どもは、平成22年の国勢調査において、初めて大町市の人口が3万人を切ったときに、それを危機感、危機的な状況と考えまして、もう既に4年前から重点プロジェクトの中で、とりわけ子育て支援には力を入れております。従前から、その重点プロジェクトをつくる前から、例えば出産祝い金、第1子5万円、第2子8万円、第3子には10万円を申し上げるという、いわゆる経済的な負担に対する応援をさせていただいております。これは県下で、19市ではたしか現在でも大町市だけの制度であります。そのほか定住・移住促進という観点から、お金がかかり始めます保育所に入るときには3万円の、また、小学校に入るときにも3万円の地域商品券などを申し上げる、そうした取り組みを進めております。 こうした施策は、なお、これで十分ということはございません。なお、これからも力を尽くしていかなければならない、そのように考えるところでございます。この点はぜひ御理解をいただきたいと存じます。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 今、予算のことを言われましたが、私、今ちょっと感じたんですけれども、芸術文化の基金を繰り出したということを言っていましたが、この基金であっても、私は一般財源だというふうに見ていますけれども、違いますか。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 基金というのは、もちろん、まず、地方公共団体、これは国も同じなんですが、その年度に収入される収入と歳出、支出をバランスとるというのはまず原則でございます。しかしながら、年度間の財政の支出というのは必ず変動があります。そうした変動に対応するために、あるいは特別大きなプロジェクトなどに充てるために財政調整基金というものを設けております。財政調整基金は、初めから計上して予定するものもありますけれども、昨年の秋に造成をお願いしました芸術文化振興基金は、その前の年、26年度の決算において、節減によって生まれた決算剰余金の中から充て、また、一部は市外からふるさと寄附として寄せていただいたもの、そうしたものを原資として造成したものでございます。もちろん一般財源とし充当する場合もありますけれども、昨年の秋に造成しました芸術文化振興基金の3,000万円は、そのようにして生み出したものでありますことを御理解いただきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 私の言うのは、基金であっても一般財源から出ているものだということです。 それから、ふるさと寄附金についても、これ本当にこういうものに使われてほしいという形で寄附金出しているのかと、この辺が非常に大きな疑問あります。 続けていきます。大町市の自然環境、山に憧れて、現役後Iターンして移り住んだ人は、私たちこそ新鮮な目で大町を見ているんではないか、すなわち自然を阻害するような芸術作品は要らない、自然に憧れてIターンした人たちのこうした意見を行政はどう受けとめているか伺いたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 後段の部分はちょっと聞き取れなかったんですが、再度すみません、もう一度、自然を阻害する後の御質問をもう1回、申しわけありません。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 阻害するような芸術作品は要らないと、自然に憧れてきたIターンした人たちは、こうした意見をしていると、これはどう受けとめているかという質問です。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 前提としまして、その現代アートが自然を阻害するという御認識の上で御発言をされていると思いますので、私はそう思いませんので、そのようなことがないと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 先ほどの全協、2月11日だと、私は違うことを言ったそうですので、訂正したいと思いますので、お願いします。 それでは、北川氏が提出した、先ほどの言った事業費1億5,000万円の内訳は明らかにならないと、これはやはり著作権の問題があって公表できないと言っておりました。しかし、あの全協のときは、はっきりと北川氏が、私は、先ほども実行委員長と言いましたけれども、実行委員長だと思いますけれども、市長には明細に明らかにすると、こう言っているわけですよね。何で、その市民の税金が使われているのに、一々その作家の著作権云々のことを言って公表できないのか、これは明らかにするべきだと思いますが、どうです。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 全協で北川氏が市長にというお話をしましたが、これは実行委員長にということで御理解をいただきたいと思いますが、北川氏は、何も最初から公開をしないと言っているわけじゃなくて、業務委託を受託した上で、業務としてそれぞれのアーティストに、30から40人のアーティストにお金を払うと、その詳細については業務実績報告書として実行委員会に提出することは、最初からそれは言っておりました。 ただ、議員の御指摘の部分は、それを実行委員会がその報告を受けた明細ですね、それを公開にするかどうかと、そこの部分なんです。ですから、それにつきましては、先ほども御答弁いたしましたけれども、これは著作権、それから著作者人格権という部分から、その著作者の権利を保護する、そういった法律もあります。そこに加えて、国立近代美術館の例も申し上げましたけれども、国の施設であってさえも、そういったように、いわゆる情報公開の視点からいって、アーティストのいわゆる制作費というものは個人情報に当たるという判断があるわけです。これは当市がそう勝手に思っているじゃなくて、これは公の見解でありまして、ですから、衆議院が絵画を買う場合にあっても、その購入価格は公表しないというふうにされております。ということは、やはり個人情報の保護という観点から、それを公表することによって、その作家が、その後の活動に影響を来すと、そういうおそれがあるから、そのために個々の、お名前は公表しますけれども、その作家に幾らお支払いしたということについては、公表をしないというのが、それが一般的な考え方と、それを私どもも準用していくと、そういうものであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 私はその辺が納得できないんですけれども、行政がなぜそういうアーティストのある権限を守ってやるのか、北川氏が出したものなら正確に出せばいいじゃないですか、別に。それをこだわることないと思います。 それでは、進みますけれども、まさに公共事業だと思います。ですから、きちんと出すべきものは出す、市長のところまで来ている、市長というか、実行委員長のところまで来ているものが出せないというのはおかしいですよ。これはどうしても出していただきたいと思います。 それで、その全協の席でも、こういうことも言いましたね、私がやるから最低価格だと、できると、こういうことを何回も強調しました。これはやっぱり行政にもその詳細な事業内容のその根拠というものがあると思うんですよ。それでなければなぜ最低価格と言えるのか、私もあのとき本当にカチンときましたけれども、北川氏の市民を見下した上から目線の態度に、本当に怒りさえ感じました。北川氏と契約する事業に根拠も示さず1億5,000万円、これを丸投げすると、これは納得できないですが、その根拠を示してください。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 根拠については、先ほど部長から答弁したとおり、1億5,000万円の積算、それが根拠です。ですから、何か商品をこれから買うとか、そういうことじゃなくて、これから制作をして、物をつくってもらうという、そのいわゆる材料代からいろいろなさまざまな滞在費とか、そういったアーティストの謝金も当然入っておりますが、それらをいわゆる幾らのクラスの作家が何人、それを何人で、合計幾らと、これがいわゆる私どもの仕様書です。これに基づいて北川氏の事務所はそれに見合って大町のさまざまな魅力を発信、表現できるアーティストの候補者を選定していると、そういうことであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) 作品の制作費の公表のことでありますけれども、全員協議会の中でも北川フラム氏が発言しておりましたけれども、作品についての所有権は大町市に帰属をする、これは実行委員会ということになるわけでありますが、そして、著作権はあくまでも作品の制作者が持っているという内容であります。そういった意味で、著作権を購入してしまえばある程度のものは出せることは当然ありますけれども、あくまでも著作権を所有している作品でありますので、市として全く公表しないんではなくて、全ての作家に公表していいですか、どうかということをお伺いはします。そして、公表して差し支えないということの了解が得られた作品については、公表をする予定であります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 今、私の聞いたのは、北川氏が最低価格で1億5,000万円でできると、そこの根拠は何かということを聞いたんですけれども、先ほど部長の答えたのは、1,000万円から1,300万円を5点から7点と、それから500万円クラスを5点から7点、200万円クラスを20点か25点、こんなような数字で答えたような気がするんですけれども、これの根拠を示してくださいというんですよ。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) でありますから、国際芸術祭という名を打って開催するには、国際芸術祭なりのやはり品質というものがあるわけです。それについては、先ほど議員からも御指摘あったように、一千何百万円クラスの人が最低何人くらい招聘して作品をつくってもらわないと、国際芸術祭ということにはならないというふうに考えております。 したがいまして、北川氏がやればなぜ安いかということについては、これは確かに事務局としましても、ほかのアートディレクターと比較をして、入札をして最低落札者と契約するわけではないんですが、これまでの全国のこうした国際芸術祭の動き等を見たりしている中で、やはり実績、それからノウハウ、こういったものをやっぱり十分お持ちだというふうに認識したことから、北川氏に全面的にその分はお願いするという判断をしているというものであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) それでは、次に進みますけれども、北川氏が経営するアートフロントギャラリー、いわゆるAFGとの契約はどうなっているのか伺いたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 アートフロントギャラリーとの契約につきましては、1億5,000万円の制作費につきましては、新年度予算、ですから、今定例会で議決を賜らなければ、5,000万円という市からの負担金が実行委員会に拠出しませんから、それはまだ契約はしておりません。当然4月1日以降にアートフロントギャラリーと契約をすると、その事前作業として、さまざまな準備はしておりますが、契約行為はまだであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) AFGと言います。平成27年12月15日に随意契約で、基本計画策定業務委託に500万円、この契約はされていると思います。3年間の随意契約で1,900万円の基本策定計画の委託がなされるわけでしょう。ですから、芸術祭全体の契約でもこういう随意契約で行われるのかどうかと伺いたいと思うんです。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 今、1,900万円というお話がありましたが、これは、その前に、本年度500万円の契約をしております。これは今月いっぱいまでに基本計画を策定するという業務を発注したと、その作成委託料が500万円であります。それ以外の契約は一切まだしておりません。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) ですから、3年間で1,900万円という随意契約されるという、基本策定計画ですね、基本計画策定に1,900万円ということがされるわけですかと聞いているんですよ。 それから、芸術祭全体でも随意契約で1億5,000万円の契約されるんですかと聞いているんですよ。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) 御質問の趣旨がちょっとわかりかねるところもありますけれども、ですから、北川フラム氏並びにこのアートフロントギャラリーと契約することが一番効率的かつ有利な方法と判断していますから随契で契約をするということであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 随意契約というのは、いわゆる競争入札のような契約内容でなくて、行政の意向で一方的に契約相手が決まり、競争相手がいない契約は、金額は相手の主張によって決まる契約となるわけではないですか。それも全く1億5,000万円の詳細も明らかにならない、いわゆる公共事業だと私は考えていますが、そんな随意契約が認められるのかということです。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) まず、お答えいたします。 これは公共工事ではまずありません。それで、公共工事、一般的なものは、私所管をしておりますが、これは一般の公共工事、土木工事等につきましては1円単位まで、その積算の歩掛かり、それから、いわゆる単価等によって積算されて設計額というものが決定しまして、それに基づいて入札に付するか、どうするかということを判断しますが、それがもととなる工事費となります。今回、この作品制作費につきましては、先ほどから申し上げますとおり、何万円クラスの芸術家に作品を何点つくってもらうとかというのが設計書の額ということでありまして、それに基づいて一番適切な業者と判断したアートフロントギャラリーに、いわば随契とはなると思いますが、そこと契約をすることとしたというものであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) AFGに随意契約で、そういう形での税金を投入というのは非常に疑問があると私は思います。まさに、同様の業者はたくさんいると思うんですよ。どうしても、その芸術祭を強行するんだったら、そういう同様の業者を公募して競争入札というような形をとるのが普通じゃないですか。私はなぜAFGにそんなにこだわるのかわからないんですけれども、お願いします。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) まず、私のほうからお答え申し上げます。 まず、実行委員会、この食とアートの廻廊の実行する実行委員会は、地方公共団体ではありません。その観点から言えば、地方自治体が拘束される、自治法などのものに拘束されるわけではないというのがまず前提にあります。しかしながら、公的な役割を担う、あるいは市の負担金を投入するということからすれば、市の行っているさまざまな財務的な規則は当然適用されるべきものということで準用するという考え方があります。 そうした中で、先ほど公共事業というふうにおっしゃいましたけれども、例えば公共土木事業のように、資材、労務単価が極めて精緻に組み込まれていて、その積算によって設計書ができ、その設計書に基づいて発注する場合には競争性があります。市内でもそれぞれ資格を持った業者さんは同じ設計書であれば、同じ資材を使い、同じ製品につくり上げることができます。そこで競争性が働くわけですので、これは指名競争であったり、いわゆる指名なしの競争入札ということが普通に行われています。市の財務規則、あるいは市の行っているさまざまな入札の契約の中で、他に競争性が乏しい場合には随意契約、一定の要件を満たす場合には随意契約は市においても認められております。今回のこの実行委員会におきますこの発注の手続は、市の財務規則に照らしても十分随意契約の要件を満たしておりますので、そのような取り扱いをしているものでございます。全て公共団体が行うものが競争入札に付するものと、それ以外のものがあるということもあわせて御理解いただきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 先ほど言いましたけれども、まだ国への助成金というのは申請していないということで了解していいわけですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 御答弁を申し上げましたとおり、事業計画を提出したと、文化庁につきましては、全国から応募された事業計画を審査して、その中から補助採択をするものが決まってくると。当市にはまだ補助採択の通知が来ておりませんから、来た暁には、それから初めて申請行為があるというものであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 事業計画、実施計画を立てたということで、まだ申請されていないということでありますけれども、それでは、その助成金が申請されていないのに、この計画では国・県の助成金が6,000万円入っているんですよね。これはどうなんですか。まだ出るか出ないかわからないのに、ここへ計画のせているわけですか。もし、これが出なかったらどうするんですか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) 当然、国の助成金を当てにしているということは当然のことでありますが、幾つかの補助金について、整備計画なりを上げて申請しているというのは事実であります。あす追加提案をさせていただく予定であります地方創生に係る特例交付金についても申請をしてございまして、現在そちらの交付金、これはまだ額は確定しておりませんけれども、申請額が今6,000万円であります。 それから、文化庁の、先ほどの議員の御質問の内容については、国から今後どの程度いただけるかわかりませんが、採択という内示がなされれば、6月の補正で財源を入れていきたいというふうに考えているところであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 採択されればという話ですけれども、計画では、もう国・県という形で6,000万円ここにのっているんですよね。これが来なかったら、結局市の一般財源から出すということでいいですか。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) はい、そのとおりでありますが、いい感触は持っているということであります。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からも、ひとつ補足したいと思いますが、例えば、市の予算を考えてみていただいた場合に、例えば、今回28年度の当初予算として計上している中に、国・県の補助金というのがあわせて22億円あります。国庫補助金が約13億円、そして県の補助金、支出金が9億円ですね、これはそれぞれ事業計画などを出しているものもあり、あるいは要望額を提出しているものもあります。実際にこれが採択されるかどうかは、国や県の予算がそれぞれ議会で議決され、そして4月以降に、この地方公共団体の運営の場合にはなされてきます。その場合に、予定したような国・県の支出金が確保できない場合には、補正予算などを組むことによって事業そのものを見直すか、あるいは他に収入を求めるか、そうしたやりくりは当然しております。 今回の実行委員会の財源見通し、財源計画におきましても、それぞれ国・県の補助金、あるいは民間団体の寄附などで6,000万円を予定しているところでございますが、そうした中から、ここに財源の見通しが変わってきた場合には適時適切に対応する、それ以外の財源を求めることも当然努力の中に折り込んでおります。そうした仕組みになっているということを御理解いただきたいと思います。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) いろいろと言われましたけれども、結局、最後には、今もちょっと部長認めていましたけれども、一般財源、市の負担が大きくなるんでしょう。これどんどん、もしこういう形で国の助成金がおりてこない場合は予算がふえていくということになると思います。そうなった場合、どんな予算計画立てているのかなと非常に不思議に思うんですけれども、どうでしょう。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) そういう状況でありますけれども、先ほどもいい感触を持っているという、こういうお話を申し上げたのは、期間的に1年ということで、来年度、28年度がこの勝負のといいますか、1年間でつくり上げていかなくてはいけないと。この段階まで予算的なものがずれ込んできているということは、相当予算的なものの確保にある程度の自信があるんで今回補正計上、また、6月でも補正計上をさせていただきたいと、こういうお話をさせていただいたというところであります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 予算のその組み方にもちと私は疑問を感じているんですけれども、芸術祭の実行委員長は牛越市長ですね、実行委員会に負担金として、今言われているのは2億円程度の支出が組まれているわけです。行政のトップが市長であり、まさに市長のさじ加減で予算が組まれるわけですが、どう考えてもおかしな話ではないですか、市民はちょっとここがわからないところだと思います。自分で予算を組んで、自分でやろうとした事業に市民の血税を使うと、こういうことではないでしょうか、私の言葉の言い方悪いかもしれないけれども。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) それは大きな誤解でございます。私自身がさじ加減というふうに申し上げたというふうに今御指摘をいただいたんですが、これは全て市の予算に計上し、そして、この議会で真摯な議論を重ね、そして、議決いただいた場合に、初めて執行できるものであります。私自身のさじ加減ということは全くありません。と同時に、これは先ほど御答弁申し上げましたけれども、2億円のうちの半分は特定財源であります。多寡から、他の財源を活用するものであります。そして、その残りの1億円のうちの6,000万円が一般財源を念頭に置きながら進めるものでございます。これらについても、全て市の予算に計上し、そして、議会の承認を得て進めるものでありますから、私が、もちろん提案者は私でありますけれども、私の思惟で思いのまま行っているということは当たらないと思いますので、その点は御理解いただきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) それでは、作品の管理の問題ですね、もしやった場合。私は新潟県の十日町市を2回ほど訪ねてきましたけれども、非常に豪雪地帯なんですよ。大町ももちろん雪が降りますけれども、この維持管理が年間1億円というそうだそうです。大町も雪が降るんですけれども、この維持管理、どういうふうに考えております。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 確かに、開催後の作品の管理については大きな問題になるというふうに考えておりまして、今、新潟、十日町市の例を御紹介いただきましたけれども、1億円、これはあそこの、どこまで御存じかわかりませんが、公共施設的に大きな館も幾つも建っているわけですね。ですから、当然それは規模の大きさもあって管理費はかかると。当市の芸術祭の場合は、まだ具体的になっていなくて、再三御指摘をいただいているところでありますが、そうした大きな建物をつくるということは予定をしておりませんので、その地域、地域のそのスペースに配置していくというものでありますから、全く維持管理費がかからないということにはなりませんが、所有権を持っています実行委員会として、どのように管理していくかは、また、その地元の皆さんとの協働でやっていく方法も当然考えられますことから、具体的にまた検討していきます。それは一個一個の物によって検討してまいりたいと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 先ほどから著作権ということを言って、都合のいいように言って、その作品を明らかにしたいと言っているんですけれども、私は、この作品の著作権を主張しているんだったら、まさに、この単価は、そういうことで単価を明らかにしないようなことでしたら、もし、これが行われたら、北川氏に全ての作品の維持管理、これをやってもらったらどうかなと思うんですよ。そういうことで市の負担を減らしていくというのは、それでできませんか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 今、御提言の北川氏に全て維持管理をという、これは全く話がおかしい話でして、これは主催者である実行委員会が、これやっぱり開催後も責任を持って管理していると、これが当然のことだと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問ありますか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 12月議会で29年度以降の開催の予定を私は聞いたんですけれども、その答弁で、3年後に予定しているが、開催状況や効果を検証して開催の是非を検討するとしています。しかし、国への実施計画の中では32年度の開催の計画で申請しております。トリエンナーレという方式で3年後に実施するということですが、そういうことで理解していいわけですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) 継続開催の考え方につきましては、市長からも御答弁申し上げましたとおり、3年に一度のトリエンナーレを目指してやっていくということであります。文化庁に申請を、計画を提出した事業計画の中には、確かに32年まであります。これはひとつ、どうしてそういう計画、長い計画になるかと言いますと、文化庁も、いわゆる2020年の東京オリンピックがございます。東京オリンピックは、東京はスポーツの祭典、それから私ども、こういった地方都市では文化のイベントをやろうと、名前ちょっと今忘れてしまいましたが、要は、日本を挙げて、そういうスポーツと文化を振興していこうという国策があるわけです。ですから、そういったところも、何というんでしょうか、計画の中には盛り込まないと、その事業認可をいただけないということがありましたことから、特にオリンピックの地方プログラム的なことも踏まえて申請をしたと、そういう経緯があります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) それでは、進みますけれども、八坂支所の東山観光施設整備事業、この予算が1,500万円のっております。今まで質疑の中での説明では、鷹狩山頂上の市有地ですね、いわゆる市の土地です。個人所有の2つの建物を市が譲り受けて改修するということです。アート・イン・レジデンスの事業で、アーティストが作業をするために改修すると私は聞いたような気がするんですけれども、この芸術祭との関連はどうなるんですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。
    ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、八坂支所所管の鷹狩山の遊休施設については、現在放置をしていることによって、あれが環境上好ましくなかったり、やがて危険空き家としての問題が発生するという課題をこれまでも抱えておりましたことから、何とかこれを有効活用ができないかということは、従来検討してきた経緯があります。その中で、国際芸術祭を開催するに当たりまして、東山エリアというエリアを想定しましたところ、その遊休施設が、そのときに使うことができないかということを庁内で検討したということであります。 したがいまして、何か国際芸術祭やるために、その施設を改修するような御発言でしたが、そうではなくて、それは優先的に今回目の前にある事業としましては、芸術祭に使用することは想定されますが、毎年開催するものでありませんので、その以外の使い勝手も当然公共施設でありますので、いろいろな交流の施設として八坂支所のほうで管理していくということで予定はしております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) もちろん改修するというくらいですから中も調査していると思いますが、私も戸が閉まっていて中まで入れませんけれども、見たところ、本当にぼろぼろ、おんぼろ屋敷という感じです。まさに私はああいう東山の景観、すばらしいと言っている中で、ああいうものがあって鷹狩山のその景観台無しにしているんじゃないかと思うんですよ。あんなの本当に整理して、周りの環境を整備して、そして本当に解体したほうが私はいいと思うんですよ。どうしてもその1,500万円かけて改修して、アーティストをあそこで作品づくりにするというようなことが望まれるわけですか。その辺もう1回どうぞ。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) 私は中を見ております。そういう中では、外から見ると確かに周りは雑木だらけ、そして、草ぼうぼうというような状況、屋根もさびているというような状況ではありますけれども、雨漏りなども全くなくて、2つの建物、1つは昔のカヤぶき屋根の建物と、もう一つ大き目の何かカレーハウスに使っていた2階建ての建物でありますけれども、相当に材料の、いい材料を使っておりまして、両施設とも非常に中は十分価値があるなというふうには思っております。 そういう意味で、ただ解体してしまうよりは、やはりこういった、あの場所で、まずアーティスト・イン・レジデンスで、作家の皆さんを招聘する中で使って、そして、これで10年、20年たっても行く行くどうにもならなくなれば、また、償却、除却ということもあろうかとは思いますが、まず、使えて、私はやっぱり価値のある建物ではないかなと思いますので、まず、使えるものは使うという方針を考えていきたいと思っています。 それと、もう1点、1,500万円の予算は計上してありますけれども、まず、アーティストの皆さんに使っていただくには、水道とトイレと、それと電気周り、電気ですね、この部分を基本的300万円ずつで、手直しを600万円で考えております。そして後は、中は大改修と言っても残りもあと900万円でありますけれども、畳のところを板の間にしてほしいとか、そんなような要望がアーティストの皆さんから制作するに当たって、こういうところを、こうしてもらえないかという、その要望を受けて改修したいというふうに考えておりますので、1,500万円全て使い切って実施をするという考え方はありません。当面、田舎の昔の建物の中で、そして芸術作品をつくっていただく、そういった施設を貸そうとしているという状況であります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) そうですね、それだけの価値があるということでやるということだというふうに思っていますけれども、やはりずっと今までも言われてきていますけれども、大町市の最大課題は、私は定住人口、市長もずっと言っています。だと思います。その中で、前回の私の質問で、国際芸術祭開催で人口増につながるかと聞きました。その中で、市河課長は、国際芸術祭をやれば何人定住人口がふえるなんていうことは決して思っていないと。大町市の魅力としてここに住む人たちが、この地域の魅力を感じ、それをまた活用して世界に発信する。そのことによって、大町に住もうとする人がふえてくる可能性にかけている、こう答弁しています。 私は、定住・移住の増加を可能性にかけるという、そして、それに2億円からもっと膨らむような国際芸術祭に投資するわけですが、これはもう1回、どうでしょうか、本当に定住人口につながるかどうかお聞きしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) やはり芸術文化というのは大事であるなというふうに思います。これ生活していく上で、芸術とか文化が進んでいないところには、やっぱり住む人もだんだん減っていくんじゃないかなと。県下でもやっぱりそうですが、ふえているところは何となく芸術文化の都市であるなというところは人口もふえているような気もします。そういった意味で、若者の皆さんにやっぱり喜んで、大町に住んでよかった、それで大町で住んでみたいというふうになっていただくには、やはりこの芸術文化、そういう部分での大町の光というか、そういうものが出てこないと住んでみたいというふうに私はならないし、そういうことができなければ人口1万以内の消滅都市に私はなっていくんじゃないかなというふうに思いますので、そういった意味合いで、ぜひこの芸術文化に私自身もかけて、大町のイメージ、そして若者から住んでみたいと言われるような大町になってほしいなというふうに思っています。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 多くの人が聞いていると思いますので、それが本当に定住人口につながるというふうに今部長は言っているということだと思います。 先ほどちょっと私が言いましたけれども、もう一つ、もう1点だけ、ふるさと寄附金、これが4,000万円をこの財源に充てるということになっておりますけれども、このふるさと寄附金というのは、こういうことをやるために皆さん、もちろん市長の裁量でできるということだと思いますけれども、本当にふるさとでアートを、いわゆる現代アートというものをつくってほしいなと思って寄附している人たちがいて、こういう形になっているのか、その辺のところはどういうふうに考えているんですか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 まず、議員に御理解いただきたいのは、ふるさと納税の寄附金ですが、これは寄附者がどういう使い道でということで指定があるわけですね。これが現在8つの使途があるわけです。例えば、協働のまちづくりに使ってくださいとか、自然環境の整備に使ってくださいとか、子どものために使ってください等々あって、その中に市長お任せと、だから、これは何に使ってもらっても、私は異議の申し立てはしませんということで、自由に使ってくれと、それは市長の判断でいいですよというものが、その1つの項目にあるわけです。そこで、ことしは、本年度でしたら今現在で約9,100万円ほどのふるさと寄附があるうち、市長にお任せというのが2,800万円ほどあると。その市長にお任せの部分を今回芸術祭に使うと。ですから、全てをそこに入れるということではありませんので、その点は御理解をお願いしたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 2,800万円と今言われましたけれども、これ4,000万円の寄附金を入れる、充てることにしていますけれども、いわゆる今2,800万円くらいで、これから来るというふうに想定しているんですか。 それから、子育てとか、それから今環境と言われましたけれども、そういうものに充ててくださいということじゃないんです。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) 芸術祭の全体事業計画の中で提示しています4,000万円は、ことしの2,800万円と、計算すれば、あと1,200万円ですか、それは新年度、28年度中に恐らくそのぐらいは市長お任せでいただけるものという想定です。これはあくまでも想定です。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 今、答弁漏れだと思うんですけれども、環境とか、子育てに使いなさいと、そこの部分だけ市長に裁量を渡しているんじゃないかと聞いたんです。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) また、ゆっくり資料を持って御説明を申し上げますが、それぞれの、例えば子どものために使ってくれという寄附が1,000万円あったとしますと、毎年、その年に、基金に一旦積み立てて、翌年の子どもの、例えば教育委員会の青少年対策とか、そこのところに特定財源として、そこに資金を財源充当するということでありますから、決して申し出があったものに違反をして、違うところに使っているということでは決してありません。また、明細はいつでもお示しをいたします。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員。 ◆12番(平林英市君) 最後になりますけれども、今までの質問で明らかになったように、私はこの計画性にずさんだというふうに思っておりますし、膨大な経費がかかる。この芸術祭に投資することは、なぜ投資することに、なぜ市長がこんなに固執するのか、もっと市長は市民の声に謙虚に耳を傾けるべきではないかと思います。市長は、市民と協働のまちづくり、これを常に強調しております。 私は、まさに市長の掲げるそういう理念に反する強引な手法だというふうに思うんですよ。その辺のところをまた市長、何かあったら答えてください。 それから、最後には、北川氏は新潟市での水と土の芸術祭、この失態をして、私は追及しました。そのとき、名誉を回復したと、こう発言しておりました。しかし、私はあとずっと追跡調査をしましたけれども、この失態の名誉回復はされていない。このような北川氏主導の芸術祭を中止すべきだと、こういうふうに訴えます。北川氏のかかわらない大町市での芸術文化を発掘して、地域の住民に愛されて、そして親しまれるお祭りを計画していくことを提案して質問を終わりたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 私からお答え申し上げます。 まず、後段の北川フラム氏の新潟市における芸術祭のいきさつについては、たしか2月16日の市民意見交換会の中で、平林議員御自身が北川氏に質問をし発言を求めています。それがもし十分でなければ、そのときのやりとりが十分でないとすれば、それはここで議論していただくよりも前に、もう少し確かめていただき、また、真摯な対応をしていただければありがたいと思うところでございます。 そうした中で、まず、市民協働ということでずっと10年間取り組んでまいりましたけれども、私は先ほど来答弁申し上げておりますように、今回のこの国際芸術祭は、待ったなしに取り組まなければいけない課題で、その中で、きょうまで十分説明の機会がありませんでした。それはやはり基本的な計画、開催の計画が今一生懸命詰めている最中であり、具体的な説明をなかなかできない点にあったということは、もちろんそのとおりでございます。 しかし、あと1年数カ月の間の実施に向けての準備の段階では、市民の皆さんの参加と協働なくては成功にもおぼつかない、そうした考え方に立って、これからもしっかりそれを理念として、参加と協働を理念として進めてまいりたいと考えております。 そして、なぜそんなに強引というお話ありました。決してこれは私が個人で強引に進めるものではありません。議会の皆さんとこのように今回も12人の議員の皆さんのうちの大半の皆さんから御質問をいただき、そうした御質問にお答えする形で、きょう、例えばインターネット中継、あるいは市のケーブルテレビの中継を通じてごらんいただいている多くの市民の皆さんにもさまざまな課題があり、また、その課題をどのように乗り越えていくかという点について、共有をしていきたと思います。 共有という言葉で言えば、もう一つ、これも答弁で申し上げましたように、大町市が急激な人口減少、そして地域経済が衰退する、あるいはコミュニティーさえ維持することが困難であるというような、そうした事態になりつつあるときに、この危機感もぜひ市民の皆さんと共有していきたいと思います。 例え話になりますけれども、ちょうど日本が明治維新を迎えた後、近代化の道を歩むときに、日本からフランスに官費留学して、そして土木技術を学ぶ、そうした留学生の1人に、古市公威さんという方がいらっしゃいます。この方は明治以降、日本の近代土木の礎を築いた方と聞いております。その方が余りにも熱心に、フランスの留学中に熱心に眠る暇も惜しんで勉学にいそしんでいたときに、その宿の、下宿のおばさんが、余り無理しては体に差し支えるというふうに諭したそうです。その折に古市博士は、後の博士ですけれども、私が一日勉強を怠ると、日本の進歩が一日おくれると答えたそうです。 私自身は、全国に数ある地方都市の一市長に過ぎませんので、古市博士のような、このような崇高な使命感まで持ち合わせてはおりませんが、このまま大町の衰退を何もしないでいていいかというところが、私自身がこの事業に取り組もうと発議した一番の原点であります。待ったなしで取り組まなければいけない原点だと私は確信をしております。そのためにも議会の皆さんにも、ぜひこの点を御理解いただき、そして、お力添えいただきたいと、改めてお願い申し上げる次第でございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 平林英市議員、よろしいですか。 以上で、平林英市議員の質問は終了をいたしました。 ここで午後4時5分まで休憩といたします。 △休憩 午後3時48分 △再開 午後4時05分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第5位、大和幸久議員の質問通告は1項目です。大和幸久議員の質問を許します。大和幸久議員。     〔4番(大和幸久君)登壇〕 ◆4番(大和幸久君) 虹と緑の会の大和幸久です。今回は、国際芸術祭と大町の創生について質問したいと思います。 大町市の平成28年度一般会計予算では、芸術文化振興事業費8,201万3,000円が計上されました。ところが、これとは別建てで、国際芸術祭に向けて庁内推進委員会を設置し、全庁体制で推進していくとして、10の課と八坂支所で実施する支援内容を公表しました。 全容はまだ明らかでありませんが、八坂支所の予算で実施する鷹狩山遊休施設改修費1,500万円や、建設課による鷹狩山山頂の市道の舗装工事800万円など、説明があった金額を合計しただけでも2,720万円となります。さきの芸術文化振興事業費8,000万円余と合計すると、1億921万3,000円に上る予算となります。 ところが一方で、実行委員会が北川フラム氏の会社と随意契約した国際芸術祭基本計画は、3月末に提出予定となっており、最も肝心である、事業推進の大もとの基本計画が定かでないうちに、議会に対して予算を承認してくれというもので、とても容認できるものではありません。 問題点の一例を挙げましたが、大町市は、この芸術祭について、現時点においてどのような課題や問題点があると思っているのか説明いただきたいと思います。 これで1回目の質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 国際芸術祭開催の課題等についてのお尋ねにお答え申し上げます。 現時点で考えられる課題といたしましては、これまで市民の皆様に対する説明が不足しておりましたことから、国際芸術祭の事業規模や財源、運営方法についての疑問や議論が先行していることであります。 そのため、大町市の人口減少が急激に進む中、持続可能な地域社会を守るための手段の一つとして開催するという、極めて根幹的な部分が、十分に御理解いただけていないという点がございます。 芸術祭の開催は、市民の皆様の自主的な参画が実現しなければ、なし得ない事業でございますので、先日の全員協議会で御説明申し上げました企画概要案、及び現在策定中の基本計画等により、粘り強く誠意を尽くして、丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 信濃大町アーティスト・イン・レジデンス協議会、以下、AIR協議会と言います、と「信濃大町 食とアートの廻廊」実行委員会、以下、実行委員会と言います、この問題点について伺いたいと思います。 昨年10月1日、AIR協議会が設立されております。この協議会の会員は、公募ではなく、市側の要請で参加していますが、市側には参加要請先の選考基準や選考経過を示す記録がありません。つまりこの協議会は、市側に都合よく協力できる者を選抜し構成された、中立公正性に欠けた不当な団体であります。 そして、約1カ月後の11月8日には、実行委員会の臨時総会が開催されていますが、驚くことに総会資料に添付された会員名簿は、AIR協議会の名簿とほとんど同じものでありました。実行委員会の会員名簿に載っている者の中には、11月8日より後に加入申込書を提出した人や、いまだに申込書を提出していない人が多数含まれます。さらに、加入申し込みは個人名であったにもかかわらず、なぜか会員名簿では、その個人が所属する団体が加入したと間違えそうな表示をしていて、極めて作為性があると言わざるを得ません。 また、実行委員会の臨時総会は、商工会議所大会議室で開催されていますが、会場には、その後予定されていたシンポジウムに参加予定の会員以外の者が多数含まれ、総会はわずか20分で終了しております。このような状況下で議案の賛否が確認できたのか、そもそも臨時総会自体が成立しているのか疑わしいものです。 こうしたずさんな手法でつくり出された実行委員会が、大町市の文化芸術の方向性を勝手に決めて、大町市に対し、莫大な負担金を将来にわたって請求し続けるということは、全く公的な機関でもない、単なる民間の一団体が、あたかも市民の代表だと言って振る舞い続ける、こんなことが許されるはずはないと思います。 私は、このような経過から生じた問題点について質問してみたいと思います。 まず、1点目ですけれども、実行委員会は法律上どのような団体であるとの認識ですか、説明してください。 ○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 「食とアートの廻廊」実行委員会ということでよろしかったですか。 この実行委員会は、法的根拠はございませんで、任意団体でございます。法人格は持っておりません。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 今言ったとおり人格なき社団であり、法律上の法人ではありませんが、税法上は法人とみなされ、収益事業から生じた所得には、法人税、所得税等が課税される民間団体であると思いますが、その点の確認をお願いします。 ○議長(二條孝夫君) 税務課長。 ◎税務課長(西澤潤一郎君) ただいまの御質問にお答えいたします。 収益があった場合につきましては、所得について法人税が課せられるということでございますので、御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) この実行委員会は、継続的に入場料収入があったり、多年度にわたり繰り返し事業が行われる実行委員会でしょうか。確認願います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) 当実行委員会につきましては、まずは来年の国際芸術祭を開催すると、そのための実行委員会であります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。     〔発言する者あり〕 ○議長(二條孝夫君) もう一度、発言をお願いします。 ◆4番(大和幸久君) パスポート販売による入場料収入があり、他年度にわたり繰り返し事業が行われる実行委員会ですね。その確認してくださいという質問です。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 多年度にわたるかどうかは、まだ判断はしておりません。トリエンナーレということで、3年に一遍の開催を目指しているという団体です。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 今年も事業をやる予定であり、来年も事業をしますので、多年度にわたる事業をしていますよね。確認してください。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 収益事業に当たるかどうかという部分は定かではありませんが、要は実行委員会の事業としては、継続して今後も運営していきます。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) これを収益事業といいます。 そうしますと、人格なき社団への地方税の課税もあります。つまり市県民税や固定資産税の課税もあり、国税当局からの通知では、27年1月1日以降取得した美術品で償却資産になるものは申告が必要になります。実行委員会が取得する現代アートも償却資産として扱われ、減価償却等も発生するのではないかと思いますが、見解を伺います。 ○議長(二條孝夫君) 税務課長。 ◎税務課長(西澤潤一郎君) それぞれの税につきましては、所管の税務署、国ですけれども、国の確認が必要でございますので、国のほうに問い合わせさせていただきまして、それなりの処理をしたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 私は確認してありますので、確認してください。 そうしますと、今後、AIR協議会や実行委員会が所有することになる現代アートの取得費は資本的支出に当たり、2つの団体の資産として残ります。移動できる絵画などと異なり、土地に定着するものは、移動すると価値が喪失する、つまり実行委員会には換金できない、価値があるようでない資産がどんどん累積していくことになります。市には固定資産税減免制度がありますが、この適用については、その所在、種類、数量、価格を申告しなければなりません。 また、所得申告では減価償却をしますが、個々の資産の価格、耐用年数を明示しなければなりません。総合ディレクターは個々のアートの価格は明らかにしないと言っていますが、秘密裏に処理するはできないものであります。見解を求めておきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) 法人格のない当実行委員会が、財産の形成にどのようにということだと思うんですが、その辺の資産的な価値に対する課税については、先ほど税務課長が申し上げたとおり、それが収益事業となるかどうかの判断も一つありますから、それはまだ私ども調査しておりませんが、所轄の税務署と協議をしてまいります。 それから、先ほど個々のアーティストの制作費が定かにされないとおっしゃいましたが、これは実行委員会には、きちんと明細が報告されるものであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 次に進みます。実行委員会の処理する事務について伺いたいと思います。 実行委員会の運営に当たり、どのような債務が生ずるリスクがあると想定していますか。例えば著作権に絡む損害賠償責任、海外作家の渡航費・滞在費の負担、展示物に起因した事故などによる損害賠償責任、残されたアート作品の維持管理費の負担などが発生しますが、確認できますか。確認してください。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 事業実施主体の実行委員会にかかってくる責任、債務というものは、当然発生すると思います。イベント的なものでございますので、期間中の事故、事件等々もあると思います。そういったものは、やはり主催者の範囲がどこまであるかは、またそれぞれの案件によって違うと思いますが、そういったものは、きちんと整理をして対応してまいりたいと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 実行委員会が債務を負った場合には、加入会員にその債務の弁済義務が生じますが、これを確認できますか。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 議員御指摘の実行委員会の債務というのがどのようなものか、ちょっと想定できませんので、お答えできません。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 前段で聞いた損害賠償責任等が発生した場合には、実行委員会がその損害賠償の責を問われると、こういうことですよ。それに応える義務が出るということです。 実行委員会加入に当たり、申請者に対して事前にリスクを示し、説明したでしょうか。11月8日の臨時総会では、こうしたリスクに関し、注意喚起のための重要事項が説明された形跡がありません。また、実行委員会名簿に名前を使われている団体に対し、実行委員会に加入することで発生するリスクについて事前説明をし、それぞれの組織内部で検討し、合意を得た後に加入を決定したことを確認しているでしょうか。 各団体の会長や代表が実行委員会に加入していても、各団体の個々の会員は知らないという例が多数あります。私が関係する所属団体も同様で、加入手続が違法、不当ではないかと思いますけれども、この点については、どのような確認をされるかお答えください。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えいたします。 実行委員会に加入の際に、重要事項説明をきちんとしているかということにつきましては、その部分の説明はしておりません。リスクについても、どの程度のリスクが想定されるかについても、まだ想定し切れておりません。また、加入手続につきましては、実行委員会の規約の中に、加入申し込みということによって参加意思を確認するということがありましたので、加入申込書を受け付けているということであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 時間がありませんので、実行委員会とAIR協議会は、事務局の事務処理を行うため、NPOぐるったネットワーク、以下、ぐるったと言いますけれども、業務委託契約を締結しております。実行委員会は、ぐるったに毎月20万円を支払い、AIR協議会は、ぐるったに毎月40万円を支払っております。そしてぐるったは、合計60万円の中から、所属する職員に、それぞれ業務実績に応じた事務費や賃金を支払っております。ところが、ぐるったに所属する職員は、ぐるったから業務費や賃金の支払いを受けているにもかかわらず、直接、実行委員会やAIR協議会に、旅費とか負担金と称して経費を請求しております。本来、業務委託契約に含まれる経費を、さらに別途請求していることになります。 こうした二重に受け取っている例が複数あり、昨年12月末までに実行委員会では1件、1万9,560円、AIR協議会では、北海道への4泊5日の旅費を含む3件、15万1,640円に上っております。なぜこのようなことが許されるのか。情報公開請求をしたところ、実行委員会は大町市財務規則の適用は受けない旨の回答と、実行委員会には事務処理の専決規定しかなく、この規定で事務処理をしている旨の回答がありました。 つまり、実行委員会が高額の業務委託契約をする場合でも、業者選定、2社以上からの見積もり徴取や予定価格の決定、競争入札による請負業者の決定、契約及び履行確認など、財務会計処理を記述するルールが存在していないことが明らかになっております。 実行委員会が昨年12月に、総合ディレクター北川フラム氏が代表取締役会長を務める株式会社アートフロントギャラリー、以下、AFGと言いますけれども、と契約した国際芸術祭の基本計画策定業務では、行政の契約では原則的に行われる準備行為が全くなく、契約額も会社側の見積もり500万円と同額であり、ちなみに北川氏のディレクター料は、1日10万円で積算されております。この積算の妥当性も含めて、これでいいのかどうか、市長の見解を伺っておきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) それでは、ただいまの御質問に順次お答えします。 まず、ぐるったネットワークに40万円等の業務委託費の関係でありますが、これは確かに業務委託ということで、月40万円という額を委託しているわけですが、これは、本来でしたら直接雇用ということで、賃金ということで雇用をしようと思ったわけでございますが、その当該者が、時間の拘束的なものがございまして、どうも朝8時から5時まで事務所に勤められないということがありましたことから、全体の月の時間を換算して、そのように委託という形でお願いをしたという経緯でございます。 それから、旅費等が二重請求になっているのではという御指摘でございましたが、これはそうではなくて、これはあくまでも事務局職員、事務的な業務を担当してもらうということでありますから、その部分ではない、例えば実費として東京に打ち合わせの出張とか、こういうのは、これは当然実費で支払う、弁償するべきものでありますから、これは委託料には含まれておりません。それで別に計算をして支給をしたというものであります。 それから、北川氏、アートフロントギャラリーへの500万円でございますが、これは私どもの仕様書として500万円を予定価格としておりまして、それに対して、業者から見積もりが500万円だと。これは一致したということでございます。特に問題はないと思います。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) ちょっと時間がありませんので、回答だけ聞いて進みたいと思います。 実行委員会における北川フラム氏の権限について伺いたいと思います。 北川フラム氏は、実行委員会の総合ディレクターを務めるということですが、総合ディレクターの職務と権限について説明いただきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 先ほど中牧議員の御質問にもお答えした部分と重なりますが、北川フラム氏は総合ディレクターでございます。ということで、この職務、権限でございますが、これは、まずは事業主体である実行委員会委員長の監督のもと、この国際芸術祭を、大町市らしさを醸し出して、他市に負けないような国際芸術祭に仕上げていくというのが職務でありますし、それに対して、アーティスト等々の選択については、一定程度の権限を委託したというものであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 一方で、北川フラム氏は、AFGでは代表取締役会長を務めています。この関係は、実行委員会の総合ディレクターとの間で、いわゆる利益相反関係に当たるのではないでしょうか。確認をお願いします。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) その問題につきましては、ちょっと資料等がございませんので、保留させていただきます。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) これは民法の利益相反関係です。これは商取引の、北川氏はAFGの利益を優先すれば、実行委員会側は不利益を受けます。実行委員会にも役員としているわけですから、そういう関係が出てきます。北川氏は実行委員会で総額1,900万円のディレクター費を受け取りながら実行委員会に不利益を与えるということは、任務の形態が背任行為に当たる可能性があります。 このような疑いを回復するためにも、実行委員会が発注する業務委託について、今後、随意契約は一切行わないことを確認すべきであります。芸術祭を企画運営できる企業は、AFGだけでなく多数あります。一般公募や競争入札により請負業者を決定すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) 新年度予算を可決いただきました暁には、実行委員会でアートフロントギャラリーとの業務契約を締結するという手続に入るわけでありますが、ただいま他の業者も、とのお話でございましたが、なぜこのアートフロントギャラリーに随契でやるかという理由につきましては、これまでも説明しておりますが、北川フラム氏が今、代表取締役会長でございますか、ということになっておりますが、やはり当市との関係、これまでの経緯等もございますので、これを仮に他の業者に競争入札等でやろうとした場合には、条件がやっぱり違うと思います。もうゼロから、当市のさまざまな自然環境ですとか、いろいろさまざまな資源を、一からそれを研究して、それを国際芸術祭に生かすという業者と、もう5年も当市に入って、つぶさにさまざま研究・検討をして、具体的な構想にまとめ上げてきている業者との、この差は歴然としておりますので、これを改めて他社と競争をしていくということは、これは適切な方法ではないと考えております。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 利益相反関係にあるような事態を解消するためにも、随契なんて成り立たないということを言っているんです。この利益相反関係は、実行委員会やAIR協議会とNPOぐるったの両方に役職として所属する、鈴木幸佳氏や佐藤壮生氏についても指摘されるものです。このような透明性・公平性を欠く不当な事務処理を続ける実行委員会が算定する事業費自体が、信頼性に欠けるものであります。つまり、実行委員会が請求する負担金の根拠が曖昧である以上、大町市の公金支出は不当なものになると思います。市長はこの公金支出を停止する考えはないか、伺っておきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 議員御指摘の利益の相反ということについては、民法上の規定でありますけれども、これに照らしてどうかということについては、先ほど答弁を留保しておりますけれども、これについても、しっかり私ども整理をさせていただきます。 と同時に、やはり、これも答弁申し上げましたけれども、北川フラム氏は、もう4年前からこの大町市に入りまして、そしてさまざまな地域のよさ、あるいはこの地域の振興策を考える中で、市民の有志の皆様ともいろいろな意見交換をする中で、この地域のよさを知り、そしてこの地域のよさを表現する方法として、現代アートを提案してきているわけです。 そうした今までのやりとりの中で、やっぱり地域になじんでいるという観点から、他の同様の業者との競争性は、そうはない。そうした中で、競争性がないということから、その契約方法については、随意契約という方法を選択したものでございます。法律関係にいろいろ課題があるとすれば、それもあわせて詰めてまいります。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 地域を4年前から知っているとか、そんなの関係ないことなんです。事実上、民法上の違法行為があるという指摘をしているわけですから、まずそっちを先に整理してください。 文化庁への補助金申請について伺いたいと思います。 大町市は昨年11月13日、文化庁補助事業に応募するため、国際芸術祭の事業実施計画書を提出しております。この計画書の支出の部で、実行委員会の補助金として1億1,080万円を計上しております。また、内訳書では、実行委員会は間接補助事業者であるとしております。つまり大町市は、実行委員会に国際芸術祭を一括して支出される費用の全部を、補助金で交付するとして文化庁に応募しております。しかし実際、大町市は実行委員会に負担金で支出をしております。これは大町市の補助金では、厳格な財務規律が求められることや、監査委員の監査が及ぶことから、これを逃れるための手法ではないかという疑念が市民から上がっております。この疑念にどう答えるか、見解を求めておきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。 ◎総務部長(勝野稔君) 1点、監査委員さんもいらっしゃいますけれども、財政的な援助に係る負担金の支出でありますので、これについて、市監査委員さんの監査ということは可能というふうに、行政側としては判断しているところであります。その点については以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 国際芸術祭に関する負担金の支出根拠について伺います。 私は、実行委員会と大町市の双方に対して、負担金の支出について、取り決めた契約書等の書類がないか、情報公開を請求しました。文書不存在の回答を得ましたが、さらに驚くことには、その通知書には、口頭により確認しているため、そのような書類はないと理由が付されておりました。いつ誰が誰と口頭で確認したのか、証拠がないので、口頭による確認など証明することができません。仮にそれがあったとすると、会議記録や復命書を見て、昨年5月以降、牛越市長と北川フラム氏が会談し、その過程で総事業費や大町市の負担額が決められているものと見られます。つまり、この2人の口約束、口頭による契約を根拠に事業が進められるということになります。 このように大町市の負担金支出は、財務規則に基づかない違法な契約、または違法な債務義務の負担によって行われています。 さらに市長は、実行委員会の実行委員長に就任しております。民法108条の双方代理条項に抵触しています。前にも指摘しましたけれども、どのような認識をしているのでしょうか。 なお、例外規定とされる債務の履行については、既に確定した債務を履行するだけで、新たな利害関係が生じないので除外されているだけで、本件には適用にならないと思います。見解を伺っておきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。
    ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 大町市が当実行委員会に負担金を支出するということについて、議員は口頭により云々というお話がありましたが、それはちょっとどういうところかわかりませんが、双方代理の件につきましては、これは前回の議会でもお答えしたかと思いますが、いわゆる契約はできないと。ですから、大町市と実行委員会が契約書を交わすことではない。双方代理に抵触するのは、大町市長と実行委員会長である牛越徹が契約することは、それは契約はできないと。だけれども、債務の負担ということで先ほども御紹介があったように、負担金として、実行委員長が大町市長に対して負担金として請求すること、それはできる。ですから、負担金の請求書をもって、それが実際の支出、負担となるということでございますので、市としましては、支出負担行為の確認につきましては、まずは新年度、実行委員会からの負担金の請求書、これを受理することによって、負担行為が発生するという考えであります。 以上であります。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 市長は、大町市と実行委員会の間において利益相反関係になります。任務懈怠責任が生じるはずです。実行委員長牛越徹が、一民間団体にすぎない実行委員会の負担金収入を多く得ようとすれば、市長は大町市の過大な負担金の支出を認めることになり、やはり利益が相反する関係が生じてきます。 こういうことから、市長は双方の長を兼務してはいけないというふうに思いますけれども、市長はどのようにお考えですか。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) たしか民法108条でしたか、双方代理の件だと思います。 まず、双方代理は、それぞれ民法上の権限を持った上で契約関係にあることを禁止しているものです。ただしでありますが、民法の108条の条文にはただし書きがありまして、債務の履行、つまり負担金の支出を請求書に基づいて支払うことについては除外されております。それは先ほど説明したとおりであります。と同時に、もしそうした関係が曖昧であるとすれば、それぞれ例えば実行委員会の会長代理であるとか、あるいは市の側で言えば、市長の代理者を立てて契約を結ぶということは、禁止されているわけではありません。これがまず法の趣旨であります。 それから、2点目ですが、先ほど北川氏と私が打ち合わせをした、それをもって実行委員会と市があたかも契約を結んだ、あるいは約束をしたというふうに御発言がありましたが、それは事実ではありません。もちろん実行委員会で正式にオーソライズするまでの間は、さまざまな準備行為としての打ち合わせはしております。その打ち合わせの一環であり、その打ち合わせが、直ちに実行委員会と、それから北川氏との約束になったということではありません。その点は、ぜひお間違いのないように御理解をいただきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 間違いではなくて、情報公開の回答で、市がそう述べているんですよ。よく確認してください。 さらには、自治法142条では、市長の兼職禁止が規定されております。条文には、「長は当該普通地方公共団体に対し請負する者及び支配人になることはできない」とあります。ここで言う請負とは、狭義の請負関係に限らず、広く営利的な経済的な取引を指し、一定の時間的継続性、反復性を有する取引契約とされております。大町市と実行委員会の関係は、これに該当すると思いますが、見解だけ伺っておきます。 ○議長(二條孝夫君) 企画財政課長。 ◎企画財政課長(市河千春君) ただいまの御質問にお答えします。 大町市と「信濃大町 食とアートの廻廊」実行委員会の関係は、請負契約ではありません。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 実例を申し上げると御理解いただきやすいかと思いますが、例えば私自身は市長職にあり、なおかつ充て職のような形で、例えば大町市観光協会の会長も務めております。その間には負担金を交付するという事務もありますし、また補助金を交付するという事務もあります。これは法律関係をもう少し整理しないと、確定的なことは申し上げられませんが、社会通念において違法という状態ではないというふうに理解しているところでございます。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) かつて前市長のときにも、観光協会長を市長が務めていいか問題になったことがあるんですよ。これはやってはいけないことなんです。もう一遍確認してください。 ちょっと時間がありませんので、進みますが、今回明らかにしたのは、牛越市長と北川フラム氏の間には実行委員会が介在して、実行委員会が契約し、AFGに業務委託費が支払われる形をとっております。先ほど言いましたけれども、これは請負ではなく業務委託ですよね。 それで実態は、北川フラム氏の要求どおり、大町市から公金がAFGや、実行委員会の組織に入り込んでいる、北川フラム氏と関係の深いNPOや個人に流れていく構造になっております。つまり実行委員会に集めた資金を、仲のよい一部の関係団体で分け合う構図になっていると言えると思います。 こういった関係は、直ちに改めていかなければならない。前段として違法行為になるので、改めていかなければならないと私は思っております。 こういう中で、先ほどからフラム氏のことが出ていますが、地域の文化芸術の振興というのは、短期間に多額の公金を投じても、一夜にしてなし遂げることはできないと思います。長い年月をかけて、少しずつ育まれたものでなければ、後世に残らないのではないでしょうか。こういうことは歴史が証明していると思います。まず地元の文化芸術活動に目を向けて、この振興に予算を使うことから始めるべきであります。私は、改めて国際芸術祭の開催の方針の撤回を求めておきたいと思います。 国際芸術祭なんですが、地方創生に貢献できるかという視点から、新潟県十日町市の事例を挙げてみたいと思います。 十日町市では、2000年、第1回芸術祭のとき人口が6万5,033人です。ところが、第5回芸術祭では、5万5,643人へと14.4%も減少しております。人口減少に歯どめがかかっておりません。 ちなみに、同時期の大町市は16.4%減少しています。 また、自治体の経済力をはかる指標、財政力指数では、2013年のデータで十日町市は0.38であり、新潟県内30市町村中23位というところにあります。この結果からも、国際芸術祭を20年近く取り組んできた成果が、全く見られておりません。 ちなみに、大町市は0.42で、長野県下77市町村中30位です。 平成27年度、十日町市の伝統行事「十日町雪まつり」は、3日間で30万人、総事業費7,000万円、市の負担金は、そのうち3,300万円です。そのほかは協賛金・事業収入3,700万円で賄われています。 一方、同年の第5回十日町国際芸術祭は、総事業費8億6,000万円、開催期間57日間、パスポート販売数が6万3,000人、48万人と公表された入場者数も、議会答弁では実質13万人と答弁されております。 このことから見ても、伝統行事「十日町雪まつり」のほうが、費用対効果が断トツに高いことは明白であります。 このような教訓を真摯に学んで、改めて国際芸術祭の見直しをすることを市長に求めてみたいと思います。市長の見解を求めておきます。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) まず、地域の文化振興の考え方でありますけれども、確かに根強く、従来からここに伝わってきている、そうした伝統的な文化や芸術を大事にする、あるいは今、市内でさまざまな活動をしていただいている芸術家たちの芸術振興、あるいは文化振興というのは大事であります。 しかし、今回の国際芸術祭の趣旨は、そうした市民の皆さんの芸術や文化に触れていただく機会を創出するとともに、もう一つは、やはり国際的な水準の芸術作品を、この地に合ったものを、滞在し制作、そして発表する、そうした起爆力、いわゆる現代アートの起爆力に期待をする、その2つの面があることは、ぜひ御理解いただきたいと思います。 地域の皆さんの芸術作品、これはもう5回、6回を重ねてきております原始感覚美術祭、これは本当に根強い努力であり、また繰り返し行われてきましたが、これによって、起爆力までつながっているかというと、なかなかそこまでいっておりません。そうした意味で、地域の文化や芸術を大事にしながら、しかし、国際的な水準の芸術祭にそれを昇華していく過程で、それが実現するものと、まず考えるところでございます。 そして、2点目でございますが、例えば十日町市では、これまで5回、6回ですか、開催してきたその芸術祭をもってしても、人口減少に歯どめがかかっていないというのは事実でございます。ただ、残念なことに、芸術祭を行ったことに関するデータと、もし仮に十日町市でこれまで芸術祭を繰り返し開いてこなかったというところの、もしという仮定において比較することはできません。そうした意味においては、やってもなお減ったというのは事実ですけれども、やらなかった場合にどうなったかというのは、はかり知れないところです。そこは難しいところです。 ただ一つ、もう一つの事例であります瀬戸内芸術祭におきましては、島の名前、ちょっと忘れてしまったんですが、その島には一つのアートサイトが設けられたために、ことしで3回目になりますが、その芸術祭を通じて島出身の人が戻ってきて、そして小学校ですか、学校が再開できたという事例もあります。これは特殊な事例かもしれません。必ずしもそれが、人口減少に何の役にも立たないということにはならないのではないかという一つの例ではないかと思います。 そうしたことを総合的に勘案しながら、よし、ぜひこの大町市においては、国際芸術祭を一つのばねとして、地域経済の衰退に何とか歯どめをかけていきたい、そのように考えるところでございます。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) あと1分24秒です。大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) 十日町市で5回もやって起爆剤になっていないんですよ。それを学んでほしいと私は言って、今の数字を出しています。もうちょっとごまかさないで、きちんと正面から向かい合って検討してください。 続いて、経済波及効果について述べます。 市長は国際芸術祭の集客人口2万人を目指したいとしております。これに市長が文化庁に申請した経済波及効果、1人5,000円をかけますと1億円となります。フラム氏に制作費1.5億円を支払えば、経済波及効果がそっくりなくなるばかりか、5,000万円の赤字になってしまいます。こんなことをやっていていいのでしょうか。この点について見解を求めます。 ○議長(二條孝夫君) 市長。 ◎市長(牛越徹君) 経済波及効果は、まず国際芸術祭に実行委員会としてかける経費である事業費の見込みで2億円、これをベースにするものではないということは、まず御理解いただきます。そして同時に、そこに入ってくる入場券収入、それが全てでもありません。実際にここに来る過程では、さまざまな消費が伴うわけであります。例えば大町市内に1日、あるいは1泊2日滞在する間の消費、宿泊費でありますとか、お土産を買う、あるいはサイトを回る過程のさまざまな経費、これらを総合的に勘案すると、先ほど他の議員の御質問に対する御答弁で、越後妻有の大地の芸術祭では、初期投資として、それらを含めたのが初期投資の、いわゆるインプットの額になります。それの1.4倍を考えまして40数億円という数字を申し上げたわけであります。大町市の場合、これがそのまま、1.4倍が当てはまるかどうかわかりませんが、この事業規模の2億円だけをもって経済効果をはかるのは、少なくとも当を得ないものと考えるところでございます。 以上です。 ○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。 ◆4番(大和幸久君) あなたが文化庁に申請した数字で、経済波及効果1人5,000円で、9,000人掛けて4,500万円の波及効果があったと。こういう申請をしているから、それをもとに計算をしているんです。今言ったように、フラムさんに1億5,000万円払っても、経済波及効果は1億円にしかならない。このデータをもとにすれば、そういう計算になるんですよ。そんなことをやっていっていいんですかということを聞いているんです。もう一遍よく検証して、後で結構ですので、それに対する見解を文書等で回答いただきたいと思います。 ○議長(二條孝夫君) 答弁ありますか。いいですか。大和幸久議員、よろしいですか。 以上で大和幸久議員の質問は終了いたしました。 ここで、5時ちょうどまで休憩といたします。 △休憩 午後4時46分 △再開 午後5時00分 ○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第6位、堀堅一議員の質問通告は1項目です。堀堅一議員の質問を許します。堀堅一議員。     〔7番(堀 堅一君)登壇〕 ◆7番(堀堅一君) 堀堅一でございます。私は市長のことをあなたなどとは絶対呼びませんので、よろしく答弁のほどお願いいたします。 今回は、国際芸術祭「食とアートの廻廊」事業の1点に絞って、質問と提言を申し上げます。 私は、今回の市長の思いを熱烈に支持をしたいと思っております。何もやらずに任期を全うしても何も言われない中、市民の皆様に対して懇切丁寧に説得する労力は大変なものだと思います。たとえそうであっても、やろうと決断したことですから、そののぼり旗をおろすことなく突き進んでいただきたいと考えております。 ところで、今回の問題は、市民の多くが北川フラム氏そのものを知る人が少ないということだと思います。知らない、わからない、そのことを前提にすれば、自分たちの知らない人に1億5,000万円ものお金を渡して、と考える市民は、大変に多いことと思います。 私、堀堅一とフラム氏との出会いは、4年前の7月に、大町市に講師として来られたときであります。その後4年間にわたり、フラム氏が毎年4回、5回とこの大町に来ていただく中で、この大町の文化や、地形的な特徴であるフォッサマグナであるとか縄文、弥生文化のお話をされるのを見て、大町が好きで勉強をしていらっしゃるんだなと、この人となりを理解しているつもりであります。 しかしながら、この大町市を理解して応援してくれるフラム氏がいたからこそ、第1回の食とアートの廻廊ができたんだと、私は思っております。大町市の本当に小さなお金しかなかった一団体に対してフラム氏がアートで協力してくれたことに、本当に感謝をしているところでございます。 市長がこのフラム氏に対して、一緒に北アルプス国際芸術祭をしようと思ったその思いを、ぜひ市民の皆様に伝えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 少しばかりですが、料理のお話をします。 牛しゃぶだといえば牛がメーン、すき焼きにしても、この料理は何がメーンなのか、その料理名を言えば一瞬ですぐ相手に伝わります。しかしながら、寄せ鍋の説明は大変難しい。今回の芸術祭による効果は、寄せ鍋のように具だくさんであることはよくわかります。しかしながら、あれもこれも入っていますというような具の種類を説明するのではなく、市民への説明の際には、しっかりとわかっていただけるように1点に絞って訴えていただきたいと思います。 どんなに説明を尽くしても、反対する方はいらっしゃいます。しかし、そうはいっても市民の参加協力は、このアートの祭典においては不可欠であります。その点を踏まえて、反対する方々を少しでも減らしていけるよう、市民の皆様に対して、改めて牛越市長の熱い思いを訴えていただきたいと思います。 反対の意見の多くは、そんなお金があるんだったらほかにするべきことがあるだろうと、よく言われます。ほかにするべきということが一体何なのかをお聞きすると、ほとんどの方からは具体策が出てまいりません。中でもお一人だけ、私のところにお電話をいただきましたが、芸術文化をうたうのであれば小ホールをつくってほしいという具体的な提言をされた方がおられました。なるほど、これはよい御提案をいただいたと思っております。文化会館までの大きなものではなく小ぶりのホールは、市民にとっても、文化芸術を推進していくためにも、大町市の未来に必要なものだと思いますが、いかがでしょうか。 この日曜日に、サン・アルプスにて芸文協の「はばたきの集い」がございました。小さなお子様の日本舞踊は、ほとんど見ることができませんでした。立ち上がってやっと見ることができた状態です。とりあえずは、このサン・アルプスでも結構ですけれども、既存の建物の改修でもよいと思います。サン・アルプスの床を、段差を少しつけてあげるだけでも見やすくなるはずですし、改修費も大変安くできることと思います。2年、3年、4年をかけても、芸術文化振興の拠点となる小ホールの実現に向けて、御検討をお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、国際芸術祭の予算であるふるさと納税分について質問いたします。 市長お任せ分、それから芸術文化振興という名目での4,000万円を、ふるさと納税をしていただく予定の皆さんは、お1人1万円としても4,000名となります。大町市を全国から注目して、ふるさと納税をしてくださる皆様です。芸術祭をやることで、ふるさと納税サイトも注目をされることと思います。全国津々浦々の皆さんが、大町市にアクセスをして、ただ見るだけじゃなくて納税というアクションを起こしてくれるということは、すごく大きなことであります。今現在、9千数百万円が集まっているようですが、来年度、1億円ということになれば、1万人の人が大町市に対して納税をしてくれているということになります。 納税をいただいたそのお気持ちを最大限に生かさなければと思いますが、いかがでしょうか。芸術祭では、期間中有効の周遊券で作品を見ていただくようになっていると思いますが、せっかく大町に対して注目してアクションを起こしてくれた皆様なんですから、1日限りの特別御招待券をお配りするぐらいのことは、検討いただけないでしょうか。 大町に関心を寄せてくれた皆さんが、また多くの人を連れて大町に来ていただければ、こんなうれしいことはありません。流動人口や交流人口の増加を狙うのであれば、ぜひこちら側からのアクションにこそ期待をしたいと思いますが、お考えをお聞かせください。 また、芸術祭を成功させるためには、市民芸術との融合を図っていかなければならないと思いますが、来年度の予算では、雪形まつりへの助成金が、今までと変わらない130万円であります。十数年変わらずに130万円では、進歩しようにも何もできません。 11月には文化祭が各地区で行われるわけですが、これについても、これからの文化芸術をどのようにして盛り上げていくのか、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。市民協働をうたっている割には、予算についての配慮が少し足りないのではないかと思いますが、その点について答弁をお願いいたします。 次の質問です。 市長は、芸術とスポーツを推進するとして訴えてきたわけであります。 ことしの5月22日の日曜日には、アルプスあづみのセンチュリーライドという自転車の大会が、8年ほど前から行われております。昨年度は1,650台の自転車が梓川から白馬まで走り回ったわけですが、こういった大会とも、今後、コラボレーションしていくことが大切だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 この大会への参加申し込みはインターネットでするわけですが、昨年は開始時間から15分ほどで、1,650人の枠があっという間に終了したやに聞いております。それほど、この土地や空気に対して思い入れのある皆さんがいるということであります。この皆さんたちに、大町市の芸術祭をどのように知らしめていくのかを、お考えがあったらお聞かせを願います。 北アルプス国際芸術祭は、「食とアートの廻廊」として開催されるわけであります。私は、食とアートの廻廊なのですから、食の部分こそが本当に大切なことだと思っております。私自身、アートについては、大変ちょっと理解が不足しているところがありますので、この食についてお話を申し上げます。 食を通じて多くの皆様と触れ合うことは、本当に重要なことだと考えます。ただおいしいだけのものなら都会へ行けば山ほどありますが、おいしいものがおもてなしなのか。行政の考える食のおもてなしとは一体何なのか、そこをしっかりとお聞きしたいと思います。 毎年、2月11日のあめ市には、野沢菜漬けの味めぐりが開かれています。数年前、最初に始めるときには、こんなことをしても、どこの家に行っても食べられるんだから、やっても意味がないし誰も来やしないよなどと言われました。しかし実際にやってみると、やはり各おうちに伝わった野沢菜漬けは、それぞれ全く同じものが存在せず、全ての家庭の味つけが違っており、予想を超えた驚きと味に、超満員のイベントとなりました。 各御家庭でおもてなしのためにしっかりと考え、その伝統を守る家庭の味こそが、大町のおもてなしだと思います。その市民性を生かしてこその食の企画が求められますが、どのように考えて食の事業を進めていくのかを、御答弁ください。 全員協議会では、行政から、ネギみそのおにぎりという言葉が出ました。私はネギみそのおにぎりは本当に大好きなんです。恐らく嫌いという人は少ないんじゃないでしょうか。すばらしいおもてなしになると思います。 先ほど自転車の大会のお話をしましたが、第1回の350人の大会から現在の1,650人の大会になるまで、ずっとお手伝いをさせていただいております。この大会の一番の人気が、ネギみそのおにぎりなんであります。地元にお金が回るように、3,500個のおにぎりもみそもネギも全て地元産の食材を使っております。 野沢菜の味が各家庭で違うように、ネギとみそをキーワードに、各御家庭のネギみそのレシピを市民の皆様から御提供いただくことで、市民協働の理念の実現につながるかと思いますが、いかがでしょうか。 一方で、大町市は穀倉地帯であります。したがって、米は重要なキーワードになります。 野沢菜漬けの体験にバスで来られた団体の皆さんへ、わずかばかりのおもてなしをいたしました。作業の一休みに、「おこひる」として漬物と小さなおにぎりを差し上げたのですが、そのお米のおいしさに、ある御婦人が、自宅用と嫁いだ娘さん宅用ということで、1年分のお米を注文されてお帰りになりました。 今回の食とアートもそうですし、アルプスマラソンにしても、都会から来た皆さんに大町のお米の本当のおいしさを知っていただくチャンスとしていかなければなりません。また、それこそが大町の食材のビジネスチャンスとならなければいけないと思っています。 みそといえば、美麻地区に、全国的にも名前が知られた企業がみその醸造蔵を建設して事業展開をしております。資本金1億円で、年間売り上げは380億円の会社です。そのみそメーカーの威信をかけた最高のみそを醸造するために、県内各地を調査した結果、美麻地区が選ばれたわけであります。 国際芸術祭では、企業との協働、市民との協働を大きく打ち出しているわけであります。私は、このみそメーカーが美麻地区に来てくれたことで、大町市が醸造に適した土地だと証明されたものだと理解をしております。そう理解すれば、大町市内にも、みそ、しょうゆという醸造文化がありますし、さらには、歴史のある三蔵の日本酒メーカーがあります。最近注目され始めたワインも、醸造に適した土地柄なのですから、これを生かさない手はありません。 行政は、せっかくのチャンスであります。食の醸造文化というストーリー性からも強く大町をアピールしていただきたいのですが、見解をお願いいたします。 今まで当たり前であったものが市民の誇りや自信につながった例は、幾らでも存在しています。こんなものはお客様に出すものじゃないね、というその壁を取り払ってこそ、初めて大町のおもてなしにつながる、そのように願いを込めまして、提言を含めて質問をいたしました。御答弁をお願いをいたします。 ○議長(二條孝夫君) 堀堅一議員の質問に対する答弁を求めます。市長。     〔市長(牛越 徹君)登壇〕 ◎市長(牛越徹君) 国際芸術祭「食とアートの廻廊」の御質問のうち、食についてのお尋ねにお答え申し上げます。 国際芸術祭における食の取り組みにつきましては、基本的な考え方としまして、清冽で豊富な水や季節感が鮮やかな四季、また塩の道などの文化歴史を背景として、大町ならではの食を提供することにより、この地域の滋味豊かで素朴な食の温か味を感じていただき、大町ファンの拡大を目指していきたいと考えております。 市内には、この地で育った野菜や山菜のほか、大町特有の気候風土により生み出される凍り餅や乾干し大根などの伝統的な保存食や、地酒やワイン、みそ、甘酒などの醸造製品、おやきやそばに加え、清らかな水で育てられた淡水魚など、これまでこの地の生活の中で生み出され、長い間育まれてまいりました豊かで多彩な食材がございます。 また、議員御指摘のように、大町市の今日までの発展の歴史には、水は欠かせないものであり、特に米につきましては、豊富で清らかな大町の水があるからこそ育つ特色ある農産物でございます。この地で生産された米を、この地の清冽な水によって炊いた御飯は、確かに最高にぜいたくな食材だとも言えると思います。 先日、市内常盤の農産物直売所で生産され販売されております凍り餅が、全国放送のテレビにより取り上げられ、多数の問い合わせがあったと聞いております。このように、今回の芸術祭における食につきましては、まさに、地域でこれまでごく普通に食べられてきた、また生産されてきた素材に再度目を向け、光を当てることにより、それを磨き上げ、訪れた皆様に提供し、御賞味いただくことが、この地に訪れたお客様への最高のおもてなしにつながるものと考えております。 今後、市民の皆様や、食にかかわる多くの機関、団体を初め、市内飲食店、宿泊施設、農産物の生産者の皆様など、さまざまな分野の皆様と連携を図り、取り組みを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 教育長。     〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕 ◎教育長(荒井今朝一君) 北アルプス国際芸術祭と、文化祭など市民芸術との融合についての御質問にお答えをいたします。 御案内のとおり、雪形まつりは、当初、雪形にちなんで春の訪れを喜び合う文芸や合唱の発表会、絵画の展示会、雪形ウォッチング等としてそれぞれの団体が個別に開催をしていたものを、イベントとして一本化して開催することとなったもので、新年度で15回目を迎えます。現在、参加団体の皆さんにより実行委員会を組織をし、生涯学習課が事務局を担当して、意欲的に取り組みを進めております。 また、文化祭につきましては、毎年秋、それぞれの地区の公民館活動や小・中学生の発表の場として、また、舞踊や太鼓、楽器の演奏、菊花展、華道作品やクラフト芸術の展示、福祉関係など広範な皆さんから出品参加をいただき、市としては最大の文化イベントとして盛大に開催をされております。 こうした市民の皆さんによる主体的で創造的な文化活動や芸術活動は、市民全体の文化水準の向上や学術芸術の振興に寄与をし、生涯学習や生きがいづくりを初め、地域の活性化の観点からも重要な役割を果たしております。 また、今回の国際芸術祭の開催を契機として、地域文化を支える市民運動の一環として明確に位置づけを行い、組織体制を初め、予算措置の面からも支援の充実を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 総務部長。     〔総務部長(勝野 稔君)登壇〕 ◎総務部長(勝野稔君) 食とアートの廻廊に関して、芸術文化振興の拠点となる小ホールの実現についてのお尋ねにお答えいたします。 大町市文化会館大ホールの客席数は、1階が794席、2階が350席の合計1,144席であり、ミュージカルやコンサート、市内学校の音楽会や文化祭のほか市民芸術祭など、市民の皆様の芸術文化活動の発表の場として活用されております。また、隣接するサン・アルプスの大会議室は、200人収容の多目的に利用できる施設であり、会議のほか芸術文化活動の発表の場としても活用されております。音響や照明設備等はホールとしては不十分ではありますが、小規模の発表会等で役割は果たしております。 小ホールの必要性につきましては時折耳にしておりますので、市民の皆様の文化芸術活動の状況を見きわめてまいりたいと存じますが、サン・アルプスの大会議室の利活用も含め、今後、市の公共施設全般のあり方等も総合的に勘案して検討してまいりたいと考えております。 ふるさと納税についての御質問にお答えいたします。 当市におけるふるさと納税は、寄附される方から市に寄附を受けるに際しまして、環境対策や教育、観光など、寄附者が市における寄附金の使途について選択できる仕組みとなっております。 国際芸術祭の開催概要では、開催に要する全体事業費の財源内訳としまして、ふるさと寄附金のうちから4,000万円を特定財源として充てることとしております。この特定財源として充てますのは、市長が選定する事業に充当する市長にお任せの項目を指定いただいた寄附金の範囲内で充てるほか、本年2月からは、新たに芸術文化の振興の項目を設け、芸術祭の開催や芸術活動に応援いただく皆様から御寄附を呼びかけることとしたところでございます。 国際芸術祭の開催を含めまして、こうした市のさまざまな取り組みにつきまして関心を寄せていただき、また、ふるさと納税の形で応援いただく全国の寄附者の皆様のお気持ちを大切にすることは大変重要なことでありますので、議員御提案の寄附者への国際芸術祭の特別招待券あるいは入場券、パスポートを返礼の品として配布することにつきましては、芸術祭を契機に当市を訪れていただくことになり、観客の増加を直接図るための有効な手段の一つでありますことから、今後、パスポートの発行規模や価格設定など入場料計画との兼ね合いにも配慮しながら、積極的に検討してまいります。 また、現在、開設作業を進めております国際芸術祭のホームページとふるさと納税のホームページとのリンクを張ることにより、多くの皆様から御支援いただくことができる仕組みづくりにつきましても、あわせて検討してまいることといたします。 あづみのセンチュリーライドのような自転車の大会との連携についてのお尋ねにお答えします。 あづみのセンチュリーライドは、ことしで8回目を迎える大会で、松本市から安曇野市や大町市を通り白馬村までの北アルプス山麓や田園の景観を楽しみながら、思い思いのペースで走るサイクリングイベントでございます。大町市におきましては、国営アルプスあづみの公園大町・松川地区や、木崎湖、美麻地区などにおいて参加者を支援するエイドが設置され、さまざまなサービスが提供されると聞いております。 このようなスポーツイベントと芸術祭との連携を図ることは、北アルプス山麓や田園などの景観に魅力を感じ参加するという共通点があると考えられますことから、特にホームページやフェイスブックなど情報発信の分野で有効であり、連携を検討してまいりたいと考えております。 また、立山黒部アルペンルートや黒部ダムを訪れる観光客を初め、市内で開催されますアルプスマラソンやスポーツ大会など、さまざまなイベントなどで来訪するお客様に対しましても、さまざまな場所、さまざまな機会を捉え、積極的に周知、広報に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。堀堅一議員。 ◆7番(堀堅一君) 大町を知っていただくというその思いを、しっかりとこれからの事業に生かしていってもらうように、例えばアルプスマラソンもそうですし、もう既に食とアートの廻廊、国際芸術祭は、さまざまな意味でもうスタートがされているんだと、その気持ちで頑張っていただきたいと思います。 それと、特に開催する2カ月の間というのは、もう部課長を初め職員も、全て全員で力を合わせて、市民の皆様とともに頑張るという覚悟をぜひ決めてやっていっていただきたいと思います。 私は再質問はありませんので、これで質問を終わります。 ○議長(二條孝夫君) 答弁よろしいですね。 以上で堀堅一議員の質問は終了といたします。 以上をもちまして本日の日程は全て終了をいたしました。 本日はこれをもって散会といたします。大変御苦労さまでした。 △散会 午後5時28分...